れいあむ

どう見てもヤドンですが人類です。

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無聲(むじょう)

いちばんひどい時代に生まれて、 いちばん大切な時期を無駄に過ごして、 いま、 いちばん大事な時間をどぶに捨てながら、 大人になることも、 子どもになることも、 男になることも女になることもなく、 周りに哀しみと憎しみを撒き散らして、 ただ、 ただひたすら、醜く死んでいく 祝福されて生まれた、昔のわたし

    • 2022-10-05 創作ログ #1

      初句, 連想短歌 by RIUM ***目の前の 目の前の薬10錠を酒で飲み「何処にも行くな」と口吻る、君 ***何もかも 何もかも忘れる明日の僕のこと冬の花火の報せが殴る ***「嘘」 胸に咲く芙蓉の熱にうなされてLINEにのせる「別れたい、かも」 ***こうやって こうやって親指ひとつで買える愛 役目を終えたら元に戻して ***何年も 何年も傍にいる気がしてたけどひと月目だね ふわふわの友 ***「社会」 中指を立てし落書ひけらかし自己肯定感ねだるを微笑う

      • 2022-09-15 創作ログ #1

        初句, 連想短歌 by RIUM ***少しだけ 少しだけ湿気の抜けた教室で見つけた傘になりたくて泣く ***とりあえず とりあえずビールを頼んでいたぼくの横 薬のようにうたた寝の君 ***「記憶」 たちどまる 瞼裏の虹のいろどりのあざやかなほど打水遠のく ***最後まで 最後まで呑み込むガラスの感情論ぼくの胃の中凝って割れて ***「ドラえもん」 キミと会うかわいい色したあの扉 作りたいから大人になったよ ***イメージ詠 照らしだす狭間と間のいとけなきこめかみ

        • 2022-08-30 創作ログ #2

          初句, 連想短歌 by RIUM ***落ちていく 落ちていく眠りの淵は陶器肌 君といたくて爪たてるぼく ***いくつもの いくつもの見知らぬ貌をする夏のまあるい果実滴るは喉 ***もうすぐで もうすぐで真昼の月の海に着く 重ねた指に波粒、きらり ***空っぽの 空っぽの器みたいな太陽光 あれを目指してぼくらゆくんだ ***振り向いて 振り向いて「だあれ」とくるり、夕間暮れ だれもいないよ だれもいないよ ***まだ同じ まだ同じLoveとLikeを行き来するふた

        無聲(むじょう)

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        • 創作
          19本

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          2022-08-30 創作ログ #1

          初句, 連想短歌 by RIUM ***地元には 地元にはないルールでする大富豪 炭酸水の向こうの線路 ***イメージ詠 遠ざかる街を背中に町へゆく そこにはなにもない僕がいる ***来週の 来週のきみの隣を予約しただれかのキャンセル待ちしてるぼく ***イメージ詠 知らぬ間になくなるひとつの優しさとつめたく静かな24時間 ***きっとまた きっとまたうしなうはずの涙雲寄り添う影がひとつ消えゆく ***この夏は この夏は溶けて消えて気の抜けた白とグリーンのソーダみ

          2022-08-30 創作ログ #1

          2022-08-11 創作ログ #2

          初句, 連想短歌 by RIUM ***イメージ詠 蝶結び君と結んだあの日からほどける絆をこわがる私は ***特別な 特別なあなたのそばに造られたどこにでもいるふつうのあたし ***こうやって こうやって大切なものになってしまういつか離れるふたりと知っても ***イメージ詠 (あとすこし)(もうすこし、だけ)願うたび光にちらつく埃の絶望 ***ミニチュアの ミニチュアの希望を抱いて微睡んだ明け方の君、眦あかく ***敷き詰めた 敷き詰めた星屑のそのつめたさに目を

          2022-08-11 創作ログ #2

          2022-08-11 創作ログ #1

          初句, 連想短歌 by RIUM ***イメージ詠 (これがある)(まだ大丈夫)と目を閉じて失望・絶望 また陽は昇る ***ヒーロー 君の背を透かし見つめる世界には向日葵の花がくるくる咲(わら)う ***イメージ詠 なにとなく差し出す傘に入った日 天上の青 きみを思ゆる ***夢でだけ 夢でだけ靭くあれる僕たちのNumericな夏がはじまる ***イメージ詠 「卵いる?」あなたの投げた言の葉がやさしく呼吸(いき)を奪ってく ***イメージ詠 街ねむる 惹きあう星

          2022-08-11 創作ログ #1

          2022-07-19 創作ログ #1

          初句, 連想短歌 by RIUM ***イメージ詠 雲の峰夢路の涯のその果てのかそけき日々に別れを告げて ***あなたには あなたには知られぬままに変わりゆく笑顔のままできれいなままで ***イメージ詠 ぱたぱたと軽やかな音でやってきた オリーブとワイン?愛でも語る? ***図書館で 図書館で音のあふるるまばゆさに目をとじみればきみの栞が、 ***イメージ詠 青空も太陽さえも失なってゴモラの街を疾走るぼくらは ***イメージ詠 「運命ね」きっと仲良くなれるはず諭吉

          2022-07-19 創作ログ #1

          2022-06-27 #創作ログ01

          テーマ by うたの日 ***『虫』 みみみみみつんざく音の気配して駆けだす子らはビルに消えゆく ***『遠』 「遠心力みたい」といわれよろこんだ離ればなれの恋のおしまい ***『六』 忘れじの六連星(すばる)散りゆく瞼裏(まなうら)に透けて降りつむ月の光は ***『つき』 「うそつき」と目をうるませて睨むから「月がきれい」とまた背をつつき ***『エルヴィス・プレスリー』 笑わない祖父の棺に似合わないエルヴィス・プレスリーの盤

