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佐野元春&THE COYOTE BANDの今、何処を映したライブフィルム


今回の佐野元春&THE COYOTE BANDのライブはドラマチックでした。
ライブ映像を観てその感動を改めて実感しました。

ここ数年はコロナ禍の影響で、ライブでは歓声禁止やソーシャルディスタンスなどの制約があり、アーティストとファンの両者がモヤモヤしていたことは想像に難しくありません。
しかし、今回はそうした制約から解放され、観客の歓声が復活し、映像と言葉の融合、演奏とボーカルの調和が素晴らしく、過去最高のクオリティだと感じました。

アルバム『今、何処』からの楽曲がたっぷりと披露されましたが、どの楽曲も完成度が高くてメッセージ性が強く、品格と知性、ユーモアが溢れていました。
沈んだ魂がぶち上がる「さよならメランコリア」、彼女が恋する瞬間を繊細なタッチで描いた「クロエ」、微力だが大切な君を一途に想う「君の宙」、君の光を今すぐ解き放てと背中を押す「エデンの海」がお気に入りです。
さらに、「ポーラスタア」、「La Vita é Bella」、「詩人の恋」といったこれまでの楽曲も彩りを添えていました。

MCの中で亡くなった戦友ミュージシャンである忌野清志郎、大瀧詠一、坂本龍一、PANTAについて触れていました。
彼らは佐野さんにインスピレーションを与え、長年に渡り日本の音楽界をリードしていたミュージシャンです。
「彼らの新作を聴けないのは残念だが、僕はまだ続いている。」と語る佐野さんの瞳からは、彼らが遺した意思を継ごうとする強い決意が伝わって来ました。
最近、有名ミュージシャンの訃報が多いですが、佐野さんには長生きしてほしいと心から願っています。

佐野さんは今年68歳でキャリア44年の大御所ですが、音楽に対する情熱は衰えを知りません。
ステージ上のパフォーマンスは観る者を熱くさせるほどのエネルギーが溢れています。
今後どんな名作を生み出し、伝説を創り出してくれるのか楽しみです。


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