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【RS01:WORKS】ネガティブでアクティブな歌手&役者

ギター弾き語りシンガーソングライターであり、役者でもある『よこいゆきの』。目立つことが嫌いだと言いながら活動にいそしむ彼女の胸中とは。

自分の「好き」と「面白い」を追い求めて

よこいは「私は目立つのが好きじゃないんです」と嘆く。「ただ、やりたいことをやっていると目立ってしまうんです」。走ることが好きだからリレーの選手に立候補しただけなのに、目立ってしまう。歌うこと、演じることが好きなだけなのに、それらを極めるためには舞台に立たざるを得ない。この矛盾が、彼女のアーティスト性に深みを与えているのだろう。

役者としてのよこいは、『曖昧なカンパニー』に所属している。稽古はなにもかもが面白く、刺激的だという。現在は、6月11日からパフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』にて行われる新公演『無伴奏「庭からの光」』に向けて稽古を重ねている。

どんな役をやるのか?と訊ねたところ、「説明が難しいんですけど、他の舞台とは少し違って、『役』というものがありません。音楽とお芝居と舞台芸術とダンスと、色んなものが融合しています」と熱弁をふるってくれた。

劇団公式HPには、下記の通りあらすじが記されている。

『庭からの光』は主婦で一人暮らしをしている「明日美さん」と大学時代の後輩「内田くん」と近所のフリーター「水谷くん」が日曜日の昼下がりに明日美の家でたまたまなんとなく過ごす小一時間が描かれた戯曲です。今回はゲストに音楽家のうえむらまさゆきさんを招き、3人のとりとめのない話を「奏者」「演者」でもある11人の「話者」が入れ替わり立ち替わりくりひろげていきます。(https://aimainacompany.com/performance

よこいは「『どうやったら人を楽しませられるのか』を研究している舞台です。とにかく面白いので、見に来てください!」と、目を輝かせていた。

ネガティブな自分だからこそ、届けられる応援歌を

下北沢を中心に音楽活動をしているよこいには、『のんちび』という相棒がいる。「18年8月、初めて出演したライブで、苦手なMCをカバーするために紙芝居をしました。そこから生まれたキャラクターです」。

名前や誕生日、血液型などの設定は、お客さんと一緒に考えた。持ち手のついた可愛らしいイラストのプロップスは、どこへ行くにも一緒だ。「他に『歩くヒト』という棒人形のようなキャラクターもいますよ」。

独自のファンタジックな世界観をもつ彼女だが、ふわふわした言動と裏腹に、歌声とギター演奏は力強い。

作詞作曲は、小学校の頃から挑戦していたという。18年に活動を開始する代表曲『地元の歌』は、率直に大阪のことを書いた。『歩くヒト』は、ライブをするときに「観客と一緒に歌える曲が欲しいな」という思いから作った。

19年7月19日には、自身初の企画ライブを開催する。「ライブをするのも飽きてきちゃったというか…。新しいことがやりたいな、と思って」。その後には大阪と加古川でのライブも控えている。「地元で歌ってみたいなと思っていたら、協力してくれる人が見つかりました。ありがたいです」。

「私はネガティブなんです。20歳までに自分は死ぬだろうって、なんとなく思っていたくらいで。生きるために歌や芝居をやっています」と、よこいは語る。

「『まだまだいけるぞ、がんばれよ』と自分自身を励ますために歌を作っています。その楽曲たちは、周りの人への応援歌にもなり得ると信じています。私みたいに後ろ向きな性格の人とか、自信のない人に届けていきたいです」。

彼女の歌と演技は、これからますます練度を増し、多くの人の心に響いていくだろう。

text:Momiji photo:ko

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