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『中庸』は「ほどほど」ではない!【ニコマコス倫理学⑨】

こんにちは、らるです。

『中庸』という言葉は
儒教でも出てきますので
耳にしたことくらいはある…という人が
多い言葉かと思います。

ですが、そのイメージは
「まあまあ」とか「ほどほど」
…くらいのもの
だったりしませんでしょうか?

私も、そんなイメージでした。

ですが、中庸というのは
そうではないのです。



中庸とは何か?

中庸というのは、一言で言えば
「ど真ん中」ということです。

『勇気』という徳を例にして
考えてみると…

日本放送協会,NHK出版. NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年 10月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.89). NHK出版. Kindle 版.

勇気は、
全くなくて「臆病」なのが悪徳なのは
もちろんですが

行き過ぎて「向こう見ず」になっても
それはそれで悪徳
です。

戦うべきときに戦えなくても
考えなしに突撃しても
どちらも不幸なことになる

…というのは、想像がつくと思います。

勇気ある人とは、一目散に逃げる人や、がむしゃらに進んでいく人でないだけではなく、単にほどほどに進む人でもない。そうではなく、その場で最も的確な立ち向かい方をする人なのです。

日本放送協会,NHK出版. NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年 10月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.91). NHK出版. Kindle 版.

「もっとも的確な立ち向かい方をする人」
=『勇気ある人』
だというわけです。

中庸=ど真ん中 のイメージが
伝わりましたでしょうか?

非常にハードルが高いですね、中庸


その場その場で
バランスの取れた、ベストな選択を
選び抜くこと…

日々仕事をしていても
その難しさは感じています。

私自身は、採用の仕事をしていますが

選考受験者1人1人に向き合う…ということを
大事にしたいと思いつつ

選考のための業務を回すことも両立させることが
必要にもなってきます。

人に向き合い過ぎれば
業務が回らなくなりますし

業務に徹してしまえば
人に対して冷たくなります

その「ど真ん中」がどこにあるのかは
自らに問い続けていく必要があるのでしょう。

中庸への道は険しいです。

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