【『無能なナナ』ネタバレ考察】本当の黒幕はあの人!?ナナをめぐる登場人物たちの目的・思惑は?

※注意※
※単行本派による考察です。
※第8巻までのネタバレが含まれます。
※原作を確認してはいますが個人の妄想に近いものなので、信憑性は保証できません。
※本文にはネタバレありますが、未読派の方に配慮した表記を心掛けています。
以上、ご了承の上どうぞ~。

今回もいわゆる「おれのかんがえたさいきょうのかせつ」色が強いです。ここまでに分かっていることから、主に未だ明かされていない人間関係について仮説を立てました。そしてその仮説が正しければ、今後どんな展開が待っているのかについても考察しています。

これまでの私の考察記事を読んでおくと、より解りやすいです。


仮説1|本当の黒幕は××ではなく<あの人>では?

さてまずは、みんな大嫌い鶴岡タツミの話をしましょうか。(私は嫌いじゃないですけどね) ナナの人生をこれまで意のままに操ってきて、これからも弄ぶ宣言と親の死の真実(仮)の暴露で地獄に叩き落した今もなお、彼女の前に立ちはだかる悪役。

しかし連載がこれだけ長期にわたった今、変わらず彼のラスボスの座が揺るがないというのも、何か不自然さを感じませんか?

私はこれまで過去の考察で散々語っていますが、鶴岡は実はそんなに悪人ではないと思っています。少なくとも彼には大義があり、その実現のために行動しているのではないでしょうか。そうでなくては、存在感の割にあまりに小物すぎます。

では大義とは何か、となりますが、前提として私は鶴岡はナナと同じで委員会に家族かそれと同等の人物を殺されている論者です。つまり鶴岡は、委員会に恨みがあると考えています。もし殺害計画を立てたのが委員会で、実行犯が能力者だとしたら、能力者のことも恨んでいるでしょうね。

その過去故の、例の野党議員への面従腹背ぶりだと考えればどうでしょうか。鶴岡が倒すべき相手は野党議員と委員会、ひいては無能で醜悪な政治家たちだと考えられませんか? そしてそれは、同じように親を殺されたナナの本当の敵でもあるはずです。ほら、鶴岡がそんな悪人じゃなく思えてきたでしょう?

しかしこれだと、あまりに私の妄想を前提としすぎています。そこでもう1つ根拠を挙げましょう。ナナを含む能力者たちは、一体何故本土に戻ってきたのでしょうか。

閉鎖空間である孤島から本土に舞台を移した理由。その最たるものは、能力者以外も巻き込んで今後の物語が展開されることではないでしょうか。であればこれまで暗躍が示唆されてきた例の野党議員と委員会がいの一番に参戦するはずです。しかもあれだけ意味深なシルエットで引っ張ってきて(ナナオの父ではという予想も裏切って)、話に絡まないほうが不自然極まりないです。

というわけで、私の予想する物語のラスボス、本当の黒幕は例の野党議員です! 

彼の隠された素性は
・ナナの父親(実は死んでなかった)
・ナナの兄(さすがに無理ありそう)
・特に誰でもなく悪役
・橘ジン(変身)の関係者(実家に祖母しかいないのが怪しい)
などいくつか考えられますが、現段階ではどれもちょっと弱いです。今後の情報に期待!

仮説2|となると××の今後の立ち回りはどうなる?

鶴岡がラスボスではない、しかもナナと敵を同じくするとなると、まず考えられる王道展開は共闘ですよね。仮に例の野党議員がラスボスでないにしても、ナナと鶴岡の共闘は高確率で今後あると私は考えています。ここまで話を引っ張ってきて、これくらいの意外な展開で読者に掌返しをさせないと、物足りないってもんでしょう。(みんな、今のうちに手首のストレッチしとけよ!)

しかも私は、鶴岡を蘇生能力者と考えているので、その前提の下では、彼が強力な味方になることは間違いありません。それどころか、ナナのためにミチルちゃんを生き返らせてあげもするでしょう。約束を守るお方だそうですし!

ところで前段の説に鑑みると、鶴岡がこれまでナナに人殺しやその他のつらい任務を課していたのは、腐った政治家たちを葬るためだと考えられます。ナナがこれまで手にかけた中にはツネキチやユウカなど、悪辣な能力者もいました。しかし渋沢君のように無害な善意の能力者もいましたし、未成熟なうちから狭い島に閉じ込められたことを思うと、どの生徒も殺されて当然とまでは言えないでしょう。

まだ幼かった彼ら彼女らにはやり直しの機会が与えられるべきですし、マインドコントロール下で殺人を遂行したナナにだって、それらの罪を償う機会くらいあってもいい筈です。

そのために必要なのは、まず死んでしまった能力者たちが生き返ること……そうは思いませんか? 私は思います!

