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俳句的〈非日常〉

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句会、吟行、その他俳句生活の徒然に。詩は精神の飛躍である!
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煤逃げ失敗!

大晦日ですね。早いもので今年も終わってしまいます。 RCにとっては、8月にひと箱本屋Smash俳句堂(西日暮里BOOK APARTMENT内)を立ち上げたことがトピックでしたが、あとはなんと言うこともなく過ぎてしまった一年でした。 コロナ禍明けでどんどん人が動き出したり、紛争、戦争で緊迫する世界情勢など、世の中は大きく動いているのですが、RCの身辺に起きることはなんとも小さなこと。当然のことなんですけどね。 さて、この大晦日、RCは煤逃げに失敗し、掃除とごみ出しに数時間

俳句を楽しむための、3つの「へ」

日ごろ、もっともらしいキャッチフレーズには注意しないとと発言していますが、今日は自分でいいこと思いついてしまったので、書いてみますね。 俳句を楽しむための、3つの「へ」です。 「へんくつ」とか「へんたい」とかではありませんよ。それでは俳句が楽しくなくなります。 3つの「へ」とは、 へんてこ へっぽこ へたうま です。 なんだこりゃ、と思われたかもしれませんが、説明してみますね。 ◎へんてこ 俳句は個性豊かな表現が可能な文芸です。季語に豊かな情趣をゆだね、景の描写に自

鑑賞ということ ~ NHK、Eテレ「自分を見つめて、17音。〜俳句甲子園2023〜」、小説『春や春』『南風(みなみ)吹く』に思う

やっと秋らしいと言える気候になりましたね。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、ぎりぎりセーフという感じでした。 さて、今日はNHK、Eテレの「自分を見つめて、17音。〜俳句甲子園2023〜」をとても面白く拝見しました。 いくつかの出場校に取材しているのですが、その中でも、自分の納得のいく句を出しても対戦では勝てない、と悩む文芸部のリーダーの姿が印象に残りました。 彼は一度俳句から離れようとしますが、下級生の求めに応じる形で戻り、俳句甲子園に再び挑戦し、その過程

ひと箱本屋 Smash俳句堂 本日開店!

連日暑いですね。 外をちょっと歩くだけで汗だくになってしまいます。熱中症に気をつけながら暮らさないとですね。 さて、このたびRC(Rolling Chiyo)は、ひと箱本屋を開店いたしました。 棚をお借りしているのは、西日暮里BOOK APARTMENT。JR西日暮里駅改札を出たら、右に行ってすぐのところにあります。 最近、こうしたシェア型本屋さんが増えているとネット記事などで知り、興味があったのですが、思い切ってやってみることにしました。 まずはRCの句集を置き、

季語の本意をふまえるとは?

気候もよく、吟行日和の日が続きます。 先日の句会もめちゃ楽しみましたよ。 今回も、気になったやりとりについて触れますね。 RCが、馬酔木の花を詠んで出句したのですが、「この句は意味がわからなかった」と言われてしまいました。 そこで、句を詠んだ場所や、詠みこんだイメージを説明しました。「マンションの植え込みに咲いていた馬酔木と、そこに住む人たちの暮らしに思いを寄せて作りました」と。当然、理解してもらえるものと思っていました。 ところが、「馬酔木は山に咲くイメージですね

誰のために詠むのか

朝の連ドラ「舞いあがれ!」が大団円で完結しました。○○ロスがあるのかどうか、わかりませんが、色々と話題を振りまいたドラマでした。 RCが気になっていたのは、準主役の男性が、歌人として、家族や編集者、そして元古書店主との関わりの中で、苦しんだり救われたりする人間模様でした。 この話の大事な展開のときには、歌人の俵万智さんがtwitterでコメントなさったりして、話題になりました。 第三歌集からが難しい、というのは俵さんのおそらくご自身の体験をふまえてのコメントでしたが、で

「球春」到来!

いよいよプロ野球が開幕しました。 WBCの興奮冷めやらぬこの時期にスタートするまたとないタイミング。今年のシーズンは盛り上がりそうです。 さて、「球春」という言葉があります。語源はよくわかりませんが、新聞などが使い始めたもののようです。 プロ野球のキャンプが始まったり、選抜高校野球大会のときなどに、見出しに踊りますね。 これは季語だろうかと思って、RCが持っている電子辞書で調べてみると、「九春」は歳時記にありますが、「球春」はありません。 でも、ネット情報では、季語

桜並木の強剪定、どうする?

