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コクヨ品川ライブオフィスに行って来た。

新しくリニューアルしたコクヨさんの品川ライブオフィスTHE CAMPUSを見学して来ました。

前職の関係で、オフィス家具メーカーのショールームやライブオスフィスはたくさん見ているのですが、コロナ禍によってオフィスの在り方が再定義されつつある今、コクヨさんがどんなオフィスを見せてくれるのか?非常に楽しみな訪問です。

ライブオフィス内は撮影NGのため写真はないのですが、結論から言えば、、

オフィスの在り方に悩む方は、絶対に1度は見るべき!!


以前の品川ライブオフィス『SHIPP』は、他のオフィス家具メーカーさんのライブオフィスに比べると「アナログ的要素」の取り入れ方が本当に上手で、ICT投資などが予算的に難しい企業でも何かしら取り入れる要素があり、企業規模を問わず参考になるライブオフィスでした。

同時期にイトーキさんが京橋で公開していた『SYNQA』は、ICTをふんだんに取り入れた内容で中小企業には予算的にハードルの高い印象でした。
(『SYNQA』も空間コンセプトやフロアゾーニングに斬新な取り組みが盛り込まれた素晴らしい空間でしたが。)
その反面、コクヨさんの『SHIPP』は当番制や掲示板などをオフィスの運用ルールに上手に取り込んでおり、オフィスの規模を問わずに導入可能なソリューションに溢れていた印象です。

時を経て、2018年10月にイトーキさんは日本橋に新ライブオフィス『XORK』をオープン。
VELDHOEN社が提唱する「Activity. Based Working(ABW)」を体現するライブオフィスとして注目を集めました。

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しかし、新型コロナウィルスの影響で多くの企業がオフィスへの出社を制限され、『オフィスワーク+テレワーク』という新しいワークプレイスの在り方を模索する必要が発生し、オフィスの縮小や集約の検討、テレワークにおける勤怠管理やコミュニケーション、教育やマネージメントの問題に直面します。

こうした状況の中での、コクヨさんのライブオフィスリニューアル。
どんなアイデアが体現されているのか?
本当に楽しみにして訪問させて頂きました。


では、見学しての所感とポイントを簡単に。
(テキスト中心なので、イマジネーション全開で読んでくださいね。)

① レセプションフロア奥に配置された『DIVERARY』

北館の受付で入館証を受け取ると、いよいよセキュリティ区画に入場。
左手には、来客やセミナーにも利用できるガラスパーティションで間仕切られた部屋が数室。右手には、コクヨ社員が利用できる『DIVERARY』と名付けられたスペース。
(「DIVE+LIBRARY」からの造語のようです。)


この『DIVERARY』が凄い!!
「多様な働き方の実験空間」ということなのですが、空間のコンセプトと造形がオフィスのカフェラウンジ化の進化系のような空間になっていて、ある意味でワーカーのセンスも問われる空間かもしれません。


② 他企業とのコラボレーションスペース『OPEN LAB.』

ここから南館に移動すると、NTTやNECなどの企業と新技術の社会実装を目指すコラボレーションスペースが広がります。
5Gやオンラインシステムなどの技術を、これからのワークプレイスにどう活かしていくか?を検証するためスペースのようです。

コロナ以前のライブオフィスでは、あまりICTの要素を前面に出す印象がありませんでしたが、やはりコクヨさんにとっても「ITツールの有効活用」は今後のオフィス戦略において非常に重要度が高いと認識していることを感じさせるスペースでした。


③ 「経験を拡張する」というコンセプトに基づいて
  6つのフロアごとに機能分けされたLIVE OFFICE

今回の新ライブオフィスのコンセプトメイキングについては、見学訪問の際に是非とも聞いて見て頂きたいのですが、やはり「オンラインでは創出できない価値の追求」という点を重点的に設計しているようです。

「経験を拡張する」というコンセプトについて、4つの分野での経験拡張を唱えていましたが、詳しくは現地で確認して頂くのが良いと思います。

そして、これらのコンセプトに基づいて6つのフロアを以下のように機能分けして、ワーカーのニーズや目的に応じた空間設計が行われています。


9F 「企む」フロア

機密性の高い役員会議や新規プロジェクトなどの用途を目的としたフロアですが、フロア中央にゆったりとスペースが取られたラウンジがあり、役職などに囚われない「偶発的なコミュニケーション」を狙った空間創りになっています。


8F 「集う」フロア

ミーティングやプロジェクトワークのためのフロア。
人数に合わせてスペースをカスタマイズできるのですが、非常に特徴的なのは、空間の仕切りをカーテンで行っている点でした。
必要に応じたスペースを自由に創り出す手法としては、「スライディングウォール」のような可動式間仕切りが一般的ですが、カーテンで仕切ることにより誰でも簡単にスペースをカスタマイズでき、開放的な空間創りを実現していました。
多くの方は音漏れによるセキュリティ面を懸念されると思いますが、コクヨさんは以前よりサウンドマスキングを積極的に活用しており、遮音・吸音に次ぐサウンドソリューションとして提案されています。
今回のライブオフィスにも全フロアにサウンドマスキングシステムが設置されており、「言われるまで気付かない」音対策がなされています。

カーテンで仕切られたオープンなフロアは、6つのフロアの中で最も明るくて開放感に溢れた空間でした。


7F 「試す」フロア

主に設計部門の社員の方が利用するフロアですが、「モノ創り・コト創り」に携わる方には「こういうのあったら良いわぁ〜」と思わせる工夫が随所にありました。
(詳しくは、是非とも現地でご確認ください!)


