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12月のおしゃまさんへ

12月が始まった。


なんか12月産まれの同志ってある気がする。
私たちは自分のテリトリーを大事にするパーティーピーポー!社交的なようで内向的、内向的な趣味があるのに活動的!頭の中に独自の論文があって、それを分かち合えるとハッピージャムジャム最高。踊ろうよ!ってなるんだけど、何を掻い摘んで話せば相手は心地良いのか考えすぎてしまって結局「もうご飯食べた?」「最近寒いね、いよいよもう今年も終わるね」みたいな当たり障りのない話しか切り出せない。そんな、おしゃまで可愛い奴ら!という勝手なイメージがある。
焦燥感と多幸感の押し売りが激しい師走。そんなムードも込みで、12月生まれの自分を誇らしく、大切で特別に思っている。私は神だ!嘘ですが。


新宿東南口駅付近で男性2人が話していた会話の覚書

「やばっ。お前、あと4ヶ月で31じゃん」「え?4ヶ月?⋯は?もう12月じゃん。そうじゃん!自○しよー!!」
不謹慎すぎる言い回しなんだけど、テンポとキレと角度が鋭利すぎるアンサーだったから驚いた。思わず一緒に歩いていた恋人と顔を見合わせ「え、すごいテンポだったよね?(驚きと戸惑いを感じたよね?)」って確認をしてしまった。
31歳の週末に新宿で飲む男性。
何かを成し遂げていたかった、そんなつもりないのに確実に年齢がどんどんオッサンになっちゃってた、とか色々思うことあるのか知らんけども。それを、連れの前でお互い「やばっ」と言う。そのやばい、という汎用性が高すぎて真意がイマイチはっきりしない言葉を選択する優しさがそこにあった。生々しくしないように言葉を発したって事だ。本当は、このまま迎える31歳は理想と違う、ということなのかもしれない。

例えとして言う(或いは本心からでも)「自○したい」という言葉は、理想と現実のギャップを埋める術を見つけられない、または言語化できなかった場合に使われる。らしい。(そんな感じの説を提唱している人の本を昔読んだような気がするだけ)○にたい、というのはボキャ貧らしいのだ。

きっと軽い返しとしてその言葉を発していた。勿論、不謹慎なんだけども。物凄いスピードで、脳死で、「自○しよー!」て言葉が、あの男性からは出てきたんだ。オモシロイ方向に雰囲気を作る為に。それは、沢山の生々しい今のビカムア31歳の心の内と生活が透けているような気がした。その軽薄さがウチらの世代には根強いてて、おもしろフラッシュ倉庫のせいだと思ってる。

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