というわけで是非鶴岡には、島で死んでしまったナナの同窓生たちを全員生き返らせてほしいところ。寧ろ鶴岡は、犠牲者たちを蘇生してナナに思うとおりにやり直しさせる前提で、彼女につらい任務を課したのではないでしょうか。つらいだろうが、必ずすべて元に戻すから許せと、勝手にではあるものの、心の中ではナナに詫び続けていたかもしれません。

というわけでまとめると、今後鶴岡がやりそうなことは以下の2点。

・野党議員や委員会に対峙した際のナナたちとの共闘
・殺害された少年少女を生き返らせてナナにやり直しの機会を与える

いかがでしょう。仮説1の真偽を問わず、どちらもそれなりにありそうな展開に思えるのですが!

……しかし野党議員をラスボスとした場合、鶴岡の態度って解りやすすぎませんか? これ、野党議員が鶴岡を操っているつもりが転がされていると見せかけて、実は鶴岡が泳がされていて、簡単に返り討ちに遭いやしませんかね…。野党議員は鶴岡1人くらいどうとでもできるから好きにやらせているだけとかありそう…。

ここまで読んで掌返しする準備のできた人は是非、 #本心だったら泣いちゃう鶴岡タツミの台詞 で検索&ツイートしてみてね!

仮説3|■■がナナとの関係を保っている目的は?

相馬たち新キャラの出現で、めっきり出番が減った橘ジン(変身)。依然彼については謎が多すぎます。ナナの兄ないしキョウヤの妹という可能性も残っているうえ、どちらも決定的ではありませんし、本土(?)で眠る橘ジン(本体)との関係も謎のままです。そのため、未だにナナの敵なのか味方なのかすら判別できません。
(※追記:第9巻でほぼ確定しました。詳しくはこちら。)

しかしジン(変身)が、今まで幾度となくナナに利する行動をしてきたのは事実。ひどく痛めつけたこともありましたがそれ以降はつかず離れず、ナナのピンチには現れて、彼女の命だけは必ず救っています。

そしてこれは確定ではありませんが、ジン(変身)は、ナナが鶴岡側につくことを良く思っていない節があります。マインドコントロールから抜け出すように説諭を試みたり(第5巻122ページ)、鶴岡の命令以外に生きる目的を提示したり(第7巻24ページ)……。

その理由は、単純にナナのためというだけではないような……自分の目的を果たすためにカードを集めているかのような……。

しかしナナは何の異能力も持っていません。また委員会側の人間とはいえ、ただ操られていただけで重大な真実など真実何も知りません。そんな彼女をジン(変身)が自陣営にっ引き込みたいのは何故か。

……と考えると、ナナが鶴岡の弱点である(と少なくともジンは思っている)からではないかという説が浮上します。

実際これまで、鶴岡がナナに強い執着を見せるシーンは数多くありました。ナナが何らかの役に立つ駒だからなのか、育て上げた最高傑作への執着なのか、「家族同然」と言うほどの強い同族意識を感じる相手だからなのか…と、いくらでも理由は思いつくんですよね。そのことにジン(変身)が気づいていないわけがありません。

(あれ…鶴岡って意外とわかりやすい人じゃないか……?)

理由は何にせよ、ナナを人質にとるというのなら、ジン(変身)は鶴岡を敵と見ているということですよね。しかしそうだとしても、彼の目的の本質はよくわかりません。ジン(本体)は奪還の必要があるわけでもなさそうだし……。鶴岡や委員会を打倒しなくても逃げる方法はいくらでもあるし…。そもそも何故島にずっと潜伏していたのか…。

男か女かすらわからないし、依然謎の多い人物・橘ジン(変身)!

仮説4|つまり今後は3陣営以上の戦いになると予想

舞台を島から本土へ移した第40話以降。三島コハルのエピソードが舞台転換を跨いだせいで明確な仕切り直しはありませんでしたが、実質第2部といってもいい新展開です。

ナナオの戦線復帰や相馬たち新キャラの登場はあったものの、能力者だけの話が続くのなら、本土に帰ってきた意味はあまりありません。これまで詳細には語られなかった委員会側の人間をはじめ、少なくない大人たちが物語に関わってくるための舞台転換だったと考えるのが自然でしょう。

すると当然、人間関係も戦闘局面も多面化・複雑化します。既にナナの目的喪失によってナナ対能力者という構図は霧散しつつありますし、その一方でナナオや相馬は鶴岡と繋がりを持ちました。また、能力者たちを一手に任されていた先生の違和感のある行動も気になります。

おそらくここからは3陣営以上の複雑な局面に進み、クライマックスに向けて戦いは熾烈化するでしょう。そうでもないとマンネリですしね。第8巻以降の相馬の暗躍も、西条殺害自体には大きな意味はなく、来るべき第2次サイキックウォーへの布石ではないかと! 私は! 考えています!
(※追記:第10巻の時点で、残念ながらこのような展開はありません…。)

この辺かなり妄想ですけど。

第2次サイキックウォーが勃発することで、前回のサイキックウォーのあらましや真実が明らかになり、ジン(変身)の思惑も明かされる。前回の戦いで、権力者たちが何を目的にどう動いたか、それに鶴岡はどう関わったかなど。戦いの中ですべてが暴かれる中、ナナや少年少女たちは、自ら答えを出して未来へ進む―――。

大雑把に語ると陳腐ですが、大筋はそんな感じじゃないかなあと思います。

※妄想です。

次の記事です!

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