          2022-06-27 #創作ログ01

          2022-06-14 #創作ログ02

          初句, 連想短歌 by RIUM ***バス停で バス停で蝶道の先を見据えてるきっとやつらは氷も知らない ***また明日 「また明日」言えるほどには近くなく背中合わせの温もりばかり ***生きてれば 「生きてればいろいろある」のいろいろがあるだけいいと瓶投げる夏 ***カーテンが カーテンがひるがえるごとに遠ざかる夏の夕立波に消ゆ ***イメージ詠 「これ、いるか」出てきた瓶は水色で常より甘い実の味を知る ***はじめての はじめての間柄ではないけれどはじめてみた

          2022-06-14 #創作ログ02

          2022-06-14 #創作ログ01

          「プロキオン、薬のようだ」俯いた君のスマホを叩きつけたい 傷痕のかたちが違うと君笑う滲み出る血を隠したままで 夏の宵届く祈りの名の拒絶氷の溶けた珈琲ぽとり 雨あがり滴も落ちぬ傘の先いざやいざやと金銀花 哀しみに寄り添うことができるから貴方じゃなくて猫が好きです そで下の思わぬ白さに手を離す次来るバスの終点は海 かぎろいの四葩の花のそのあとの滴のような君の優しさ 変わりゆく時に流され縋りつく母の靭さを父は知らない サヨウナラ投げたボタンが弧を描く空の涯では人が死ぬ 雨やどりエチ

          2022-06-14 #創作ログ01

          2022-06-02 #創作ログ02

          短歌誌「うたそら」第8号 ***自由詠「亡き祖父へ捧ぐミルクキャラメル」 花埋み冷たく閉じたくちびるに末期の雫のコカ・コーラ とどかない語尾まちがいの流行り歌窓の外には春がほころぶ 担い手の背さえも丸く頼りなく揺れる棺が空へ旅立つ 箸先でからりとまろぶ骨の音に白百合の茎の緑が滲む あなたなら笑ってくれると信じてる位牌がわりのチョコレート 豆蔦の枯れゆく松の盆栽に水遣りをする影ひとつなく 主人なき荒れた庭にも芽吹く夏お隣さんの藤の棚 繰り返し願うほどに遠ざかる雲の峰からいの

          2022-06-02 #創作ログ02

          2022-06-02 #創作ログ01

          短歌誌「うたそら」第7号(第5・6号は詠草せず) ***自由詠「雪にうそぶく」 "すきでした"見知らぬひとの片恋の叶わぬを知る春の机で 独り咳隨にくゆる白梅の酸いか甘いか如月のよる あけめやみ往きつ戻りつ笑い声SOSならあの日出してた 六片のつめたいほどの優しさを知りたくなくて不惑になって 風すさび雪すさびてもいつの日か花はひらくと胸にさだめて 「路さえもあやしくなった」と祖父の云う皺くちゃの手にはふきのとう さくら花手折るもみじを腕に抱き父よそれでも莫迦になりたい 陽の

          2022-06-02 #創作ログ01

          2022-06-01 #創作ログ01

          短歌誌「うたそら」第4号(第3号は詠草せず) *** 自由詠「ライラック」 鍵忘れ財布忘れてヘルプコール 私のことも忘れていいのに 咳つのる母の背をあたためて家を出る日を決めた夏の夜 この先は自分で歩くね 大丈夫、すこし前を行く人もいる 無事ですか おんなじ空を生きている 連絡先も知らないけれど 透明の超えちゃいけない壁がある かたちにしても、こころにしても マスク越し 繰り返してる「好きです」の想いが重くてフィルター止まり 波を見るあなたの後ろを歩いてる いつ帰るのと言

          2022-06-01 #創作ログ01

          「こころの時代」と「ことばの時代」 ―定性と定量の狭間―

          このコラムは機械学習のド級初心者で時々短歌を詠むだけの、本来はぼんやりすることがお仕事である「れいあむ」が、機械学習を学んで思いついた妄想です。 01. はじめに 2021年末から友人に誘われて機械学習の勉強がてらコード写経を続けています。場の流れで決まったことなので特に深い理由はありません。 仏教では写経をすると功徳をつめるそうですがコードを写経したらなにが積めるのでしょうか?ちなみにうちはRyzen 5700です。 そっちじゃないって?わかってるよ! さて、機械学習を進

          「こころの時代」と「ことばの時代」 ―定性と定量の狭間―

          2021-08-13 #創作ログ02

          短歌誌「うたそら」第2号 *** 自由詠「こひ、したふ」 「おカネ、ない」愛売るきみの欲を買う そんな僕にもiがない 生きていく歩幅のちがう君とぼく 愛したつもり、できてたつもり 「水琴窟?」 たずねる君のささくれに「違う」と言えず別離をえらぶ 本を繰る君の指先がいとしくてまつげの先の光になりたい 朝まだき 海馬は耳から駈けてゆき 響いているのは春の聲 のき先で湯桶に足をあそばせて 語って聞かす在りし日よ 「ここにいて!」戸惑う子らの足元のテープを剥ぎし過ぎた優しさ 旅立

          2021-08-13 #創作ログ02