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30年越しの"OVER"~ 9/30 品川CCブルザイズ vs. ペンタオーシャンパイレーツ



はじめに

いつもご声援、ご支援ありがとうございます!日本社会人アメリカンフットボール Xリーグ X1AREA 品川CC ブルザイズ GMの岸原です。

2023年X1AREAリーグ戦7試合において、今季4勝を目標とするブルザイズは、第二節を終えて残念ながら二連敗。しかしながら、第一節ライオンズ戦では後半に猛烈な反撃を見せ、第二節警視庁戦では強力な警視庁オフェンスをブルザイズディフェンスが200yds未満に抑え込む奮闘を見せる等、最後まで戦う姿勢をプレーで示し、スタンドのファンの期待を裏切らない闘いを繰り広げています。

今週末の第三節では、昨年末X1SUPERとの入替戦に出場したペンタオーシャンパイレーツと戦います。「3年以内のX1昇格・定着」を標榜したブルザイズとしては、その実現性の試金石となる試合です。

同時期創部した2チームを分けたもの

以前投稿した通り、ブルザイズは旧松下電器産業株式会社(現在のパナソニックグループ)東京メンバーを中心に1993年に創部しました。
実は同時期に、大手ゼネコンの一角である五洋建設株式会社の創業100周年に向けた記念事業として創部したのが五洋建設パイレーツ、現在のペンタオーシャンパイレーツさんです。当時は「創業○○年記念事業」でアメフトチームを創部する例が多かった記憶があります。「3年で日本一」を掲げた鹿島建設ディアーズ(現胎内ディアーズ)もそうだったはず。

そんなパイレーツとブルザイズには、いくつかの共通項がありました。
・ 同じ1994年に日本社会人アメリカンフットボール協会に準加盟
・ 共に京都大学ギャングスターズ卒の名選手がチーム幹部を務めた(パイレーツ 佐瀧さんとブルザイズ大社さんは先輩後輩の関係)

そして、1994年の社会人4部+準加盟チームによるリーグ戦(だったと思う)の最終戦で初対戦し、8 vs. 6 程の僅差でブルザイズが勝利しました。翌1995年、共に協会に正式加盟した両チームは、その年のリーグ戦で優勝、入替戦にも勝利し、社会人3部への昇格を決めました。

しかし1996年のXリーグ発足が両チームの運命を大きく分けました。大手ゼネコン企業の社員で100%構成する「企業チーム」だった五洋建設パイレーツは、いわばXリーグ所属の理想的なチームとして、日本一を競うX1へ繋がっていくJr.X(実質Xリーグ3部、のちにX3に改称)に所属が決定。この流れを受けてか、パイレーツはチーム強化を一気に加速。1990年代初頭に法政大トマホークスを一気に常勝チームに変えた安田氏・今手氏の2人をコーチとして迎え、パイレーツに法政大のフリーズオプションを導入。京大・立命館卒の有名選手と、地方国立大出身で全国的には無名ながら、各地区でチーム優勝、個人記録受賞した個人能力の高い選手を揃え、90年代末にはX1昇格を果たしました。

一方ブルザイズは「大手スポンサーの支援がないチーム」とされ、Xリーグラインへの所属は不適格として、メトロポリタンリーグ=勝っても負けても昇格、入替戦無しのリーグ所属、と振り分けられました。ブルザイズが辿った道のりは過去の投稿の通り、数年間の「遠回り」を経て、ようやく1998年にJr.X所属に至りました。

そして1999年から3年連続のX2入替戦・昇格戦の末、遂にX2に昇格したブルザイズは、IBMに敗れX1から降格してきていたパイレーツと、2002年同ブロック所属となり、第二節で再び戦うことになりました。(当時の写真はさすがに見つかりませんでしたが、パイレーツのユニフォームが当時のNFLテネシータイタンズ風のユニフォームでしたね)

引用元:http://home.catv.ne.jp/dd/tomita/f_old/030413gd.html

東西一部校卒の有名選手を揃え、すでに完全にX1チーム化していたパイレーツに対し、大社さんを慕い入部した京大OB勢数名を除けば、2,3部、地方リーグ、大学クラブチーム出身のメンバー中心のブルザイズは、パイレーツ戦専用に準備したオフェンスで挑戦しましたが、序盤から圧倒的な実力差を見せつけられ、0 vs. 50程度で完敗しました。(ちなみに当時RBだった私は2Qで肘脱臼し、戦線離脱しました…)
パイレーツはX2の対戦相手全てを圧倒、僅か1年でX1復帰を果たしました。

2023年こそ 30年越しの”OVER”を

ブルザイズが、2000年代後半に4年連続のX1昇格挑戦を経て、遂に2009年にX1に昇格してからも、パイレーツとは複数回対戦しています。2010年代の記録がよくわからず恐縮ですが、2000年代中旬に当時X2の有力チームだった明治安田と合併し、さらにチームを強化したパイレーツに勝利を挙げることはできていません。私が立ち合った2019年以降の3試合は、いずれもパイレーツは17~20点程度の得点を挙げ、一方ブルザイズ攻撃は得点が0か1桁で敗戦と、悔しい結果が続いています。

しかしながら、僕らの時代は50点差までつけられたパイレーツに、昨年は前半は0対0で折り返す接戦を繰り広げました。後半、ミスにより点差をつけられ敗戦しましたが、その悔しさを忘れず、この1年間ブルザイズは取り組んできました。新人補強、個人スキル&フィジカル向上、チームとしてのプレー精度向上など、昨年より着実に強くなっています。

入部歴4年以内の選手で85%を占める今の選手に、こんな昔話をしても…というのはありますが、30年前は同じスタートラインに立っていたものの、常に先を進まれたパイレーツ相手に、今年度スローガンである”OVER”、相手に打ち勝ち(Overwhelm)、勝利してもらいたいと思います。

皆さまには、是非スタジアムにてブルザイズの歴史が変わる瞬間を見ていただきたいです。9月30日 @富士通スタジアム川崎、お待ちしてます!


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