Web系フリーランスはいつまで「フリーランス」として下請けし続ける?傭兵が60歳を過ぎても傭兵で戦えるのか問題。

最近、フリーランスとしてどうやって食べていったらいいのか、今後どうしたらいいのかという相談をちょいちょい受けますので、ちょっとまとめておこうと思います。「経営に正解はない」といわれる世界ですので、これが正解というわけではなく、ひとつの見解としてご覧いただけましたら幸いです。なお、「いや、育児があって」などの個別事情がある方には参考にならないと思います。

フリーランスとは

さて、皆さんご存知、フリーランスの語源。

中世は王や貴族は主力となる騎士を中心とした封建軍の補強として、戦争の度に傭兵団(フリーカンパニー)と契約して戦争に臨んだ。この中には正式に叙勲されていない騎士(黒騎士)や傭兵団を離れ戦場に臨む兵士がいた。

フリーランスになったばかりの方々は「よーし、中抜きもされない!嫌な上司もいない!腕一本で稼いでいくぞ!」という気合を入れているかもしれませんが、取引先の経営者からすると「戦力の補強として、フリーの傭兵を一時的に雇い入れるか!」になります。

語源通りに解釈するならですよ。

もうちょっというと「普通の社員には、手取り30万の場合は会社負担込で社会保険10万、雇用保険4千円(ごめんなさい、最初桁間違えてました!)、積立研修費で人件費50万ぐらい払ってるけど、社内教育も社会保険も雇用保険も不要、契約次第では不要になった翌月には契約切れる人に発注するか!!」みたいな立ち位置がフリーランスです。

語源通りに解釈するなら!!

経営者サイドに立たないと分かりづらいですが、手取り・額面以上に社員はお金がかかっています。ですので、私は「失敗しても死ぬわけじゃないし、フリーランスになってみよう!!」のスタンスではあるのですが、詳しくビジネスモデルを聞くと「ただの受託ビジネスでしょ?それなら社員の方が法が守ってくれて幸せだよ」ってことがほとんどです。

さて、ここで「ビジネスモデル」という言葉を使いましたが、「フリーランス」が起業(生業を起こす)だとすると、何の生業を生み出し、どのように稼ぐのかということが重要になります。

そして「Webデザインで成功してる人が多いから、とりあえずWebデザインで」「WordPressが使えるから、WordPressで」という人が非常に多いです。ちょっと待って。

「HTMLを覚えたらフリーランスになれるんだ!!」って人。いいんだけどちょっとまって。

ブームになったら手遅れ

ブルーオーシャン戦略で語られる「レッドオーシャン」は需要が顕在化しており、かつ一定の需要がありますが、そこを目指してみんなが供給をしている状態です。経営では、最初に「大資本じゃない限りは一番狙ってはいけないマーケット」と教わります。というか、そもそもの意味だって「血で血を洗うような激しい価格競争が行われている既存市場」ですよ。なんで、すでにレッドオーシャンと化したところに突き進んでいくんですか。

仕事がある?そりゃ、大きな需要がありますし、これからも仕事は来ますよ。 ただ、

https://note.mu/rdlabo/n/nced2ff4cf64b

をはじめとして、今後は自動サービス化されて、単価の先細りはほぼ確実だと思っていますが。

WordPressでしたら10年ほど前ですか。2005-2010年あたり(日本でWordPressがメジャーになってない頃)にはじめていれば、価値はありました。5年前でも「WebデザイナーがWordPressを使えるようになると、単価は倍になる」ともっぱらの噂でした。それは市場や作り出す価値に対して供給が少なかったからです。

そして、それをいいだすと、100ページのコーディングで数百万(1千万超えてたかも)という時代もあったのです。私が高校生だったので、もう20年は前ですが。

業界のメインストリームになって、みんなが使えて当たり前なものを提供して儲けようとしてる時点で手遅れです。それは大多数が価値を認めてくれてるので、そのスキルで社員としてがんばった方が安定してておすすめ。発注側も「体調不良や事故が起きたら納品されない(プレスリリースに間に合わない)」リスクよりは、企業にだす方がいいパターン多いですし。

でも、地方ではWordPressも知らない店多いよ?

「でもでも」は言い出したらきりがないので、一例として「地方ではまだブルーオーシャン」という意見にだけ言及しておきます。

言い出すと、地方だけではなく、Webが浸透していない業界(土建など)もあれば、「WordPress」を軸にして隙間を探すのは難しくありません。ただ、それを考えたのはあなた一人ではなく、かつ「割に合わなくて、みんなが手を引いた世界」であることがほとんどです。

金額があわない、オペができない、メールが当たり前でないのでやり取りがFAX、入金が遅い...etc.