桜が満開ですね。今週末の吟行には残っていてくれそうで、嬉しいです。 さて、桜のことで気になることがあります。 毎年、散歩がてらの花見を楽しみにしている桜並木があるのですが、今年はどうも様子が違っていました。 その並木はどの木もかなりの老木で、何本かは若木に植え替えられたりしていました。それでも残る老木は大きく枝を張り、毎年見事な花の昼を演出してくれていました。 ところが昨年、横に大きく張り出していた老木の枝は、すべて伐られてしまったのです。 おそらく、自治体が、台風

定年! どうする?

読みたい俳人の句が掲載されているので、『俳句』4月号を購入しました。 Amazonで注文し、発売日に到着しました。さすがに出版社、流通のお仕事のすばらしさを実感します。 封筒から出してみて、はじめて気付いたのですが、今号の特集は「定年後からの俳句人生」で、偶然ですが今年定年を迎えるRCのためにあるような特集です。 もともと俳句総合誌の特集はあまり読まないので、気の向いたときにでもゆっくり読んでみますが、一般的に言えば、こういうときに定義される「定年」とは、「リタイア」と

多様な「読み」を、どうする?

桜も咲きはじめ、いい季節になりました。野を行けば、菜の花もいっぱい咲いています。吟行句会が華やかな気分になる時期ですね。 最近の句会で、気になるやりとりがありました。 合評で、ある句を「景がはっきり見える」とほめた人がいました。ところが、すかさず「いやこれでは分からないよ」と、反論が出ました。作者は吟行で出会った景を説明しましたが、結局もうひと工夫が必要という方向に、話が落ち着きました。 こういうやりとりは、よくあることでしょう。人により読み方が異なるのは当然ですから。

この日を忘れないーー東日本震災忌

今日は3月11日。東日本震災忌です。 月日が流れたとはいえ、被災した方々、地域にとっては、未だに解決されない課題が山積しています。 RCも、あの日の突然の激しい揺れ、家族の安否確認、職場からの帰宅の混乱、刻々と流れてくるメディアの映像、その一つ一つを忘れることができません。 そして、福島原発に関して不自然な報道を繰り返すメディアへの不信感、そして絶望。 すべてが、われわれの生活が何と脆い基盤の上に成り立っているのかを露呈し、これからの復興の困難さを示し、未来を築くこと

自選十句☆やってみた~句集『スマッシュ』亀井千代志(ふらんす堂)より~

句集刊行から半年が経ち、いろんなことがひと段落ついたところで、はたと気付きました。 まだやっていないことがありました。 それは、自選十句です。 よく、句集の帯に、自選で十句ほどを掲載することがありますね。実は、RCも出版社の人との打ち合わせのとき、その話が出たのです。 そのときは、自分の選句眼にあまり自信がないことと、句集を開く前に、読む人にそのようなものをお見せしてしまうのは気が進まなかったので、しないことにしたのでした。 その判断は間違いではなかったと思います。

『俳句四季』2月号「精鋭16句『牧師館』(亀井千代志)」掲載!

年も改まって、心も新たに俳句に取り組む所存のRCですが、早々に良きことのご報告です。 『俳句四季』2月号(東京四季出版、1月20日発売)に、「精鋭16句『牧師館』(亀井千代志)」が掲載となりました。 句集『スマッシュ』がきっかけで編集部から声をかけていただき、頑張って16句を揃えて送った次第です。 タイトルは「牧師館」。冬の街を歩いた句が多いです。どんな句かは、ぜひ書店などで手に取ってご覧になってみてください。もちろんご購読いただくのが、出版社さんとしてはベストでしょう

古書店とtwitter

寒暖差の大きいこのごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 RCは句集刊行とともに、自己プロモーションも兼ねて、twitterを活用しようとしているところですが、せいぜい1日1回のtweetが限度で、なかなか情報発信とまではいきません。 でも流れてくるtweetを眺めていると、フォローしているアカウントがリツィートやいいねを押したtweetも表示されるので、情報入手にはかなり便利なツールだなという感じです。 お陰で、フォローしているアカウント数が、フォロワー数の倍くらい