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勉強開始、その前に

私は勉強が苦手だ。

小・中学生の頃まで、勉強が得意だと思っていた。
小学校のテストでは100点が取れることもあったし、中学生になってからも学校の定期テストでは基本90点台を取っていた。
でも、それは短期記憶が得意なだけであり、本質の理解とは程遠いものだった。

中学時代、テスト勉強を熱心にしていたけれど、ほぼ教科書丸暗記に近かったと思う。
受験勉強になると、短期記憶で抜け落ちた記憶を改めて拾い集める必要があり、少し苦労したが、
「こう聞かれたらこう答える」と、形式的に覚えてなんとか乗り切った。
そんな感じでうわべだけの勉強しかしなかった私は、義務教育レベルの日本の歴史ですら、今となってはよくわかっていない。
断片的に人物の名前や、起こった出来事を知っているだけで、時代の流れやその背景、誰がどんな思いで何をしたのかなどはわからない。

高校生になると、教科書丸暗記など到底やってられない量の試験範囲に絶望した。
難易度も格段に上がり、わからないし、覚えられない。どうしようもなくなって、私は完全に自信と希望をなくした。
そこそこ勉強できる方だと思って生きてきたのに、突如それがひっくり返ってしまったのだ。
周りの友人の助けがあってモチベーションを取り戻し、教科を絞って勉強して、奇跡的に公立大学に合格できたが、
悲しいことにその大学で学んだこともほぼ覚えていない。まったく自分の中に落とし込むことができなかった。
卒論も「中身がない、内容が薄い」と口頭諮問の際に教授たちにボコボコにされながら卒業した。
こんなに稚拙な文章を書いているが、これでも文学部卒である。日本文学科のくせに古典も漢文も読めない。恥ずかしい。

8年ほど前に、簿記3級とFP3級を取得した。
簿記は講座を受けながらそれなりに理解して勉強していたつもりだけれど、FPについてはほぼ独学。
それこそテキストをできる限り暗記して、マーク式だったことにも救われ、なんとかギリギリ合格した。
いずれも合格できたものの、今となっては何もわからない。何の記憶もない。何にも活かせない。
私は勉強したことを自分の中に落とし込むことができない。本質を理解していない。うわべの勉強である。だから勉強が苦手。

興味のあることを学べば、本質を理解できるかもしれない!と思い、アロマテラピー検定を受けてみようと奮起したことがあった。
私はいい香りが大好きだ。香りの知識があったら素敵だし、日々の生活に取り入れられると思った。


しかし、テキスト序盤の各精油の知識の部分で挫折した。早すぎる。


精油の産地やその植物の和名・科名の暗記が嫌になってしまったのだ。
序盤で学生時代の何にもならない暗記学習の記憶を彷彿とさせる分野が現れ、嫌になってしまった。
二種類の精油についての情報をご丁寧にノートに書き写しているが、そこで終わっていた。疲れたのだと思う。
私は暗記をするための勉強のやり方しかわからない。とにかく書いて覚えようとする。でも教科書と同じことをノートに書くのは無駄なのもわかっている。
勉強の仕方がびっくりするほどへたくそだ。だから中学校までしか通用しなかった。
暗記に躍起になる勉強はしたくない。本質を理解したい。私の願いはそれだけ。本質の理解の上に知識がついてくるのが理想なのだ。

まぁ寝言みたいなことを言っているのは自分でもわかっている。
おそらく知識を暗記して身に着けた上で、本質の理解をする努力が更に必要だ。
ほぼ毎日勉強を欠かさない勤勉な同僚に話を聞いてみた。


「勉強って、暗記の上にしか成り立たないものなの?」


私はこの記事に書いてきた経緯を簡単に説明した。

「とりあえず自分はマーカーも引かずにメモも取らずにテキスト一周読みます」

これが同僚の答えだった。

「意味わからなくてもとりあえず全部読む。
そして今度は試験問題をいきなり解いてみる。そうすることで全然わからないけど、大枠は掴める。
そのあと二周目に入って、マーカー引いたりメモ取ったりの掘り下げる作業をする」

アロマテラピー検定のテキストを開き、第一章から順に大事そうなところをノートにまとめて暗記しようとし、すぐに嫌になって勉強をやめた私には目から鱗だった。
たぶん私がしようとしたことはテキストに書いてあることを端折った簡易テキストをもう一冊作り、それを暗記する作業でしかなかった。
大枠をつかんでから、それを掘り下げていく作業に移る。なるほどなと思った。

勉強下手が克服できたらいいな。

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