HAGINO M.D.

晴れ、時々真面目。所によりおふざけがあるでしょう

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    ただのクソ日記。読んでどうするの?

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    リウマチ科医が読んでためになる週刊note.

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    Rule #1. 誰も取り上げない本を取り上げて褒める。 Rule #2. みんなが褒めそうな本は、別の見地から褒める。

最近の記事

津野海太郎「かれが最後に書いた本」

評するというより、とても良かったという感想と、特にそこに書かれた池内紀の印象的な最期についての備忘。 「かれが最後に書いた本」、このタイトルが冠せられた章における「かれ」は三名で、いずれも著者と同世代、あるいは少し下の世代に属する3名の書き手が「最後に書いた本」の話題で、すなわち池内紀、加藤典洋、古井由吉。 当該書にはそれ以外にも橋本治、坪内祐三など、著者自身が直接・間接に接することのあった書き手の「最後の本」「最後の出会い」「最後の挨拶」について、彼も、そして彼も逝って

    • 清原達郎「我が投資術」短評

      伝説の投資家・清原達郎氏の「わが投資術」を読んで、優れた内科臨床医のような切り口での相場理解に感銘を受けました。 他の「初心者向け」の本には、比喩的に言うと「CRPが上がったらステロイドを増やしましょう」「いやCRPが上がったら下がる前触れかもしれませんので思い切ってステロイドは減らしましょう」レベルのことしか書いてなかったりするのですが、この本はもう少し病態生理(??)に踏み込んで、清原氏なりの見方での「信頼できる指標」と、「世間一般では使われているが、清原氏の立場・考え

      • ジベレリン爪徴候

        以下は某学会ニュースレターに掲載されたエッセイです。 働き方かいあく改革に伴い、2024年3月で甲府共立診療所での外来を離れることになったことを契機にnote転載しました。 ご縁があって、東日本のあちこちに「リウマチ外来」をお届けする生活を送っている。 千葉県市原市から山梨県甲府市に月1回お伺いするようになったのは2015年の春から。甲府共立診療所で初期研修された先生が帝京大学ちば総合医療センターのリウマチ科で1年間の研鑽を積まれ、その「研修発表会」を甲府共立病院で行った

        • 日本の「大衆」が、自分の思うように行動しないことへの憎悪が、ある時には首相に、ある時にはコロナ禍でリーダーシップを取った人々に向けられるのだけど、その一方で自分も骨の髄まで「日本人」であることに薄々気付いていることが、界隈の「過剰な攻撃性」として表出されるんよな。

        津野海太郎「かれが最後に書いた本」

        • 清原達郎「我が投資術」短評

        • ジベレリン爪徴候

        • 日本の「大衆」が、自分の思うように行動しないことへの憎悪が、ある時には首相に、ある時にはコロナ禍でリーダーシップを取った人々に向けられるのだけど、その一方で自分も骨の髄まで「日本人」であることに薄々気付いていることが、界隈の「過剰な攻撃性」として表出されるんよな。

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        記事

          note有料部分の批判ってどの程度引用して良いのかわからんね。ザッツ・ペイウォール!

          note有料部分の批判ってどの程度引用して良いのかわからんね。ザッツ・ペイウォール!

          双方、同じ程度にダメ。世相ばっか見てて人間理解が浅すぎるねん。 全てやり直しだ。

          双方、同じ程度にダメ。世相ばっか見てて人間理解が浅すぎるねん。 全てやり直しだ。

          結局「過剰なmedicalization」への批判が、ある種の無知蒙昧やアイデンティティ・ポリティクスを伴わざるを得ない状況こそが真に絶望的なんだよな。 それだったら完全な無知蒙昧の方に振り切れた方がずっと正直だと思う。部分的に受益してポーズとして批判してるのは不健康だろ。

          結局「過剰なmedicalization」への批判が、ある種の無知蒙昧やアイデンティティ・ポリティクスを伴わざるを得ない状況こそが真に絶望的なんだよな。 それだったら完全な無知蒙昧の方に振り切れた方がずっと正直だと思う。部分的に受益してポーズとして批判してるのは不健康だろ。

          その点、中川淳一郎はサイコーだ。 「俺が不愉快だ」「偉そうな専門家が俺にはムカつく」「こんな日本には俺は住めねぇ(移住ムーブ)」とか一貫してる。無知蒙昧であってもニチャニチャしていなくて清々しい。 これも完全に正論じゃないか。 https://x.com/unkotaberuno/status/1732618344325579132?s=20

          その点、中川淳一郎はサイコーだ。 「俺が不愉快だ」「偉そうな専門家が俺にはムカつく」「こんな日本には俺は住めねぇ(移住ムーブ)」とか一貫してる。無知蒙昧であってもニチャニチャしていなくて清々しい。 これも完全に正論じゃないか。 https://x.com/unkotaberuno/status/1732618344325579132?s=20

