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赤いポピーの思い出

初めて渡英したのは10月〜11月にかけてでした。最初だから観るものすべて珍しく、美しく、ハロウィンも楽しかったのですが、ひとつだけ気になることがありました。それは赤いポピーです。
英国のリメンバランスデー(Remembrance Day)は第一次世界大戦終結記念日。11月11日と直近の日曜日に多くの場所で追悼行事が行われます。
王室も首相もテレビキャスターも俳優も道ゆく人たちも、ポピーの花を胸に差していました。パディントン駅へ行けば、構内でポピーを売っていました。私は興味は惹かれましたが、よくわからないので買うことをためらいました。
その時滞在させてもらっていた日本人の知人から
「リメンバランスデーは第一次世界大戦のみならずあらゆる紛争の戦没者追悼記念日なので、第二次世界大戦で敵国だった日本人が買うのは微妙」
という話を聞きました。
そうなんだ…。
ポピーの花を買うことが募金になるということも聞いたので、チャリティに興味がある私にとっては残念な気持ちになりました。

3年前の秋にロンドンを訪れたときも、やはりリメンバランスサンデーの追悼セレモニーに遭遇したのでした。リッチモンドのDuckpond Marketでお買い物をしていたら、すぐ横の広場で沢山の人が追悼していました。ただ、写真を見返してみたらポピーをつけている人がとても少ないことに気づきました。

少し調べたら「赤いポピー」は「ポピーファシズム」という事例も起きていたのですね。

やはり連合王国とはいえ国内での長い歴史の中で、紛争や戦争を経てきているわけで複雑な人もいるのでしょう。

翻って日本では第二次世界大戦の戦没者慰霊はもちろん式典などもありますが、国民の多くはそんなに意識をしていないと感じます。
沖縄慰霊の日(6月23日)・広島原爆の日(8月6日)・長崎原爆の日(8月9日)・敗戦記念日(あえて終戦記念日ではなく)(8月15日)はもっとリメンバランスな日でなくてはいけないのでは?
そして自国のリメンバランスだけでなく、大日本帝国が戦時に行っていたアジア諸国に対するジェノサイドについても、それぞれ反省し追悼するべきだよね…などと思ったり。もちろん日本にとっても複雑な問題ではあるのですが、大きな声で間違っていることや歴史的事実に反することを言う人が増えているような気がするので書いてみました。


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