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Journey to myself -私に戻るまで- 04. 旅の伴走者

『これまで1000人に対してしていたコトを10万人に対してするのか?
これぐらいの領域でいいと思っていたのを、もっと深く入っていくのか?
友達の喧嘩の仲裁レベルだったのを、国際的な紛争を解決するところまで行くのか?
会社の問題を解決するのか、地球の問題を解決したいのか?
何したいかだよね。』

グラフィックコーチングで出会ったうーさん(鵜川さん)の言葉は、
これ以上にないほど、私の胸に突き刺さった。

企業勤めをしていて、自分の「コレしたい」と繋がりながら仕事の喜びを感じ始めていた私は、サポートしてくれる人、共感してくれる人もたくさんいる、本当に恵まれた環境で幸せを感じていたと思う。
まさに、うーさんの言うところの「心地よいと感じる領域があって、そこで生きていくのは、全然悪くない。」という状態だった。

ただ、徐々に自然体で働くことをし始めて、会社での仕事が上手く行けば行くほど、「ひとつの企業における仕事」から「人生における仕事」へと、自分の関心がシフトしていくのを感じていた。
私にとって働くことは、喜びと生きている実感を与えてくれるもので、だから、できれば生涯働きつづけたい。
人生はいつか、嫌でも終わっていく。
この先の自分の命を使って「やる意味がある」と心から思えることは何か。
そして、それを運良く見つけたとして、そこにドライブをかけていくための「枯渇しないエネルギー」は、自分のいったいどこに眠っているんだろう。
いつしか、そんなことを考えるようになっていた。

常々感じていた「どんなに頑張っても、今までのやり方(他人軸や忍耐)では、ここから上には行けない」という感覚や「エネルギーが堰き止まっている感じ」は、どうやら私自身の感情の取り扱い方に、起因しているらしかった。

悲しみや葛藤という「陰」の感情を、随分長いこと見ないように、感じないようにしてきた私は、それをすると同時に、喜びや情熱やエネルギーといった「陽」の感情も麻痺させてしまっていた。・・・もちろん私だって好きで、悲しみや苦しみに蓋をしてきたんじゃない。それをしなければ、生きていくのがあまりに辛くて、そうせざるを得なかったんだから。

でも、過去ではなくて、今度は未来に向けて、人生をプラスの方向に伸ばしていこうと願ったときに、もうそれではダメなんだってことも、肌で感じていた。
そして、これもやはり、うーさんが言った通り、「自分と向き合うか」「向き合わないか」のその答えは、他の誰も持っていない。突き詰めれば、「私が、それをしたいかどうか」でしかなくて、その時私は、3年前に自分の中に解がなかった『自分は何者で、何を成して生きるのか。』という問いに、ようやく向き合う覚悟ができていた。

とはいえ、今でもこの時のことを覚えているのだけれど、覚悟はできたものの、同時に感じていた不安は尋常じゃなくて、自分の中の何がどう変わってしまうのか、恐ろしいとも感じていた。
それこそ、これがきっかけで鬱っぽくなってしまって、日常生活を送れなくなってしまったらどうしよう・・とものすごく心配で。

先日のグラフィックコーチングで「自分の感情に深く潜る」ことの大変さを垣間見ていたから、コレに自分ひとりで向き合うなんて死んでも無理だな。と思っていた。
それで、『ビジョンの解像度あげるお手伝いするよ』と言ってくれたうーさんに、私の自己探求の旅を、一緒に伴走してもらうことにしたのだった。

こうして、うーさんとの月1での、1on1セッションがスタートした。

うーさんは、フルネームは鵜川洋明さんといって、『一人でも多くの人がVisionaryWorkをして生きる世界をつくる。』 というライフビジョンのもと、Visionary Work Designerという肩書きで活動されている。https://www.meraq.net/

うーさんがつくられた「Visionary Work」というコンセプトは、『人が情熱を感じ、才能を活かし、誰かを喜ばせ、何かを良くする事が出来る仕事・活動。』のこと。
うーさんは、このモードで働いたり生きたりできる人を増やすために、そのきっかけになるような、ワークショップや研修やキャリアセッションなどの、学びの場を作り届けている人だ。

うーさんが私に提案してくれたセッションスタイルは、3時間の完全フリーセッションを月1で半年くらい継続するというもので、各回その時々で私が抱えている課題に対して、うーさんに話を聴いてもらい、心理学や人の感情のメカニズムのレクチャーとともに、課題をひとつづつ一緒に紐解いて整理してもらいながら、『人生のビジョン』の解像度を少しづつ上げていく、という内容だった。

本当にこの感覚は不思議なのだけど、自分の内側を人に見せることに極端に抵抗のあった私が(今ではこんなnote書いちゃうほど、笑っちゃうくらい自己開示に全く抵抗がないけど(笑))、うーさんにだけはなぜか、いい子ぶらずに自分の思っていることをなんでも素直に話すことができた。
うーさんのどこが、どんな風だから、そうなのかは今でもよくわからない。
でも、とにかく私は、うーさんの聴き方や言葉や伝え方や眼差しや、その「あり方」の丸っとすべてに、目の前の人を全身で受け入れ包み込むような「慈しみ」を感じていた。
うーさんがこのあり方でいてくれなければ、私は決して心を開けなかっただろうな。と今でも思う。

「この場でやっていくことっていうのは、『Who am I』と『ビジョン』と『そこに向かうのを阻む怖れ』、この3つをれあちゃんと一緒に探求していくってことだと思うんだよね。」
最初のセッションでうーさんがそう言った。

「わたし・・・ビジョンって言葉を聞くと、頭の中が砂嵐みたいになっちゃうんです。」
私は、そう答えたのを覚えている。本心だった。
ビジョンなどと呼べる立派な志なんて、私の人生にはなかったし、そんなことを考えたことも、これまでなかったんだから。
でも、今これまでの人生で一番、人生をかけられるそれを自分が必要としていることもわかっていた。だからこそ、私はうーさんというガイドを、信頼しよう。そう思った。

「まずは、自分がどんなコト好きか。ってところから始めてみたらどうかな?」

その晩家に帰ってから、うーさんが手渡してくれた、無印良品のA4サイズのノートを開いて考え始めた。

私は、何が好きで、何をしているときに、喜びを感じるんだろう?

何が好きか?なんて問いを、趣味レベルではなく、ましてや「キャリアパスを描く」とか「どの企業のどのポジションに転職する」とか、そうゆうことを度返しして、人生という単位と結びつけて考えたのは、それが初めてだった。

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(つづく)




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