Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」 2017/12/18 第375号

はじめに

はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。

いよいよ年の瀬が迫ってきました。

現状、いろいろ切羽がつまっております。目下最大の懸念材料は『僕らの生存戦略』で、ほぼ毎日執筆しておりますが、終わる目処がまったく立っておりません。どのくらい立っていないかというと、今北海道にいて、どうやって佐渡島に行こうかと考えるくらいの目処のたたなさ具合です(若干意味不明)。

とは言え、やいやい言っていても事態は前には進まず、ただ時間だけが過ぎていくので、全体の優先順位を動かして、できるかぎりのことをやるだけです。

やることをやり、喫緊以外のことは涙をのんで先送りする。

それしかありません。それでも間に合うかどうかは、ちょっと微妙なのですが……。

というわけで、皆さんも今年中にやっておきたいことを実現するために、いろいろな優先順位を見直しておくのもよいかもしれません。

〜〜〜Evernote改築日記〜〜〜

先日、Evernoteの運用体制を変えている、というお話をしましたが、その続報をちょこっとお知らせしてみます。

・セルフタグ付け

EvernoteにはさまざまなWebクリップが保存されていますが、自分が書いたブログ記事も保存されるようにしています。フィード→IFTTT→Evernoteの流れです。

これまでは、そうしたノートにはIFTTTで自動的につけた「R-style」などのタグがついているだけでしたが、最近は、そうしたノートにコンテキストタグをつけるようにしています。つまり、その記事が≪断片からの創造≫に関係しそうな記事ならば、そのタグをつける、ということです。

これまでずっと、「自分のアイデアメモ」と「自分が書いた記事」が分断してしまっていて、ブログ記事を大きな構造物の作成に利用しにくいと感じていたのですが、このタグづけによって、それができる可能性が生まれてきました。タグで、未使用のアイデアと中間構造物である記事が両方ピックアップできるのです。

というか、むしろなぜ今ままでこれを実行してこなかったのだ、と今さらながらに感じています。どう考えても必須な要件です。

手間の問題から言って、R-styleでついているタグを、Evernoteのタグとしても利用できたら簡便なのですが、今のやり方では簡単ではありません。それについてはまた別途検討してみます。

・アイデアノートブックの分離

これまで、アイデアノートに関するスタックを作っていました。

アイデアノートスタック
・アイデアノート
・企画案
・引き出し
・使用済みアイデア

「アイデアノート」はアイデアの寄合所、「企画案」は本になりそうなアイデア、「引き出し」は書いたけど行くあてのない文章、「使用済みアイデア」は使い終わったけどまだ噛み応えがありそうなアイデアの保存場所です。

で、この上3つを「常時表示させるためのスタック」に移動させ、「使用済みアイデア」ノートブックに関しては、そのまま残していたわけですが、ふと思い立ち、ノートブック名を「Idealog」と変えて、ログ用のノートブックスタックに移動させました。

logスタック
・象の墓場
・Medialog
・Worklog
・Lifelog
・Idealog

「象の墓場」は書き終えた原稿、「Medialog」は読み終えた本などの情報、「Worklog」は過去のデイリータスクリストやプロジェクトノート、「Lifelog」はツイッターのログや日常の写真、そして「Idealog」は使用済みのアイデアです。

うん、これですね。非常にしっくりきます。それと共に、全体の構造が、ボトムアップで徐々に構成されつつある感覚もあります。

必要だったのは、「アイデア」という属性でわける(グルーピング)することではなく、情報の状態でわけることだったのでしょう。この感覚は、他のノートブック編成でも活きてきそうです。

というわけで、運用体制の変更はまだまだ続いているので、この話も続くと思います。

〜〜〜 執筆フローの変更〜〜〜

最近、執筆の進め方を少し変えています。もう少し言うと、7wrinerという自作ツールを執筆プロセスの中に組み込むようにしています。

たとえば、現状の手順は、以下のような感じです。

・紙などで書けそうなことを検討する
・7wrinerにとりあえずメモをガシガシ打ち込んでいく
・7wrinerでそれらを「ブロック単位」(節単位)に分ける
・「ブロック」の中で話の流れを整理する
・「ブロック単位」での流れを整理する
・ある程度できたら、その内容をベースにしてテキストファイルにざらっと下書きする
・後はそれを肉付けしていく

今まで少し大きめの付箋を使ってやっていたことを、7wrinerで実践している、というところでしょうか。縦に並べることと、横に並べることの両方ができるのが7wrinerの魅力ですね。

とは言え、まだまだ手順的改良の余地はありますし、もしかしたら「やっぱり付箋の方がいいかも」ということになるかもしれませんが、『僕らの生存戦略』は、このやり方で進めていこうと考えています。

〜〜〜新しいサイトのアイデア〜〜〜

上記で、散々原稿が切羽詰まっていると書いているのですが、それとは別に新しいWebサイトのアイデアも浮かんできています。

コンセプトは、「知的生産の技術総合案内所」のようなもの。ワンストップで、さまざまな知識や情報に触れられる。そういう統合サイトが今こそ必要ではないか、ということを、各種「大全」シリーズを読みながら感じていました。

実際に作るのか、作るとしたらいつになるのかはわかりませんが、そういうサイト、あったら面白そうだと思いませんか?

〜〜〜Q〜〜〜

Q. もし「知的生産の技術総合案内所」というサイトがあったとしたら、そこにはどんな情報が、どのように掲載されていると思いますか。

それでは、メルマガ本編をスタートしましょう。

今週もまたまた年末特大号ということで、全編本の紹介となっております。年末年始の本選びの参考になれば幸いです。

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2017/12/18 第375号の目次
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○一冊目:『人はいかに学ぶか―日常的認知の世界 (中公新書) 』(稲垣佳世子 波多野誼余夫)

○二冊目:『善悪の彼岸』(光文社古典新訳文庫) (ニーチェ 翻訳:中山元)

○三冊目:『擬 MODOKI: 「世」あるいは別様の可能性』(松岡正剛)

○四冊目:『天才たちの日課』(メイソン・カリー 翻訳:石田文子 金原瑞人)

○五冊目:『メイキング・オブ・勉強の哲学 (文春e-book)』(千葉雅也)

○六冊目:『たいへんな生きもの: 問題を解決するとてつもない進化 』(マット・サイモン イラスト:ウラジーミル・スタンコビッチ 翻訳:松井信彦)

※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。

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