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【薬局 コロナ対策シリーズ1】売上げを改善できる店舗とできない店舗

・はじめに

最近、皆様のおかげで、少しずつ、noteやココナラ・ピザスク等、
多数の媒体から、
様々な相談をいただいております。

その中の一つに、受診抑制からくる売り上げがどこも下がっており、
経営状態がかなり厳しくなっております。
経営状態が厳しくなっているのは、
コロナ下の受診抑制がかかっているのは当然ですが、
どのぐらい影響が出ているのか?ということを見るのであれば、
下記のサイトがわかりやすいと思います。

サイトを見てわかる通り、
支払報酬確定件数・支払報酬確定金額両方下がっています。
もちろん、社保がこれであるので、国保も同様でしょう。
これ以外にも公費も同様であるので、
最終的な支払金額の減少は、かなりのものになると想定されます。

・現状

かなりの薬局が、売上に困っており、
経営者もしくはそれに近い方々の対応を見ていると、
お店自体の営業を調整もしくは休み、有休消化の推進、
パートさんのコマ数減少、福利厚生の調整など、
だいたいネガティブな対応しかされてない薬局がほとんどです。
場所によっては閉店されているところもあります。

また、相談に来られるときは、大体皆さんは共通した相談になります。
「売上げを変えたいのですが、どうしたらいいですか?」
という相談はばかりです。
ただ、問題はその中身だと思います。
しかも、現場の反発を恐れて、
ほどほどにお願いしたいといういい方をされる方もすごく多いです。

逆にこちらから、どの程度のレベルでしたいかを聞けば、
売上げが困っているから、
「できるだけ」
みたいなすごいふわっとした回答をする相談者が多くて、
正直、辟易としています。

こういう方々は、結局、いざ対策をするとなると、
しっかり方針を打ち出せないから、
何一つ改善することができません。

リーダーとボスの差と同じだと思います。
わかりやすい言い方をすれば、
「前年までの金額に戻したい」「それ以上」なのか
差はいくらなのかとか、明確さがなければ何もできないと思います。

・方法&対策に入る前に①

ここをお読みいただいている方は、
困っていて少しでも改善するヒントがほしい方々だと思います。
まずは、こちらのサイトをご覧ください。

なぜ、こちらを紹介しているかというと、
・お金をいただくことが大事であること
・時代は早いスピードで変化しているので、様々な手を打つ必要があること

これにつきます。

大手もしのぎを削って、M&Aや新規出店を繰り返していますし、
他業種も、以前から離させていただいておりますが、
どんどん参入しています。
警備業界や清掃業界などからも入ってきている例がそれになります。

こういったことにより、中小薬局のエリアにも、
どんどんこれからも浸食していくことかと思います。
時に、ドラッグ系は、
これからますます攻めてきます。
例でいうと、
ポイント・支払方法の多様化・自社アプリやライン・グーグル等によるプッシュアップ機能等、これ以外にもあると思います。

堀江さんがおっしゃるとおり、インターネットが発達し、
ビジネススピードが劇的に変わっていると思います。
医療業界は、比較的に変化が遅れていますが、
海外の医療機関がすでに先に行っているので、
日本もあとを追随していくことになると思います。

・方法&対策に入る前に②

中小薬局の問題点の一つとしてあるのが、
従業員マネージメントが十分効いていないことにあります。
また、経営に近い方が、しっかり方針を打ち出せていないことも問題です。

この結果、加算が十分に対応できていない
ということにつきます。

ここにはいくつか問題があります。
・経営層がしっかり指示できていない
・加算の明確な目標、目的がない
・従業員がめんどくさがりやろうとしない
・加算を取るための明確な手段をしらない。
・加算をとっても、従業員サイドに得られるメリットがない

など
いろんなことが理由になります。
経営サイドは、購入費(薬や備品等)、家賃、人件費、税金など、
多くの支払いをしなければなりませんが、
従業員はえてしてそこまで気にしていません。

今回のコロナの波はまさにすべてをリセットされています。
下記の記事及び動画を見ていただければわかります。

このリセットという意味を、皆さん、感じていますでしょうか?
誰もが苦しい状態です。

もう、リセットは終わっており、各社、様々な手を打ち続けています。
ということは、ワクチン接種が終わり、コロナが空けた時には、
かなり差がついていることになります。