6F 「遊ぶ」フロア & 5F 「整う」フロア

この2フロアも、是非とも現地で見て欲しいフロアです。
これからの『オフィスの新しい価値』を体現するようなフロアであると同時に、こういったフロアやスペースを自社に設けるか?否か?が分かれるフロアとも感じました。

私が特に注目したのが、5Fに総務のコンシェルジュカウンターが設置されている点です。
「バックオフィスの生産性と価値向上」は、ここ数年のオフィストレンドとも言えますが、あえて有人カウンターを設置してコワーキングオフィスのようなオペレーションを採用している点が非常に秀逸だと感じました。
(これだけでバックオフィスの価値向上と、コミュニケーションの触媒機能の伸び代が創れる気がします。。)

また、6Fには「人の密情報」もモニタリングできる大型モニターもあり、ICTによる感染症対策のソリューションも見ることが出来ます。
(この仕組みも感染症対策ツールとしては必見です。)


4F 「捗る」フロア

このフロアは、飛行機でいうファーストクラスに相当するオフィス家具で構成されたフロアで、ハイスペックなワークスペースで集中と効率を高めることが出来ます。
見学した方は、「ここで仕事したい!!」って絶対に思いますよ。(笑)

他フロアに比べて明らかにハイスペックな空間なので、「ここは利用できる社員の方が決まっているんですか?」と伺ったところ、『予約すれば誰でも使えます。』とのこと。
ワーカーが自分の仕事内容や、その日のタスクや気分に応じて働くスペースや利用する家具を自由に選べるというのは、効率や生産性の問題だけでなく社員のワークスタイルリテラシーの向上にも繋がると思いますので、とても羨ましい環境です。
(リテラシーの向上は「場」と「キッカケ」の提供がポイントだと思います。)


④ THE CAMPUSの名を象徴する『PUBLIC AREA』

今回のライブオフィスの名称『THE CAMPUS』。
てっきりCAMPUSノートかと思っていたら、アメリカの大学キャンパスからインスパイアされた名称とのことでした。

近隣のオフィスや地域の方も利用でき、地域の中で共生共創していくイメージなのだそうです。

開放的なオープンデッキや、南館の1Fには外部の人も利用可能なカフェや物販店などが併設されており、外部のサラリーマンの方が休憩していたり、ベビーカーを引いたママ友たちが歓談している光景がありました。


⑤ 北館に併設されたショールームも必見です。

北館にはショールームが併設されているのですが、ライブオフィスを見学してから個別に商品を見るとイメージが深まると思いますのでおすすめです。

ショールームは写真撮影が可能でしたので、いくつか掲載します。

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コクヨさんも、ABWと同様にワーカーのアクティビティを7つに分類していました。これらに基づいた空間シーンで展示がされています。


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これらはホント、ごく一部。

「あっ!こんな家具いいなっ!」っていうのがあれば、是非ショールームに訪問して現地で見てみてください。


見学を終えて、コクヨさんの社員の方にコロナ禍での出社状況やテレワークでの生産性やエンゲージメントについて色々と質問してみました。
以下、主なオフィス運用状況のポイントです。

● コクヨグループとして「出社率は50%以下」というルールになっており、
  実際は30〜40%程度の出社率。
● 業務系社員はローテーションで出社。
● アプリで外部からも各オフィスの密状況が把握できるため、
  品川以外のオフィスを選択して出社することも可能。
● 若手社員は在宅ワークをうまく活用できているが、
  やはり年代が高くなるほどオフィス出社率は上がる傾向にある。
 (今後の推移が気になりますね。)
● 外部のお客様や取引先様との打ち合わせは、基本的にオンライン。
  来訪の場合は受付奥の会議スペースを予約するか、
  カジュアルな打ち合わせは1Fのカフェスペースなどで行う。
 (全く問題なく事足りているようです。)


年代によって働き方に対する柔軟性の違いがあることは既知の情報ですが、それでも「働く場の選択肢が多い」ということは素晴らしいなぁと感じます。

そして、コクヨさんは相変わらずチョットしたところに配置されている小物などの使い方が本当に上手で、「アナログ的な価値との融合」が体現されているオフィスだなぁと感じました。

『THE CAMPUS』。
本当に「盗めるアイデア」が満載なので、是非一度足を運んでみてください!!


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
この記事がワーカーの皆様の『輝く未来へのキッカケ』になれば幸いです。

それでは、また。


【コクヨ 品川ライブオフィス&ショールーム】
 〒108-8710 東京都港区港南1-8-35
       営業時間:平日10:00〜16:00(最終入館15:30)
  ※コロナ感染症対策のため、予約が必要です。

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