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#キクキキ COP28特集回 Part4

 みなさんこんにちは!record 1.5スタッフです。
 本noteは#キクキキ COP28特集回 Part4の内容をまとめたダイジェスト記事です! #キクキキの概要は以下noteをお読みください。

★特別回「COP28特集」について★
 2023年11月30日よりアラブ首長国連邦(UAE)にて開催されたCOP28。昨年のCOP27ではドキュメンタリーを制作したrecord 1.5ですが、本年はPodcastを中心に発信を行います。COP28の前、開催期間、そして終了後。COP28に関する連続した発信を通して改めて気候危機の≪危機感≫を見つめます。

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◆COP28特集回 Part4 「COP28を終えて ~市民アクションの視点から~」 ◆

 12月30日公開、COP28特集回のPart4では、今回現地参加をした数少ないユース、Red String of Climateプロジェクト/Fridays For Future Fukuokaの高田陽平さんをゲストにお迎えし、日本では知り感じられない会場の様子を、主に市民アクションを中心にお伺いしました。また、record 1.5のすずか、やまだいからもCOP28の成果の注目点をまとめトークを繰り広げています。

◇すずか・やまだいの注目したCOP28成果は◇

 ゲストをお招きする前にCOP28の成果をすずか・やまだいで振り返りました。主な成果は以下の通りです。

1、グローバルストックテイクが初めて行われ、それによると現状ではパリ協定の「1.5度目標」は到底実現できず、30年に温室効果ガスを19年比43%減、35年に60%減にすることが必要である。
2、2030年までに再エネ発電容量を3倍、省エネ改善率を2倍にする。
3、対策なしの石炭火力発電の削減の加速。
4、化石燃料からの脱却。
5、損失と損害については、世界銀行の下に設置すること、先進国が立ち上げ経費の拠出を主導する一方、公的資金、民間資金、革新的資金源等のあらゆる資金源から拠出を受けること等が決定。

 特にやまだいが気になったCOP28の成果は「損失と損害基金」の拠出金額について。COP27で決定した「損失と損害基金」の詳細ルールがCOP28初日に決定したことには驚きもありましたが、会期中に先進国を中心に義務でなく、「自主的」に拠出表明がなされた各国の拠出金額は総額7億7,060万ドル。
 the loss and damage collaborationの記事(2023/12/11閲覧)では、この拠出金額と有名サッカー選手の収入と比較し、本Podcastでは具体的に金額についての解説を行いました。

世界トップ3のサッカー選手の収入額と各国の拠出金額の比較(the loss and damage collaborationより)

 単純な途上国支援ではなく、加害への賠償である点からも少なく感じると批判し、また日本が拠出した1000万ドルについても、どの様に拠出されどの様に使われるのか注目していきたいとコメントしました。

 次にすずかが気になった成果です。岸田首相がCOP28に出席した点、またそのスピーチ内容「新規の国内石炭火力発電の建設終了」について、米主導、石炭火力発電を禁止する有志連合に日本も参加する動きについて。いずれも日本の動向が気になったようです。

 特に岸田首相の動向について、新規石炭火力発電の建設終了はもはや世界と比べて当たり前のことであり、むしろ既存の石炭火力発電のフェーズアウトをするべきとG7の中でも日本だけは長年指摘され続けてきます。その意味でもこのスピーチ内容ではインパクトは少なく、胸を張って言えるものではないと指摘しました。

◇COP28を経て感じる危機感◇

 #キクキキで毎回ゲストに聞く「あなたの危機感を教えてください」。高田さんは「変えられるのか。変えられてしまうのか。」と挙げてくださいました。COP28での成果のうち特に化石燃料に関する記述について、2024年国内政策でやらないと意味がないと発言され、自分たちの声で国内政策を変えていける一方、反対者からの動きもあり、一筋縄では行かない気候変動政策へこれから先どうなるんだろうと不安があるとおっしゃってくださいました。

高田さんの活動
 ・Red String of Climate
 ・Fridays For Future Fukuoka

◇市民アクションから見るCOP28◇

 そしてここからが本題である市民視点でのCOP28についてです。COP28現地では、COP28だから出会える海外のアクティビストへのインタビュー活動をした高田さんに、現地での様子やパビリオン、印象に残った市民アクションをお聞きしました。COP28の会期中のうち、終盤になるにつれ「迅速に、公正に、そして完全な化石燃料の廃止」を訴える市民アクションが目立ったそうで、そのチャントをご紹介下さりました。

 既に脱石炭・石油への大きな流れが決まった一方で、その細かいプロセスや「公正な移行」への着眼や、日本の誤った石炭火力発電温存の方針への批判など、大きな決定が採択された後のCOP28だからこその市民アクションについても触れられていました。

 COP27、COP28共に参加した高田さんより、「市民アクションと交渉会場の距離が離れていて、声が届いていない感覚があったCOP27と比べ、COP28では市民とリーダー・交渉官の距離が近く感じた」という内容もありました。

 また、危機は気候か、環境か…か?vol.19 「建築と気候危機・エネルギー問題」 ・東北工科芸術大学教授 / エネルギーまちづくり社代表取締役 竹内昌義さん でも触れた、「リシプリヤ・カングジャムさんのCOP28での座り込みアクション」について、高田さんはCOP28現地でリシプリヤ・カングジャムさんと交流があったようで、彼女の一連の抗議では垣間見れない、彼女の人柄「特別な存在ではない、純粋な気候危機のひとりの被害者であり、どこにでもいる女の子、妹の様な印象を受けた」と、率直な想いをお聞きしました。

 Podcast本編では、COP28の成果の詳細解説や、高田さんへのインタビューを通じてより詳しく現地の空気感を感じ取ることが出来ます。また年内最後のPodcastでしたが、record 1.5の一年の活動も振り返りました。

 2024年もPodcastは形を変え引き続き継続予定です。ドキュメンタリーや音声コンテンツ発信を通じて、今後も気候危機を多方面から多様な形で取り上げていきます。
ぜひ今回のPodcastと併せて、今後配信されるPodcastにも注目して頂ければ幸いです。

(Text, 編集:井上知春)

◆参照◆

President (unfccc.int)

◆更新状況◆
2024/1/25:公開しました。


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