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チョコレートの箱を開けて

私は、新しいコトに触れるのも、自分が生み出すのも大好きで、いろんな仕事や活動をしているせいか、人にはエネルギッシュな印象を持たれることが多い。

だけど本当は、その対極にある無力感も同時に抱えていて、昨日までエネルギーに溢れていたと思ったら、次の日には突然穴に落ちたみたいに、とてつもなく気分が落ち込んで、自分なんて所詮何も成し遂げられない…という気分になってしまうことがある。

矛盾しているように思われるかもしれないけれど、私のなかには常にこの2つは同居していて、それこそ寄せては返す波のように(笑)、両極端を行き来する。

これはもう、私の性質だ。

フラットな状態で常にあれたら、どんなに楽だろう。
それはもう、自分でもものすごくそう思うのだけれど、私は(少なくとも今のところは)気分や感情の振れ幅の大きい人生を歩いている。

それでいて、穴に落ちた時、何もしないで陰鬱とした気分に身を任せてしまうかというと、そうゆう訳でもない。

そうゆう時は、自分の中に常にいくつか持っている、『無気力と自信のなさ』という波がお帰りになるまで(笑)やり過ごすためのアイデア(考え方)を、とりあえず思い出すことにしている。

私はそれを、自分の中で『チョコレートの箱』と呼んでいる。
『チョコレートの箱』の中身は、例えばこんなアイデアだ。

◆『必要な時間』を過ごした後には、必ずまた新しいチカラが湧いてくる。
なぜだか分からないけど、全くやる気が起きない時。
好きなコトをしているはずなのに、どうしてこんなに頭が回らなくて、パワーが出ないんだろう…。
好きな人生を生きていたって、そんな時だってある。
何か原因があるのか?ないのか?内省を繰り返してみてもいいと思う。
だけど、大抵はどんなに考えても、どんなに新たな学びを深めようとしても、『必要な時間』が経たないと、無気力と自信のなさという波は帰っていってくれない。だから、あまり焦って前に進もうとするより、力を抜く。空を見る。寝る。やめる。走る。水に触れる。

ある人が『統計学的に考えると安定を取り戻せるよ。』と教えてくれた。
『統計学的』とはつまり、これまで生きてきた中で、どの事実が一番多く起こってきたか、を思い出して、次の展開もそうなる可能性が高いと信じる。という意味らしい。
つまり、『全くやる気が起きない』と今なっても、例えば10年間ずっと毎日そんな気分のままだったことは今までなかったし、『私は何も成し遂げられない人間だ』にしても、もし何も成し遂げられない自分だったら、今生きてはいないはずだから、これも真実じゃないな。と考えるってコトだと、私は解釈している。

本当は、全部もうここに『ある』ということ。
気分が落ち込んで、体調も悪くてぐっすり眠れず、朝4時に目覚めてしまったある朝。ツライ気分に襲われて、たまらず夜明け前に散歩に出かけた。
家の近くの長い長い坂道をトボトボ下っていたら、坂道の一番先の方に建っているビルの屋上に、真っ赤なライトが点いているのに気が付いた。飛行機の目印のための真っ赤なライトだと思ってぼんやり見ていたら、そのライトが、どんどん大きくなって、どんどん上に上がってきて、それはライトじゃなくて、真っ赤な、大きな大きな朝日だった。
すっごいオーガニックに育てられた卵の黄身みたいな、朱色の太陽で、あまりの美しさに感動して思わず涙が出た。

その時、はたと気が付いた。

朝の4時半にその坂道を下ったことがない私は、これまで知らなかっただけで、その朝日は毎日毎日、同じ場所から同じ美しさで登っていたんだと。

私たちの世界はきっと、この朝日みたいなモノで溢れてるんだと思う。
私たちが見ていないだけで、知らないだけで、初めからずっとそこにちゃんと『ある』モノばかりなんだなと、本当に思う。

嫌なコトがあるのも、嫌な人がいるのも、問題で溢れてる世界も、自分には価値がないも、生きるのは大変だというのも、全部本当かもしれない。
でも、同時に世界はすごい良い、愛すべきモノや人でも、溢れてるって思う。生きるコトは大変だけど、生きるコトは本当に素晴らしい。
自分が信じるコトが真実になるんだな。というのは、またひとつの真実だと思う。

こんなようなアイデアがいっぱい詰まった『チョコレートの箱』は、落ち込んだ時に私を、安定と幸せに引き戻してくれる。

チョコレートの箱の中身に入れるアイデアは、どこかで拾ったものでもいいけど、自分がココロから納得していて、疑う余地もないモノがよい。
そうでないと落ち込んだ時の処方箋にはならないから。

寄せては返す無気力感や自信のなさは、多分すぐにはなくならないんじゃないかなと思う。

だけど、歳を重ねれば重ねるほど、私の中の『チョコレートの箱の中身』は充実してくるはずで、そうやって時々やって来る『波』も自分の一部だと受け入れて、Welcomeできるようになるんじゃないかな?とも、また思う。

こんなことを書いていつつ、実は今日もその波の中(笑)。
でもさっき外に出たら、風が涼しくなっていて、もう夏が終わるよ。と教えてくれた。
私は、こうゆう日常のなかで、ココロが感じることを大切にして生きたい。

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