残念ながら、コロナが空けた後には、
オンライン診療などが封を切られているので、
何もせずして、自薬局に患者さんが戻ってきてくれることはありません。
Amazonや楽天などのEC業界や大手調剤薬局やドラッグストアも、
配達サービスを始めており、今後ますます浸食されることでしょう。
もう、薬局に来るのが当たり前の時代は終わりました。

しかし、実は、中小薬局には、
コロナはめちゃくちゃチャンスの塊でしかありません。

なぜか?

今まで、十分できていなかったことを見直して、
従業員に様々なことをやってもらうことができるからです。
また、薬剤師は、これから間違いなく過剰の時代が来ます。
機械化を進めれば、人数はそんなに必要なくなります。
薬剤師・医療事務に代わるチャンスを与えてあげる必要はありますが、
変化をしない人材は不要になりつつあります。

経営層やそこに近い人が方針が、しっかり決断できず、
あやふやな指示を続ければ、成果も出せるわけありません。
経営者も変わらなければならないのです。

厳しいことを書いていますが、過去は変えられないので、
今、ここを大事にして、
変わるということを意識してほしいと思います。

ここまで前置きが長くなってしまいましたが、
それでも、何とかしたいと思う人はこの先をお読みください。

・対応

ここから、対応を記載しようと思います。
対応するためにいくつかプロセスがあります。
①現状の把握
②対策の立案・目標設定
③対策の実施
④効果の確認


簡単に言うと、PDCAにもちろんなりますが、
その前段階として、現状把握があります。
皆さんの悩みをお聞きしていると、最終の売上げの把握しかなく、
もうちょっと細分化して分析されてない方がほとんどです。
分析が甘いと、対策はその分できません。
これを機に、しっかり分析をされたい方は、
その記事も作成していますので、下記のリンクから是非ご覧ください。

おかげさまで、最近、有料記事をお買い上げいただけている方々も
増えてきておりますので、
もし、お困りであれば、是非、ご活用ください。

①現状の把握

まずは、現状把握になります。
人件費とかも大事なのですが、
まずは、管理薬剤師会議で数値としてしっかり出せるかが焦点になります。
・売上
・処方箋枚数及び主医療機関の処方箋集中率

上記二つは、前年比もあるといいと思います。
・面比率(他医療機関の集中率)
・一日の平均処方箋枚数
・薬剤師及び医療事務1人当たりの1日の処理枚数
・薬剤料及び薬剤料比率
・技術料及び技術料比率
・仕入金額
・薬価差益(薬剤料-仕入金額)
・在庫率(月末在庫金額/薬剤料)
・後発品割合

は、まず抑えておく最低限度になります。

他に、ハイリスク可算・吸入指導加算・かかりつけ薬剤師・
重複投薬・相互作用等防止加算等
わかる限りの情報を入れておくといいと思います。

なぜなら、売上を上げるには、
売上=客数(患者さん数)×客単価(技術料・薬剤料)
この公式に当てはめるしかありません。
つまり、
・客数(新規獲得・リピート率向上・離脱率減少)を上げるか?
・客単価を上げるか? 
を考えるしかありません。

実は、システムによって、
どこまで細かく情報を出せるかわかりません。
そのため、自社で使っているシステムがどこまで情報を出してもらえるか
をチェックする必要があります。
その時に使う情報が、月計表になります。
もちろん、一部の項目は、必要に応じて、計算式で求める形にもなります。

②対策の立案・目標設定

この情報を元にして、自分たちで何ができていないかを洗い出します。
対策としては、
①売上を上げる活動
②経費を抑える活動

に分かれます。
下記に参考例を記載しておきます。

 ①売上を上げる活動

・加算を取る
・患者さんや医療機関に営業する
・イベントをして認知度を上げる
・チラシを作成する
・SNSやLINE等のプッシュアップ機能を使って認知度を上げる
・M&A先を探す

