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今でも劣等感と戦っている?Jコールの真の強さを垣間見る。(和訳:J. Cole - "Heaven's EP")

written by @raq_reezy

こんばんは。

今回は、Jコールがたまにリリースする、頭の中をそのまま書き綴って共有する系の曲である「Heaven's EP」を解読していきたいと思います。

今回は、なんとJコールがいまだに劣等感を感じている様子が描かれているのですが、歌詞を書いているうちに元気が出てきたのか、曲が進むにつれて、自分の情熱を再確認するような曲となっています。

今のステージで、Jコールがどのようなことを考えているのか。内容をさっそく見ていきましょう。

イントロ

I'm working on dying
Yeah, yeah
(Gotta have a space) Yeah (Gotta have a space)
Know what I mean?
(She belong to the streets)
Freedom, know what I mean?
Uh (Space to get this shit off)
Yeah
Yeah (Get this shit off my mind, off my chest)
Yeah (Know what I mean?)
Yeah

和訳:
(場所が必要だ)
言ってることが分かる?
(彼女はストリート育ち)
自由ってこと、分かる?
(俺の頭や胸からこれを吐き出す場所が必要)
(言ってることが分かる?)

バース

With every record, I be asking the masses to tune your hearts to me
I represent intelligent niggas that grew up harshly
But lately I've been questioning, second guessing, whether or not I've got something to offer since I done eluded poverty

和訳: 
曲を出すたびに、心をチューニングしてくれと俺はみんなに頼んできた
俺は厳しい環境で育った賢い男をレペゼンしている
だけど、俺は最近疑問に思っている、考え込んでいるんだ
貧困から逃げ切ってしまった俺が与えられるものは果たしてあるのかと

【解読】

*Jコールといえば、ケンドリックと並んで、あるいは最近の精力的な活動によってケンドリック以上に「現代を代表するコンシャスなラッパーの代表」となっています。

*そんな思慮深さや賢さが売りのJコールですが、最近は自分の活動や立ち位置に疑問を感じているようです。ラッパーとして成功したことで貧困の中にはもういない自分が、フッドのみんなを救えるような曲を作れるのだろうかという悩みのようです。

*Jコールは、2020年にアメリカで「Black Lives Matter」の運動が盛り上がったときに、自分に求めらている役割などに困惑した様子だったのが印象に残っています。

あわせて読みたい
Jコールとノーネームのやりとりを読む。(J Cole - "Snow on the Bluff" & Noname - "Song 33")

Or has the money watered me down, that truth is hard for me
Like the second time I got cut from the junior varsity
Fightin' back tears, I promised to switch gears
And said to myself "Whatever you do, you won't do it partially"

和訳:
お金を手にして、俺は水割りのように薄まってしまったのだろうか
それが真実なら、俺にとっては厳しいものだな
俺がジュニア・バーシティから2回目に落ちたときのように
涙を堪えて、俺は頭を切り替えると誓った
そして自分に言い聞かせた「何をやるにもしても、中途半端にはやらない」

【解読】

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