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好きなことして生きていく。

先日あるピアニストの方と話しているときに、「あらい君はピアノを好きでやっているのはいいことだよね」と言われた。

褒められたっぽいことはニュアンスでわかったけど、なにを「いいね」と言われたかがわからなくて一瞬固まる。

例えば僕がご飯を食べている時に「あ、ご飯を食べているんですね」と言われているみたいな、なにを話題にしようとしているんだろう?

そのあと話を続けてわかったのは、どうやら「今ピアノを仕事にしている」人が「ピアノが好きな人」ばかりじゃないらしい。

好きだから仕事にしているわけじゃないし、好きじゃなくても仕事にする人はいる

…って、言われてみれば当たり前のことなんだけど、ピアノとかいわゆるフリーランスの人に対して、彼らは好きでそれをやっているに違いない、という思い込みがあったなあ。
僕はピアノを好きで好きでしょうがなくて始めたから、それを基準にして「プロはピアノ好きに違いない!」に飽き足らず、むしろ「好きじゃないとプロになれない」くらいに思っていた。

もっと誤解を恐れずに言うと、「会社員は毎月の安定した給料と引き換えに我慢しながら仕事してるけど、フリーランスは、好きなこと≒対価もらえる能力を仕事にしてるんだろ、いいよな!」という雑なイメージでした。ごめんなさい。

でもよく考えると「別に好きじゃないんですけどね」とか表立って言ってる人と仕事したいとは思わないじゃないか。
「やりたくないならやらなければ」って思うし、だからそりゃあ情熱を語り、いかに思い入れがあっていかにそれが好きかを表明する。僕はその一面だけを見てきたんだよね。

だから冒頭のやり取りはかなり衝撃だった。

そんなこともあって、ピアノと関わったことがある友人に聞いてみた。

・小さい頃からピアノ(クラシック)に関わっていて、本人もよくわからないまま習慣になっていて今も弾いているという人。

・「得意だから」続けて、達成感が喜びだから今も弾いていて仕事にしているけど、「一度もピアノのこと好きと思ったことないかもしれませんね」と言う人。

・練習が厳しくて本当はずっと嫌だったけど、コンクールとか課題曲はどんどん決まってくから、好きとかきらいとか考えずに弾いていて、今はもうやめちゃった、という人。

つまり、
好き→レベル高い→プロ

じゃなくて
好き→継続→レベル高い→プロ

であって、もっと言うなら
嫌い→継続→レベル高い→プロ

でも構わないっていうことじゃないか、プロになるためには。

「プロとして仕事するにあたって1番影響するのは、好き嫌いより継続してきたかどうか」

「継続」の中の要素の話はここでは省きますね。
こんな事を言うと、それは才能があるからだって話にしたくてしょうがない、自分はなにもしていない人が出てくるんだけど、無視することにします。


話を戻すと、なにかするのに「好きかどうか」っていうのは基準にならないことが多いんだなっていうことを言いたかった。

好きだから継続できたり、好きだから主体的に取り組んだり、好きだから他のことに時間を使わずにそれに打ち込んだりできるのかもしれないけど、好きじゃなくてもそうしてきた人=「やることやってきた人」は、然るべくした結果を得ている。

だから今、好きなことを仕事にしよう!というのが広まってきたのを、僕は「どうせやることやるなら好きなことやる方がいいでしょ」って意味に受け取ることにする。

逆に言うと、好きでも「やることやらない」人は何も起こらないし、僕は圧倒的に好きだから圧倒的にその「やることやったら」いいと思っています。

ということで、今回の「解像度を上げる作業」でした。

好きかどうかってすごいエネルギーだからなあ。

自分のことだから体感してるけど、「やるかやらないか」は誰にでも選べることだけど、好きなことと「自分のやること」を結び付けられたら、極上の幸せだよなあ。

#好きなことして生きていく
#継続
#イチローさん