見出し画像

1匹のペンギンの話

 「ねぇ知ってる?ペンギンってほんとは飛べるんだよ。」

 水族館に来たカップルの男性の方が、そう言ったのが偶然聞こえてしまった。

 「ジャンプできるってこと?」

 「そうじゃなくて、本当に空を飛べるんだよ。」

 「嘘だぁ。」

 「ペンギンって警戒心が強いから、誰にも見られない深夜に飛んでるんだって。」

 「うーん、否定できないところつくね。」

 「本当なんだってば。」

 「はいはい、あ、ラッコかわいい!」

 彼女がそう言ったから、2人ともラッコの水槽に歩き出してしまった。

 なんだ、ただの妄想か。

 バレたのかと思っちゃったじゃないか。僕がこっそり夜飛んでいるのが。


 以上、らずちょこでした。

 ※この物語はフィクションです。

 ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

 ではまた次回。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?