見出し画像

夏だ、読書だ、サマー・リーディングだ!

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~2020/08/10 第513号


はじめに

はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。

夏だ、読書だ、サマー・リーディングだ!

ということで、本の紹介回です。ええ、大丈夫です。普段と同じ中の人が書いてますよ。

(以下の記事にインスパイアされました)

年がら年中本を読んでいますし、そもそも「夏休み」という概念とは学生生活以来縁を切ったままですが、この時期に集中して本を読もうと計画を立てている方も少なからずいらっしゃるのでしょう。

そこで、私のサイドテーブルに鎮座する(崩れかかった)未読ブックマウンテンの整理がてらに、今回は「これから私が読もうとしている本」を紹介してみようと思います。

というわけで、今回は「はじめに」なしで、いきなり本編です。

どうぞ。

――――――――――――――――
2020/08/10 第513号の目次
――――――――――――――――

○リスト1:文庫本
○リスト2:新書
○リスト3:単行本(ノウハウ・創造性・ビジネス)
○リスト4:単行本(思想・経済・哲学)
○リスト5:GEB

※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。

画像1

○リスト1:文庫本

『記号論講義』(石田英敬 ちくま学芸文庫)

たしか堀正岳さんのツイートで存在を知り、書店で見かけてチェックしてみたところ、「日常生活批判のためのレッスン」という副題に惹かれて購入。目次もなかなか魅力的。

以下目次。

・モノについてのレッスン
・記号と意味についてのレッスン
・メディアとコミュニケーションについてのレッスン
・“ここ”についてのレッスン
・都市についてのレッスン
・欲望についてのレッスン
・身体についてのレッスン
・象徴政治についてのレッスン
・“いま”についてのレッスン
・ヴァーチャルについてのレッスン

『第五の季節』(N・K・ジェミシン 創世SF文庫)

「三年連続ヒューゴー賞受賞シリーズ」という帯の文句に惹かれて手に取り、扉ページの直前に書かれていた「ほかの誰もが無条件で受けている敬意を、戦い取らねばならない人々に」という文で見事にハートを射ぬかれました。あらすじなどはどうでもよくて、この感性を持っている作家の作品なら一読する価値はあるだろうと判断した次第です。

『思考の技法』(グレアム・ウォーラス)

タイトル買いの一冊です。ちなみに、ダニエル・C・デネットにも同名の著作があり、そちらはかなり難解な一冊となっています。で、グレアム・ウォーラスの『思考の技法』は、帯に『アイデアのつくり方』の源泉となった一冊とあり、へぇ〜と思いながら『アイデアのつくり方』をパラパラとめくっていると、たしかにこの本がお勧め書籍の三冊のうちの一冊として紹介されていました。
*ちなみに、他の二冊は『科学と方法』(ポアンカレ)、『科学的研究の技術』(ビーバリッヂ)です。

推察すると、「思考」というものの全体像のうち「発想」(アイデアの創造)に焦点を合わせたものが『アイデアのつくり方』であり、「思考」領域全体をカバーしているのが『思考の技法』なのでしょう。

『私の生活技術』(アンドレ・モーロワ 土曜文庫)

某蔦屋書店を散策していたら、哲学のコーナーで面陳されているのを見かけた一冊です。著者が誰なのかも知りませんし、どこの出版社なのかもわかりませんが、カバーのない文庫本は実にきりりとした印象を覚えます。最近やたらめったら著者の顔をプリントした帯を見かけてうんざりしていたので、すがすがしい気分です。

裏にある、

若いうち本を読みあさるのは、
ちょうど広い世間に出て行くのと同じで、
友を得るためである。
しかしいったん、これこそ友とすべきだ
という人が見つかったら、
その人とともに世間づきあいを
はなれるべきである。

という文章は、今せっせと積ん読している自分には痛いトゲです。

『構造素子』(樋口恭介 ハヤカワ文庫JA)

どんな作品かはまったく知りませんが、先日読んだ同じ著者の『すべて名もなき未来』が面白かったので、応援の意味もかねて購入です。そういう応援購入も結構します。読むかどうかは別として。

『その日の後刻に』(グレイス・ペイリー 文春文庫)

なんだかんだで、翻訳されているグレイス・ペイリーさんの本は全部読んでいる気がします。「村上春樹訳」というのが大きな要因ですが、たぶんそれだけではないのでしょう。全体的にすごく不思議な読後感が残る作品が多い作家さんです。

『箱男』(安部公房 新潮文庫)

安部公房の本って一冊も読んだことがなかったのですが、以前読んだ『読書嫌いのための図書室案内』に安部公房の『赤い繭』が登場していて、へぇ〜面白そうだな〜と思っていたところ、書店でこの本を見かけたので、まずはこの本から挑戦してみることにしました。

『全体性と無限』(エマニュエル・レヴィナス 講談社学術文庫)

私が長年温めている『断片からの創造』を書く上で、避けては通れないなと思っているのがこの本です。「すべては断片であり、全体である」というテーゼはまさに「全体性と無限」の話なので、ぜひとも押さえておきたいところ。ただし、読み通せるかどうかはわかりませんが。

ここから先は

5,987字 / 5画像 / 1ファイル

¥ 180

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?