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鳥かごの鍵 20

私達はお店のすぐ裏にある公園に向かった、
そこは公園というより広い緑地だった。

公園の奥に歩いて行くと、
大きな噴水のある場所があった。
私達は噴水の前にあるベンチに座り、
話すことにした。

「実は私、月のこと少し前から知ってたの。」
私は重い口をどうにか開き話し始めた。

「えっ本当に!なんで?」
月は驚いた顔をしている。

私はカフェのこと、
ブレスレットのこと、
ロコモコ丼の写真のことを話した。

怒られるかもしれない、
このままもう会えないかもしれないと、
私は不安になりながらすべてを正直に話した。

話し終わると彼は笑い出した。

「な~んだ、じゃもっと早く言ってくれたら良かったのに。」

そう言って彼は笑っていた。

「怒らないの?」
私が聞くと、
「なんで怒るの?
俺も逆だったら言い出せなかったかもしれない、
こんなことで怒らないよ、
よく怒ってる?って聞くけど、
そんなに怒る知り合いでもいるの?」

確かに人の顔色を伺う癖はある、
いつからかな?
考えると頭がくらくらした、
その時、急に噴水から水が出て来た。

噴水の水がキラキラ光、虹が出来ていた、
私はそれをどこかで見たことがある気がして、
ずっと見ていた。

「少し歩かない?」

月がそう言って私の手を引っ張った。
月の手は温かく大きな手だった、
すべてを包んでくれるような、
包容力がある人だと思った。

始めから嘘つかないで話せばよかった。
私は反省していた。


私たちは公園を散歩して、
近くにある雑貨屋さんに行った。

雑貨屋さんに入ると、
お香の香りがした。

アジア雑貨のお店で、
たくさんの雑貨が売っている。

そこで月の形をした、
キーホルダーが目に入った。

私が「かわいい。」

と言うと、

「今日の記念に二人お揃いで買おう。」

と言って月が2つ買ってくれた。
こんな高校生のようなデートはいつ以来かな?
私は幸せな気持ちになった。

気がつくともう17時を過ぎていた。
「さっき食べたばかりだからお腹すいてないよね、
でも景色のいいお店があるんだ、行かない?」

月ともっと一緒にいたい、
離れたくない。
私の心は月が好きという感情でいっぱいだった。

「うん行く!」

彼とのデートはいつも近場で、
私がデートプランを考えていた、
でも月とのデートは、
月が私の好みの場所をチョイスして、
色々な場所に連れて行ってくれる。

こんな楽しくていいのかな?
私の中の罪悪感が顔を出す。

「どうしたの?疲れた?」

「疲れてないよ、大丈夫。」

「すぐ近くだけど、少し坂を上るんだよね、大丈夫?」

「私おばあちゃんじゃないから大丈夫。」

「無理しないで、俺が引っ張ってあげる。」と言って、

私の手を握り、引っ張って歩き出した。

「小さな手だね。」と月が言った。

私の顔は真っ赤になっていた。

少し歩くと高台にそのお店があった。
お店に着いた時にはあたりは薄暗くなっていた。

ログハウスのようなお店で、
中に入ると、お店の中は少し暗くなっていて、
窓から外を見ると、キレイな夜景が見えた。

「キレイ…」と私が言うと、

「夜景がきれいでしょ?最近出来たお店なんだよ。
ここも星が好きそうなお店だと思って!
喜んでもらえて本当によかった。」

月の嬉しそうな顔で私を見て、
私は月とこのままずっと一緒にいたいと思っていた。
彼とはやっぱり別れよう、
早く話しをしようと決心した。

つづく


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