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最期の言葉を言えなかった兄の気持ちは

先日久しぶりに、亡くなった兄の奥さんから電話があった。

兄が逝ってしまって2年。
寂しさ故に納骨も出来ず、ずっとリビングに鎮座していたお骨を
ようやく納めに行って来たとの報告だった。

娘からも
「お父さんがそろそろ納骨して欲しいって言ってるよ」
と言われたそうだ。
最近占いの勉強をしているという姪は
兄の言葉が聞こえるようになったのか
聞こえるフリをして母親を気遣っているのか
(おそらく後者だろう)
兄の言葉を伝えてくるらしい。


癌発覚から2年間、ずっと元気で働いていたのに
突然の急変で何の言葉も伝えず逝ってしまった。

何か言って欲しかった。
伝えたいことは何だったのか。
2年前から病気が発覚していたのに
どうして何も書き残してもないの、、、

それでも、父の言葉が聞こえる(かもしれない)姪の話によると

「自分の言葉に捉われて苦しめたりしないように
何も言わなくて良かったと思っている」

そうだ。

子供たちに「お母さんを頼む」とか言ってしまって
子供の自由を奪ってしまわないように
自分達の好きなように生きて欲しいから。

そうだね、そうかも知れないね。

今年、兄の息子が結婚した。
「お母さんを頼む」
と言われていたら、結婚を諦めていたかもしれない。

子供たちが家を出て、自分たちの生活をしっかりしていけることが
きっと兄の望むことだっただろう。

最期の力を振り絞って
「ありがとう」
と伝えてくれたことを兄嫁はしっかり受け取っている。


それだけで充分だったね。


楽しい人生でした。
ありがとう!

私も、それだけ言える最期であったら幸せかもしれない。

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