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病院での栄養管理🍙に、もっと生活の視点を❗️【リハ栄養】

大学院で学んだ公衆衛生学・疫学の知見を元に健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。

普段は、回復期リハビリテーション病院という、リハビリ専門病院で、主に脳卒中患者さんの対応をしています。

一方、ライフワークとして「食」「栄養」に関する地域活動・啓発などにも力を入れています。


できれば、美味しいものを口からしっかり食べていただきたい。

食事は、単なる栄養摂取だけではなく、楽しみでもありますからね。


しかし、脳卒中や神経難病などでは、口から食事ができない事や、特定の形態の食べ物(硬い固形物・パサパサの食べ物など)が食べられないことがあります。


リハビリすれば、何でも良くなるわけではありません。
限界はあります。


喉や舌に麻痺が出れば、頑張って摂食の訓練をしたとしても、固形物が完全に摂取できない場合もあります。

水をそのまま飲む事ができず、トロミをつける必要がある人もいます。

飲み込む力と合わない物を食べると、喉に詰まって窒息することや、

肺に入って肺炎になることがあります。


医療者は、どの程度の硬さなら飲み込めるか、何なら食べられるか何度も確認します。


食事に少し水を加えて、ブレンダーで細かく砕いて。
お茶には、とろみ剤を加えて。

これなら大丈夫。


最良の食形態・セッティングがわかった。
自宅復帰に合わせては、ご家族に作り方の指導を念入りに実施します。



「リハビリ」=「生活」の視点から一言述べさせていただくと、もう一歩生活を見た指導を心がけたいです。



水分が多い食事はすぐにお腹が満腹になってしまいます。意図せず、栄養不足になっていませんか?

経口のみで必要栄養量が確保できなければ、補助栄養も検討しましょう。



老々介護で、そんな細かい設定で、介護者が1日3回、1日も欠かす事なく準備ができますか?

最良のセッティングと、少し手間が抜けるセッティングを用意しておくと良いでしょう。

また、レトルトなど買って済ますことができる場合に、どのような物を買えば良いのか、代用品も検討しましょう。

地域の配食サービスが利用できるかなど、広がりを持って指導できるといいですね。



在宅診療で、管理栄養士さんとすぐに繋がれる地域なら良いんですけどね。
その人の生活にあった食材・調理方法まで指導できる管理栄養士さんがいるのですが、そのような所に投資する事業所は限られていますね。

皆さんの地域はいかがですか?

こちらが設定した栄養管理が、実際の生活とマッチしているか、

そして長く続けることが可能そうであるかについても、是非検討するようにしていきましょう。

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