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WEB Re-ClaM 第59回:クラシックミステリ原書刊行状況(2023/6)

Baynard Kendrick / Blind Man's Bluff (1943, American Mystery Classics)

★Christianna Brand / Suddenly at His Residence (1947, British Library Crime Classics)

★Celia Fremlin / Uncle Paul (1959, Faber)

★Jacques Futrelle / The Thinking Machine (1907, Library of Congress Crime Classics)

昨今の気温の急激な上昇には驚かされます。地域によっては風雨の厳しい場所もあるようですが、皆様安全にお気をつけください。
先月のペンズラー叢書は、ベイナード・ケンドリック『暗闇の鬼ごっこ』(論創海外ミステリ)の原書 Blind Man’s Bluff でした。ケンドリックのダンカン・マクレーンものは、『指は見ている』が日本でも古くから紹介されていますが、意外にも翻訳が進んでいないシリーズ。継続的な紹介が期待されます。
大英図書館の叢書はクリスチアナ・ブランド『自宅にて急逝』(ハヤカワ・ミステリ)の原書 Suddenly at His Residence 。コックリルものの復刊も三冊目となりました。未文庫化の上、翻訳も1959年のものでかなり古めかしいので、創元推理文庫辺りの新訳企画で出してくれないものかと思うのですが、難しいのかな。ハヤカワにはその辺は期待できませんし。
シーリア・フレムリンの Uncle Paul は、今を時めく人気作家ジャニス・ハレットの序文付きでの復刊。Faberは、元々フレムリンの作品を出していました(電子書籍もあり)が、この作品は出ていなかったので折良しといったところでしょう。表紙も夏のリゾートのポスターと言った風情で素晴らしい。フレムリンはマニア向けというよりはもっと広い読者に対して紹介されるべき作家だと思いますが、さてどうか。
ジャック・フットレル The Thinking Machine はクイーンの定員に選ばれた第一作品集の翻訳。日本では平山雄一訳になる完全版作品集がありますから安心ですね。原書でも手に取ってみたい方向け。
そろそろ11月の文学フリマに向けて動き出さなければと考え中な三門でした。今後ともよろしくお願いいたします。

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