実作者と評論

RCはあまり俳句総合誌を読みません。時々面白い企画はあるけれど、ほとんどが、役立つとは思えないノウハウものや、政治的スタンスがあらわな評論もどきばかりだからです。

本来、実作者に俳句評論はできないと考えています。かつては、俳人たちと関わりながら、適度な距離を持ちつつ評論を展開できる方がいらっしゃいましたが、今はいません。

実作をし、結社に属す属さないにかかわらず俳壇の中である位置を占めている人が、俳句のフェアな評論などできるものでしょうか。できるわけがありません。

実作者ができること、すべきなのは、作家論ではないかと思います。これは、実作をしているものでないと、リアリティがありませんから。

また最近、文法について、どこまで厳しくするのかが議論になっているようです。これはそれぞれ考え方が違うわけですから、結社や指導の場で言えばいいことで、総合誌で論じたって結論に近づくことはないでしょう。

まあどうしてこうなるかというと、総合誌の安易な編集方針やセールスの一環で、原稿依頼しているからで、RCとしては、なるべく読まない、という手段を行使するしかありません。

かつて、『俳句研究』という、優れた専門誌がありました。読み応えのある特集をするので、RCはよく読んでいました。

先日、古書店で、茶色くなった『俳句研究』のバックナンバーが積まれているのを見て、元持ち主のことに思いを寄せました。きっと、見識ある俳人だったのでしょう。

今日はこのへんで。明日もいい季語に出会えますように。


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