『幼なじみのオカちゃん』vol.23
窮屈な布団での寝方がわからなくてモゾモゾしていると
『何モゾモゾしてるの?だいじょぶ?』と一言
「なんかね 寝方がさしっくり来なくて 俺いつもうつ伏せで 自分で腕枕してるからさぁ どうしよこれ」
『なぁんだ 腕枕してほしいの?ほら おいで』
違うそうじゃない 違うんだ。
結局掛け布団は2枚用意した。さぁここから色々な話をしていく。
「なんかさ 聞いていい?俺たち これ どうなるの? 」
『んーー』
「んーー」しばらく沈黙が続く
『私は 好きだと思ってる でも将来のこともあって 色々な気持ちがあって どうしていいかわからなくなってる それが本音』
「そっかぁ じゃあ同じ気持ちだ 」
『でも 私じゃなくても 素敵な人は世の中に沢山いるよ』
「それってさ 相手を傷つけないように断る言い回しだよね(笑)」
『...他に気になる人いないの?』
「宮崎あおいちゃん。でも俺はどうやっても宮崎あおいちゃんとは付き合えないもん」
『確かに 可愛いよね(笑)』
「だから別に他に好きな人はいないよ」
また沈黙。
すると オカちゃんが突然泣き始める。
小さい時のオカちゃんの泣き顔を思い出した
また あんな顔してるのかなって思いながら
彼女の方を見る。
さすがに大人になったのか
顔は見せてくれない。
起き上がり
掛け布団ごと彼女を起こして
初めて人を抱きしめた。
「なんか雰囲気でできるもんだなぁ」ともう1人の自分と話した
この子は1人で抱え込んでいたんだ。
その日の夜は
泣き虫な幼なじみを 寝かしつける技を身につけた
『幼なじみのオカちゃん』 vol.23終
著者:れい
vol.24へ続く