プーシキン伝記第3章 南方 1820-1824⑮
1821年から1823年におけるプーシキンは、このテーマに対して皮肉な態度を取ることなど毛頭なかった。むしろ、彼はきわめて積極的に、自分の叙情性や、光輪輝く人格の神秘性や、秘められた情熱をほのめかす内容の創作に取り組んだ。この時期の彼は読者との皮肉な戯れに、また時には、あからさまに人を煙に巻くことに関心がないわけではなかった。
秘められた愛のテーマは 《クリミア》を起源あるいは色調とする叙情的な一連の詩を統合し、物語詩《バフチサライの泉》に響いている。しかしながらそのテーマが