その結果、なぜか「WordPress構築の市場価格は4-50万なのに、なぜか10万で受ける」「しかも手戻りばかりで一ヶ月かけてしまった」という意味のわからない安売りがはじまります。クライアントが悪いのでも、値付けが悪いわけでもなく、狙った層が悪いわけで、そもそも論としてビジネスモデルが悪いのです。

でも儲けてる人がいる?コンサルとセットにしてるか、その人だけが持つ強いパイプがありますよ。

でも困ってる人がいる?「図書館があればいいかどうか」で調査するとほとんどの人がYESと答えるけど、「そのために年間1千円の負担が必要」となると一気にNOが増えたという事例があります。本当に困ってたら借り入れしてでも対価を用意しますし、してない時点で「ないより、あったほうがいい」に過ぎません。

一応言っておきますが、地方でもちゃんと情報感度が高く、マーケティングを真剣に考えてる会社はWebに投資しています。当たり前の話ですが。

ブームになっていないコトを狙おう

だから「Webでフリーランスになるのをやめよう」というわけじゃないです。みんながやってないことをやろう、というだけです。

例えば、私が本当にセンスがないなぁと思うのは「学習コストが高いのでやめておく」という言葉。一般的に、ユーザが増えるとともにたくさんの知見が共有され、(購読者層が増えるので)書籍も増え、学習コストは下がります。例えば、現在WordPressがそうなっています。今から学ぼうと思ったら、完全に舗装された道路を楽々歩むことができます。

そして、誰にでも使える技術となり、レッドオーシャンと化します。

海外事例をキャッチアップして、まだ話題にすらなってなかった国内でそのサービスであったり、技術なりを広めたことで先行者としてビジネスモデルつくりあげた事例なんて枚挙にいとまがありません。

Progressive Web Appsはご存知ですか。Conferenceなどで話題にはなってますが、サービスとして提供できるフリーランスのWeb制作者はあまり見かけないですよ。

Ionic Frameworkはご存知ですか。HTML5でスマホネイティブなデザインをすることができ、かつWebアプリ/iOSアプリ/Androidアプリを同時につくることのできるモバイルアプリフレームワークですが、国内でもようやく広まりかけた段階なので、今キャッチアップしておくと大きな武器になると思ってます。

Atomic Designは?React Native DOM、Web Workerによる処理、Web Componentsによるデザインのカプセル化は?せめて次世代WordPressエディタのGutenbergはもうさわりましたよね??

というあたりで、情報感度の話になっていくんだけど、本論ではないので割愛します。

経営に投資は不可欠

じゃあどうしたらいいか問題なのですが、ベース収入と投資をわけて考えるのが一番いいと思っています。

受託が悪とまではいわないですし、レッドオーシャンにあたるので単価が安くなってしまっても、生きるのにはとにかくお金が必要なので仕方ないです。

ただ、それで100%の時間を使ってしまうと、受託を受けないと生きていけない身体になります。時々、「フリーランスになって、受託をがんばった結果、月数百万売り上げました!!」みたいな記事見かけますが、「身体壊すので来月からはほどほどにします」という結びが入ってて、リアルだなぁと思います。ほどほどで受託を続けたとして、けが・病気にもかからなかったとしても、60歳を越えて、視力と聴力が大幅に低下しても、現在のペースで技術をキャッチアップしつづけて、かつ納品を続けれる自信はありますか?私にはありません。

なので、私は「生活に必要なベース収入」以外は、残りを投資に全振りしてます。

・ プライベートプロダクトをつくる
・ カンファレンス登壇などで技術をキャッチアップする
・ 遊ぶ/寝る

プライベートプロダクトは受託以外の収入につながりますし、技術のキャッチアップは手っ取り早く自分の価値を高めることができます。というか、Twitterなどをみてると、投資に対する考え方がおかしいですよ。「プライベートプロダクトは、経営が安定してからつくろう」とか、そもそも順序が逆。プライベートプロダクトがあるから経営が安定するのです。

アーロンチェアという「成功者の椅子」と言われる世界的に有名なビジネスチェアがあります。人間工学に基づいた設計により、長時間座れる。腰痛になりにくい。しかも20年保証付き。を、成功者になってから買うとか何を考えてるんですか。一番椅子に座る「今」、さっさと買ってください。

(ちなみに私が使ってるアーロンチェアです。おすすめ)

まとめ

とはいえ、受託で稼げるだけ稼ぎきって、早期リタイアを狙うという手もありますので、これが正解というわけじゃないです。ただ、どちらにしても「フリーランスも経営者」「経営したくないなら、社員になった方が幸せなことが多い」という視点は必要かなと思っています。

ちなみに、新規の個別相談は有償のみお受けしていますのでご了承ください( https://www.rdlabo.jp/ )。

それでは、また。

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榊原昌彦

フリーランス

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