 ②経費を抑える活動

・残業や出勤日を抑えて、人件費を抑える
・薬局内作業のスピードアップ化(生産性見直し)
・在庫を見直す
・薬袋やスポイト、お薬手帳、お茶等の雑経費を見直す
・調剤機器を見直す
・家賃等の固定経費を見直す
・薬の仕入れ先や納入金額を調整する

見てわかる通り、
経費を抑える活動は、
ネガティブに働くことが多いです。
これを露骨にやると、従業員がどのように感じるかを考えて
行わなければ、むしろ改善は失敗に終わります。

また、売上を上げる活動については、
薬局内でできること
渉外活動

の二つに分かれます。
もちろん即効性があるのは、加算の見直しです。
それ以外ももちろんやらなければならないことかと思います。
ここを、棚卸して、期間を決めてプランニングできるかが大事になります。

 ③大事なこと

この対策案を立てるときには、追加で大事なことがまだあります。
・対策は、複数人で立てて、会社のことを思って真剣に行うこと
・管理をするために、目標数値を明確にすること
・管理薬剤師会議等でしっかり、管理薬剤師やスタッフと合意を得ること

になります。

独りよがりと思われると、
対策はしっかりしているが、実施されないことがあったり、
反発は必至です。

また、加算を取るということを選択しても、
今までやっていなかったことをやるので、
方法論がわからない人は、反発したり、適当に加算を取るなど
手を抜く方が多いです。

それを防ぐためにも、
加算を取るため障害を明らかにしたり、Q&A集を作るとか
前向きな対策を取れるかがなければ、
結局、組織としても弱いですし、
他の薬局と競い合ったとしても、負けると思います。

今回のキーは、見える化です。
多分、経営がうまくいかれてない方の原因が
見える化であったり、スタッフとのコミュニケーションや合意不足が
圧倒的に多いです。
経営の問題があるのであれば、しっかり説明し、
改善したいことを伝えなければ何も進めないと思います。
可能であれば、赤字があれば、
経営サイドから素直に言うことも大事だと思います。

③対策の実施

合意を得たら、実施になります。
実施をすれば、様々な問題が出てきます。
問題は早めにつぶした方がいいです。
特に、窓口業務でのトーク力は、個人差があります。

うまく言った事例は、早めに店舗・グループ共有して、
会社内で共有し、他店舗へ横展開をし、
効率よくやらなければなりません。
こういったことを吸い上げてまとめ役をする人も
必要に応じて任命してやってもらうことも大事でしょう。
会社としてもそういう人をただ利用するのではなく、
手当等しっかりフォローしてあげてほしいと思います。

④効果の確認

1か月ごとに、対策がどれだけきいているか確認をします。
今回のコロナの件は、
管理薬剤師も数字について、考えてもらういい機会です。

加算が取れていない管理薬剤師は、
・スタッフとのコミュニケーションがうまくできていない
・薬剤師としての加算を取るだけの能力が高くない
・やる気がない

など問題かと思います。

もちろん、会議によって、
目標設定数値と現実の差をするため、
数字の詰めをすることにより、
改善するチャンスを与えることも大事です。
メイン医療機関の意向に絡む部分ももちろんありますが、
それが妥当か妥当でないかは、しっかりジャッジする必要もあります。

メイン医療機関に必要に応じて、根回しする必要もあるかもしれません。
大事なことは、前向きに対応できているかにつきます。

できていなければ、毎月の進捗を詰めるしかないです。
人間は、やっていればある程度までしっかり数字は伸びます。
もちろん、たくさんトライすれば、失敗してもノウハウが身につくので、
改善案も出てくるものです。
改善すれば、数字に表れてきます。

それができないのであれば、あとは会社の都合で調整するしかないと
思います。
いつまでも切られることはないと甘く考えている人は、
今回を機に、整理することも最終的に必要になるかもしれません。

大事なことは、
これから薬局をどうしていくかを真剣に考えられない人・経営者は、
それなりの数字しか出せず、
どんどん苦しい経営をしていくことになるでしょう。
診療報酬も、基本的に2年に一回、下がります。
それで対策をしていない薬局でどうやって、維持するのでしょうか?
最終的には、譲渡もしくは閉店にむかうことでしょう。

