10月12日
「台風で電車が遅れているので、余裕をもって出勤するように」
という会社からの連絡と
「(自転車じゃなくて)なるべく電車でいけよ」
という先に出勤した恋人からのメッセージがほぼ同時に届く。
似ているようで天とマントル、月とミジンコくらい違う両方のメッセージを読んでから、飲むヨーグルトと食パンを焼かずに食べた。電子レンジの上にはきのうのうちに恋人が買いこんでくれた袋詰めのパンがいくつか置かれている。ベランダですでにずぶ濡れになっているサンダルと灰皿を部屋の中にしまってから、朝礼3分前に着くいつもどおりの電車に乗る。お風呂に水を貯めておくのをわすれた。電車を待ってる間、iPhoneを起動しようとしたら指がすべってカメラが起動したのでついでに写真を撮った。乗車口、の、文字が読むつもりもなく目に入って、うるせえ、とおもった。電車はとくに遅れておらず、いつもどおり3分前に会社に着いた。朝礼が終わり、店がオープン、案の定ガラガラ。笑うわ、とおもう端から渇いていくような気持ちになる。上司のおもしろくない冗談には愛想でも笑わず目もあわせなかった。自分のこういうところはたくましいとおもう。
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