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【2022年3月】八重山旅行③ 夜空が近い竹富島

八重山に来てから連日の快晴だ。

以前は自他ともに認める、病的なまでの“雨男”だったのだが、年齢とともに体質が変わるように、その呪いめいた厄も近年は落ちたっぽい。
ま、ありがたい。

今日は竹富島に渡って一泊である。

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ゲストハウスだけど個室で快適だった「おり姫」

キャリーバッグがけっこうな荷物なので、隣のホテル『十日三日』に電話して「明日チェックインするので荷物一晩預かってちょうだいな」と伝えると快諾を得た。
みんなやさしい。

フェリーは13:50発のものに乗るとして、それまでにランチでもとそば屋の『平良商店』へ向かうが定休日。

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オニギリと揚げ物をビニールに詰めて‥‥

それならば、と『知念商会』まで歩き、いつものオニササを購入。
ビニール袋にオニギリとフライを入れて、ソースやマヨをドバドバかけてムニュムニュ揉んでバクバク食べるアレだ。

どういうワケかこんなモンが美味しい。

東京でもマネして再現してみても、石垣島の知念商会のそれとはまったく別モノになる摩訶不思議だ。

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何もない風景が心地よい

竹富島は約半年ぶりだ。

宿に伝えればフェリーターミナルまで迎えに来てくれるが、「歩いていきますんで」と伝えていた。

が、同じ船便で同宿の人がいたようで、宿のスタッフがボード掲げて待っていたので便乗することにした。
すっかり顔も覚えられていて、なんとなく気恥ずかしいやら。

後からやってきたYさんという九州から来たオッチャンと一緒に宿へ。

「良い時に来ましたね。いまデイゴが咲き始めたんですよ、今年は遅咲きで」
と、宿までのドライブ中に案内していただいた。

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でいごの花はカラスが突いて落としちゃうらしい

いつも寡黙なイメージがあったが、デイゴが咲いたからなのか、どこか嬉し気でこちらも嬉しくなった。
東京の人がサクラ見て嬉しくなるように、島の人はデイゴみて嬉しくなるのかもしれない。

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コンドイ浜はよく晴れてた

もう何度も来ている島なので、とくに新しく何かをすることもない。

いつものように赤瓦の集落を歩いて、西桟橋へ出て、そこからコンドイ浜まで海伝いに歩き、海の美しさにただ目を奪われるだけだ。

東京から持ってきた島ゾウリは数年前に石垣島で買ったもので、いつもはマンションのゴミ出し時に履くものだが、こっちへ持ってくると水を得たサカ…もといゾウリに変貌する。
さぞ嬉しかろう。

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島ぞうりだって帰郷したいのだ

今回は西桟橋からコンドイの反対方向を歩いてみたが、途中、道なき道となり少し焦ったりした。
一時間くらい歩いてると、フェリーターミナルの近くに出た。

昼間とは言えまったくひと気のない離島の茂みというのは、少し近寄りがたい畏さがある。

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素朴な家庭料理もなんだか久しぶり

宿に戻って夕食。

今回は自分のほかオッサン2人で計3人とあって、なんともムサイ。。

黙々と食事を済ませて、日の入りが18:51と聞いていたので、西桟橋へ移動して夕陽を見た。

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波音だけの静かな夕陽の情景

なんとも美しい、画になる夕陽だった。

今回はほんとうに好天に恵まれたものだと改めて感じた。
日頃の行いだろうか。

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けっきょくこうなる

宿に戻ってシャワーを済ませると、中庭にYさんが一人陣取っていて、「さ、氷も用意してますんで、やりましょう」と来た。
なんだ今日はオッサンとサシでのユンタクか‥‥。
ま、これも気易くて良いかと割り切る(←失礼過ぎる)。

まずはビールから初めて、知念商会で買ってきた虎の子の「宮の鶴」を供出した。
呑み始めればけっこう盛り上がるもので、楽しくお酒を飲んだ。

50代のYさんは勤めてた会社を辞めて、次の転職先の勤務がはじまるまでの間を16泊で沖縄旅行してるとのこと。
16泊って、すげぇ。

やがてもう一人の泊り客も「飲めないんで」とポカリで乾杯して少し参加。
この人は神奈川から来た60代で、2泊の旅程で来ているとのことだった。

みんな星が好きなようで、双眼鏡を手にしている。
「ちょっと、見ましょうか」と離れの庭に移って空を見上げると、月の明るさが邪魔とはいえ満天だった。

「あれが北極星ですよ。そしてカノープスも見えるね」
「おや、あっちのはシリウスにベテルギウスじゃあありませんか」
とかやってて、二人ともやけに詳しかった。

私も負けじと「あ、あれは流れ星だ!」と言うと、
「あれね、人工衛星ですよ」だって。

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桟橋は干潮で一人では来れない不気味さあり

そんなこんなで23:30の消灯時間となり宴もおひらき。

内心「オッサンと行くのもなぁ」と思いながらも、西桟橋の星空散策に誘うと「行きましょう!」。
懐中電灯を手に宿から出かけて、西桟橋でごろんと仰向けになって星空を観た。

竹富島に来る人の8割は日帰りだけど、本当に美しいのは夕陽や星空なのだと改めて思う瞬間だ。

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