一回結果がでたら、また、①の現状把握を行い、
それに対してまたプランニングして次につなげていくことを
ひたすら繰り返すことになります。
当たり前のことをひたすらするだけですね。

⑤その他

加算は、収入に直結するためにまず最初にする必要があります。

他にも、
在庫管理・購入額
家賃
リース品の見直し
人件費カット
渉外活動
など、並行して行うもしくは、時期をずらして行うことを
考える必要があります。

もちろん、加算を取るためにも従業員教育は必要でしょうし、
それ以外にも0129通知対応等の手順書対応など様々なことが
要求されます。
こういった意味でも、本社機能のような取りまとめする部隊も
必要になります。

もちろん、管理薬剤師会議をするには、
会議内容を調整する必要もあります。
データ入力をし、傾向分析もする必要があります。
渉外活動をするには、
店舗営業時間である日中もしくは土日でも動ける櫃が必要です。
中小の場合、社長が行うこともありますが、
正直、社長が行う業務も多々あるので、限度があります。
誰かが兼任するかなど手分けをするしかありません。

⑥外部力の利用

ここまでで大事なことをいくつも書いていますが、
他にもまだあります。

新しいことをやるのに、摩擦がつきものです。
なので、初動を起こすのに、エネルギーをすごく使います。
まずこの初動が大変です。
次に、やってみて軋轢がでます。
多くの改善は、実はここで止まります。
一度、初動のエネルギーをかけたのであったら、
決して止めてはいけません。
ここで止めたら、もう改善はほぼできません。
なぜなら、次の初動にもっとエネルギーを使いますし、
軋轢ももっと出ます。止める力も強くなります。

最近考えている、個人的なお勧めは、
外部に改善を頼むしかないと思います。

理由は単純です。
そもそも、こうなった理由は何でしょうか?
自分たちの組織で改善できればいいのでしょうが、
そんなに簡単に組織風土は変わりますでしょうか?

自分が今まで経験した中で言うと、無理だと思います。
自分たち同士でやれば甘えも生じますし、言い訳も横行します。
外部の力を入れることにより、違う解決策があったり、
厳しいことを言えます。
個人的には、言いづらいことをズバズバと言える悪者が必要かなと
思います。
なあなあな組織は、売上もなあなあになります。
自分はそれで、M&Aされました(笑)。
記事にしていますのでよろしければご覧ください。

コンサルが高いというのであれば、
自分も手伝いますので、仕事依頼からお願いいたします。
下記にリンクを貼っておきます。
自分は、現場にいたので、現場目線でご相談に乗れます。
数値管理以外にも、現場もてこ入れをしなければなりません。

正直、医療系のコンサルって、
成果と費用のコスパがむちゃくちゃ悪い気がします。(笑)
悪い言い方をすれば、ハゲタカのような感じだなと思います。
きれいごとを言うけど、実行は、薬局にお任せみたいな感じで。

・最後に

今回は、コロナ対策シリーズを立ち上げてみました。

薬価差益に依存する経営は、すでに終わりを迎えていますが、
いまだに、それにあやかろうとする中小薬局が後を絶ちません。
大手は、すでに薬価差益に依存しない経営をしていますし、
調剤薬局以外にも、人材派遣やデータ販売、教育など
様々な商売を並行しており、リスクを分散しています。
もちろん大手ドラッグストアも同様です。

自分の思いとして、大手の真似もしてほしくないし、
自分の型に意固地になってほしいとは思っていません。
どちらも良さ悪さがあります。

地域のハブを担う薬局が推進される今、
大手のノウハウを得ながら、利益と効率化を図り、
その余った資金や時間を地元の方々に還元してほしいと思います。
大手は、収益あっての活動です。
それもいいのかと言われれば問題があります。

自分は、両方の良さを取ったハイブリット型の薬局を目指してほしいと
考えています。
その延長戦にあるのが、健康サポート薬局であったり、地域連携薬局に
なると思います。

なお、次のテーマは、上司になります。

対策がうまくいく、行かないのも上司にかかります。
このコロナを機に、問題意識を自分に矢印を向けて、
変われた人は、今後も生き残れる人材になれると思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。



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