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新潟県の農家・株式会社高田農園、高田和直さんを講師に招き、オンライン勉強会を行いました!

人吉球磨・農業未来プロジェクトでは、地域の若手農家さんの「やってみたい!」という想いの実現を「マイプロジェクト」としてサポートしています。今回はそのマイプロジェクトの一つでアスパラの販路開拓や事業拡大に挑戦する錦町の元村大地さん企画のオンライン勉強会を行いました。

※参考リンク)
マイプロジェクトとは?
元村大地さんってどんな人?

株式会社高田農園(新潟県新発田市)様を講師にお呼びしお話を伺いました!

「食の場面を想い、大切に作る 株式会社高田農園」Sole!にいがた


1.株式会社高田農園様・オンライン勉強会の概要

主にお米やアスパラガスを栽培しており、新潟県新発田市で6代続く歴史ある農家です。先代の時代からいち早く加工品に着手しており、生味噌や甘酒、塩麹なども手掛けており、生味噌の「あやめみそ」は、JAのみならず、県内スーパーや学校給食にも販路を拡大させています。また、土づくりにこだわり栽培しているアスパラガスは甘くて美味しいと評判になり、都内のミシュランガイド掲載店で食材として採用された実績がある一品です。

2024年4月25日(木)に人吉市まち・ひと・しごと総合交流館内のコワーキングスペースと株式会社高田農園、代表取締役の高田和直様をオンラインでつなぎ勉強会を行いました。

2.マイプロジェクト農家側の聞きたいポイントを元に勉強会

アスパラガスの露地栽培や土づくり、販路拡大、商品開発、事業拡大や法人化などあらかじめマイプロジェクト農家から聞きたいポイントをまとめ事前にお送りし、それを元にお話頂きました。

主に以下のようなコメントを高田様より頂きました。

 アスパラガスの露地栽培、土づくり


・露地栽培、ハウス栽培の両方を行っているが、ハウスは維持管理に費用や手間がかかるので、露地で拡大していくことを考えている。
・ハウス栽培だと露地に比べると一ヶ月早く収穫を開始できる。露地は初期投資が少ないメリットがあるが、雨風や病気の影響がでやすい。
・出てきた株を全て採り切る、採りっきり栽培と言う手法もある。
・病害虫の予防目的と被害を最小限にするために、適所適所で農薬も使用している。
・石や土の固い塊があるとアスパラが負けて曲がったりしてしまうので土のケアも重要である。
・土壌分析も年に二回始まる前と後で行っており、それを元に資材メーカーも肥料設計やおすすめの肥料を提案してくれる。肥料の費用削減や栽培管理の視点で土壌分析は良いと思う。
・露地は肥料成分が外に出ていきやすく、ハウスは肥料が残りやすいなど各々特徴があるため、露地とハウスでそれぞれ土壌分析を行っている。
・植え付け前の土づくりで根の張り方が変わったりする。土づくりをしっかりやると生育状態も収量もよくなる。

 販路拡大・商品開発


・コロナ禍において販売チャネルが偏っていたことにより影響を大きく受けたため、リスク分散のためにも極力チャネルも多くした方が良いと考える
・産直サイトでは、しっかりと対応できる範囲、高い品質のものが出せる範囲で、数を絞って相場よりは高い価格で出品している。送る時の包装や同封するパンフレット、感謝のお手紙を入れるなど感謝の気持ちを伝えるようにしている。また、おまけを入れるなどの工夫もしていた。何らかの手違いで生じてしまったクレーム対応は早く、丁寧に対応している。クレームは期待をしてもらっていることの裏返しなので、丁寧に対応することで逆にファンになって頂けるケースもあった。
・飲食店向けはたまたま取引していたレストランがミシュランガイドに掲載された。飲食店同士はシェフ同士の繋がりがあるようなので、良いものを作れば人のご縁で広がっていく部分もあると思う。飲食店と契約した場合、契約した数量と品質を必ず出せるようにすることが重要。天候理由等であっても出せなかった、は最もやってはいけないので、天候リスクもふまえた受注をしていく必要がある。
・加工品は先代が、地域にあるもので特産品を作ろうとJAさんと一緒に始めた。新たな設備投資を行うか行わないかは判断材料の一つで、既存の設備でできる範囲から検討すると始めやすい。

 事業拡大・広報


・大手スーパーから契約の話があり、ある程度の契約量に応えていくためには、それなりの量が必要と言うことで規模拡大を進めてきた。県や市の補助金、制度等も活用している。
畑をいい状態にすることが一番の営業になっている。自然と声がかかったりする。
・社会的信用力が上がったり事業継承がしやすくなったりすることが法人化のメリットと感じる。一方で、費用負担が上がる科目もありデメリットもある。
・人の採用は人件費をカバーできる規模感になってきてから。新しい人材募集もしていて、県の人材紹介や農業研修の受け入れ制度等を活用している。畑作業に向く方、パッケージングに向く方等、色々な方がいるので適材適所で配置を考えている。
・取材の打診が来た時は基本的には断らないようにしている。

3.勉強会を受け今後の活動の参考に

最後に参加者から「どのような考え方で価格設定を行っているか?」「どのように県や市の支援制度や補助金等の情報をキャッチアップしているか?」「アスパラガスにおいて食品ロス低減の取組は何かしているか?」などの質問がありました。
元村大地さんのマイプロジェクトでは、勉強会の内容も参考に引き続き、販路開拓やブランド化に向けた活動をして参ります!


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