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運命と私 33

久し振りに海に来た。

風は思ったほど冷たくなくて、
日差しがあるから温かかった。

空は青く高い、そしてどこまでも続く水平線に、
波の音と鳥の声そして潮の香りが最高の癒し。

私たちは砂浜を少し歩くことにした、
砂に足が沈む感覚を久し振りに感じて、
なぜか私は子供のような気持ちになった。

「海に来るのは7年ぶり!
北沢さんは夏は海に行くの?」

「ボディボードをやってたけど、
もう2年は海に行ってないな!
寒くない?大丈夫?」

「うん、大丈夫。」

空を見るとカモメが1羽だけ飛んでいた。

「ねーかもめのジョナサンって本知ってる?」

「昔読んだ!餌を食べるだけのかもめじゃなくて、
飛ぶことを極めようとした話しでしょ。」

「うん、あの本を読んだ時に、
色々な生き方があって、
集団の中に埋もれている自分が嫌になったんだ。
かもめを見るたびにあの本を読んだ時のことを思い出すんだ。」

「わかるよ、
心に響く本ってあるよな、
あと学生の時に良く聞いてた曲が急に流れて来ると、
学生の時にバカばっかりやってたことを思いだす。」

「そーそー、学生の時に聞いてた歌って心の奥に残ってるよね、
今の歌はそんなに響かないのに不思議だよね。
二人で始めて来たここの海の名前は、
ジョナサンの海って名前にしよう!」

「いいよ、急にここの海がかっこよくなった、
名前って大事だよな。
寒いからそろそろカフェに行こう、
ここから30分はかかるよ。」

「うん、温かい紅茶が飲みたい。」

私たちは車にのってカフェに向かった。


つづく


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