芽菜炒本地韭菜・もやし韮炒め
【芽菜炒本地韭菜】
(アー チョイ チャウ ブン テーイ ガウ チョイ)廣東語発音
▶︎ あっさりもやしにら炒め
鎌倉にある八百屋さん、ハレトキ坂の下は、昔香港にあった細短く薄っぺらい繊維が柔らかいニラがあった。浅葱のような食感。そのタイプの韮は香港人は「本地韭菜」(ブン テーイ ガウ チョイ) と言い。意味は香港本島で育った在来種。残念ながら、このタイプの韮はもうほぼないかも。いつの間にか消えていた。香港ではいつのまにか消えたものが多い。消えてないものはばあちゃんに教わったものと、自分の記憶。
ばあちゃんはもやしのヒゲを取らないと上品に見えないので手抜きはダメっと仁一に教えた。手抜き大好きな仁一はエビのセワタを取りたくもないし、もやしのヒゲももちろん取りたくない!けど、取らないとばあちゃんに怒られるから30分かかってもちゃんとヒゲを取った。偉いね、仁一!!!やりたくなかったけど、祖先に怒られないようにいい子にしてた!自分を褒めることも大事、大事。
昔、ばあちゃんと手繋いで市場に行くと、豆腐屋さんを通りかかって、小柄なお婆ちゃんが一隅に折り畳み小さい丸椅子に座って、下に向いて黙々とヒゲを取り続けてた。涼しげなお婆ちゃんスラックス(阿婆衫)は印象的だった。横にプラスチックの大きな桶があり、中に細長い真っ白なもやしがたくさんあった。通るたびになぜ豆腐屋さんで買わず、わざわざ自分で取るの?疑問だらけ。
うん数十年後となり、この疑問はやってま解けたかな?ばあちゃんは戦争と文化大革命を経験して生き残った人間なんだ。貧しい生活を送ってたから、無駄はしない。贅沢もしない。自力でヒゲを取れるなら割高ヒゲ処理してあった根無しもやしは買わなかった。
ふっと考えたら当時もやしのヒゲを取ってた自分はゲーム、テレビ、YouTubeを見るの代わりもんじゃない?家庭料理や自炊というのはちゃんとやると時間が凄くかかるものだから。というわけで仁一はゲームしない、テレビも見ない、時間があれば、台所で立つ。YouTubeはめちゃくちゃ見てるけど・・・
現在、全く自炊しない、コンビニやスーパーに入るとパッケージを開け、すぐ食べられるものはたくさんあり、何も考えずに食事をとることが数秒で出来ちゃう時代。
裕福な時代のはずなのに、何故か貧しいと感じられる。たとえば、もやしにら炒めはシャキシャキの食感はやはり作り立てじゃないと感じられないもの。
自炊しないことは最初から料理する手間や楽しみも分からず、経験しないままで本当の美味しいものって知らない人もたくさんいるじゃない? 自分はその1人じゃなくて凄くラッキー! ばあちゃんのおかげでたくさん美味しいものを食べさせて、そして自分も出来るようになった。
こうして極シンプルなものは実に深い味わいがあるものを共感させたい!作りたくない、作れない方は是非仁一の架空カフェにて食べてください。
もやしを長期保存するため、ピッチャーに水と一緒に冷蔵庫で保存して、毎日水を交換すれば平気に一周間は持つ。冷蔵庫のスペースも取らない。
シャキシャキ歯ごたえのコツは水からもやしを茹で、鍋の周りにエビの目(蝦眼水)ぐらいの気泡が出て来たら引き上げる。理由はもやしのペクチンはその温度帯に出やすく、ペクチンが出たら水分が閉じ込められるのでもやしはシャキシャキキープ出来る。ペクチンは75度以上になると崩れてくるから速やかに引き上げることはポイント。
味付けは塩胡椒、仕上げにラード😂!秘伝の調味料はラード!仁一は沖縄民みたくラードが大大大好き。シンプルなものにコクを与える。シンプルだけど美味しい!もやし韮炒めは廣東料理の模範生。
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