          「俺はマスクして自粛している日本人が嫌いだ(嫌いになった)」と書けばいいのに、若者の人生がどうのこうの、尾身・西浦がどうのこうの、と40オーバーのオッさんがアイデンティティ・ポリティクスみたいなことを書くのは趣味が合わないと思いました https://note.com/bosszaru21/n/n3e877be4797e

          「俺はマスクして自粛している日本人が嫌いだ(嫌いになった)」と書けばいいのに、若者の人生がどうのこうの、尾身・西浦がどうのこうの、と40オーバーのオッさんがアイデンティティ・ポリティクスみたいなことを書くのは趣味が合わないと思いました https://note.com/bosszaru21/n/n3e877be4797e

          ここ数ヶ月、決定的に「失敗したな」と思うことがあり、しかしその失敗が避けがたいものであったとは思えず、まぁ生きるとは失敗すること、1つ間違える素地があれば100のバリエーションで1,000回失敗するのが人間なので、事態が落ち着いたらその失敗について書き残そうと思う。

          ここ数ヶ月、決定的に「失敗したな」と思うことがあり、しかしその失敗が避けがたいものであったとは思えず、まぁ生きるとは失敗すること、1つ間違える素地があれば100のバリエーションで1,000回失敗するのが人間なので、事態が落ち着いたらその失敗について書き残そうと思う。

          2017年頃からずっと「何もかもやり直しだ」というフレーズが脳内でリフレインしていて、何をやり直すのか・どうやり直すのかもわからないままずーっとそのまま。やり直しだ。

          2017年頃からずっと「何もかもやり直しだ」というフレーズが脳内でリフレインしていて、何をやり直すのか・どうやり直すのかもわからないままずーっとそのまま。やり直しだ。

          2017年頃には仕事が手一杯で、自分のなかのストックが枯渇しつつあるのを感じていたのに、同年に娘が生まれて(広義の)仕事に割けるエフォートがより一層減り、さらにコロナ禍で色々持っていかれたので、いま「ストックは底を尽きたけど『気合い』で動いている」という状態であるな。

          2017年頃には仕事が手一杯で、自分のなかのストックが枯渇しつつあるのを感じていたのに、同年に娘が生まれて(広義の)仕事に割けるエフォートがより一層減り、さらにコロナ禍で色々持っていかれたので、いま「ストックは底を尽きたけど『気合い』で動いている」という状態であるな。

          自己紹介的なnote(続かない)

          ある方との対談前に準備資料として唐突に書き始めて頓挫した、もう半生はとっくにすぎ、猛反省の記。 オリジナルはThreadsの連続投稿。 生まれ育ち 1975年7月、神戸市須磨区生まれ。 阪神淡路大震災では奇跡的に被害が少なかった地域。 ただ、震災の3日前に親父が脳梗塞を起こした。 親父は50歳で脳梗塞を起こし、その後の25年はリハビリテーションをして過ごし、コロナ禍が本格化する寸前の2020年1月に亡くなった。人生の3分の1をリハビリテーションに費したことになるが、それも

          自己紹介的なnote(続かない)

          結婚式スピーチ草稿

          皆さん、こんにちは。 (まずは御着席下さい) ただいまご紹介にあずかりました、新郎◯◯君の上司で、帝京大学ちば総合医療センターのリウマチ科で一緒に働いている萩野 昇と申します。 この素晴らしい日に招待していただき、本当にありがとうございます。御礼申し上げます。 さて、◯◯君は202◯年の4月から我々のチームに参加してくれました。最初から彼の働きぶりには感心しています。この人は「痒いところに手が届く」タイプだな、とすぐにわかりました。 患者さんに対しても、僕が「もうダメかも」

          結婚式スピーチ草稿

          「アリスとテレスのまぼろし工場」

          [以下、露骨なネタバレはありませんが、控えめなネタバレと露骨な表現あり] ***** 「最後のシーンで工場とともに自爆しようとするアリス(菊入正宗、14歳)を後ろから抱きとめるテレス(大嫌いな佐上睦実)、そして『僕は未来に行くんだ!』と、その腕を振り払うアリス、大爆発とともに炎上して崩れ落ちる工場、ひび割れる空、未来へ〜未来へ〜 君だけで往け〜」 というストーリーではありませんでした。 というか、最後まで観ても「アリス」も「テレス」も出てこねぇ。 この映画を観るに至っ

          「アリスとテレスのまぼろし工場」

          感想と懺悔

          僕の臨床医としての原風景には、子供の頃からお世話になった診療所のヨネザワ先生がいらっしゃっるのだけれど、なにかあったら熱が出たり吐いたりしていた子供の頃の僕を高校生の頃まで診療してくれた記憶がある。 もともと神戸大学で内分泌を専門にしておられたのだけど、なにかの折に開業され、頭痛の患者の眼底を見て、脳腫瘍(疑)で高次医療機関に紹介したりしておられたので、プライマリ・ケア医としての力量は非常に高いというか、いまの僕には絶対に無理っす。なんかあったら頭痛に放射線や磁気を浴びせ

          感想と懺悔