虫眼鏡

子どもの頃、虫眼鏡で日光を集めて、
新聞紙を焼くのがなぜか楽しくて、
時々やっていた。
火遊びに近い感覚もあったけど、
日光を虫眼鏡で集めれば紙を焼くほどの温度を
実現できるというのを知った時、
理科の実験みたいな楽しさがあった。
虫眼鏡を持った時、ちょっとだけ火の魔法が使えるハリーポッターの杖を手に入れたみたいな嬉しさがあった。
インクで黒い場所に日光を当てると、
簡単に焼けた。
新聞紙を分厚くして焼くと、
中で熱がたまっていって、
息を吹きかけると火を起こすこともできた。
風の強い日にやると、
危うく火事になりかけたこともあった。
クラスでちょっと孤立した不良っぽい男の子が遊びに来た時、
うちは親が居間にいて家で遊べずやることもないので
一緒に新聞紙を焼こうと誘って、
田んぼの中で2人で虫眼鏡で新聞紙を焼いた。

自分の手の中でエネルギーの変換みたいな現象が起こっているっていう、それがただ楽しかった。

料理とか絵もこんな感覚があったかな。

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