42 タイプ別対応の接客 43 タイプ別対応の接客(2)44 タイプ別対応の接客(3)

◆ 42 タイプ別対応の接客
お客様は十人十色。それは事実ですが、共通項を探していくと、大きく3つのタイプに分類されます。それぞれのタイプに対応するスキルを学ぶトレーニングです。
1.人には大きく分類して3つのタイプがあることを伝え、タイプごとに適した接客のスキルがあると説明します。具体的な解説に入る前に、自分のタイプを知ることから始めますと伝え、タイプ診断」を実施します。
        ☞診断テストは別表参照
2.診断テストは全部で14個の質問から成り、すべて答えは三択です。理論理屈で考えると答えが選びにくいので、感覚、ひらめきで選ぶように指示します。メモ用紙で構わないので、A B Cそれぞれ選んだ答えを 正の字などで記録するようにします。
3.用意ができたら、インストラクターはできるだけ一定のリズムで質問を読みあげます。
4.14項目の質問が終わったら、各自、A B C の回答数を数えてもらいます。ボードなどに各自の答えの数を書いて一覧表をつくります。
5.インストラクターは、A B C のどれかひとつに7個以上回答しているものに印をしていきます。
6.まず、個数の並び方の違いに注目して、人それぞれ、一人ひとり違うという事実に気付かせます。つぎに、7個以上の偏りを見せている人は、比較的あるタイプの傾向が強く出ていることを伝えます。

◆ 43 タイプ別対応の接客(2)
7.具体的な解説に移ります。
     ☞タイプ別の特徴一覧は別表参照
8.タイプ別の違いを理解するために、たとえば、買物の仕方などでどんなことを感じるか、ディスカッションしてもらいます。 視覚タイプと感覚タイプでは、かなりの違 いが明らかになります。
9.これまでの接客教育は、男性がプランをつくったものが多いので、「聴覚」対応の傾向があり、結果、「商品情報を正確に、豊富に伝えることが買上げにつながる」と思いこんでいることを指摘します。実際の女性の買物は、視覚タイプでも、感覚タイプでも、もっとプロセスの「気分」を大切 にする事実を明らかにします。それに歩みよるスキルとして、タイプ別対応が効果的であると説明します。
10.実際にタイプ別を考えた場合に、どのように接客をブラッシュアップできるかを考えていきます。 いままで体験してきた現場での接客を振り返ると、タイプが違うから購買までいたら なかったという事実に気付きます。
極端な表現ですが、今までは、「タイプが 同じお客様と気が合って、スムーズに購買をしてもらっていただけで、買う気のある お客様に恵まれただけ。もし、タイプ別の対応をマスターできれば、自分とは違うタイプのお客様を購買に導くことができる」と伝えます。理論的に、売上を伸ばせることを示し、自信を持たせます。
このタイプ傾向は、持って生まれた性格ではなく、「今」置かれている環境が大きく影響していることを説明で付け加えます。たとえば、憧れの先輩が視覚タイプだと、それがうつることがよくあります。また、癒し系のブランドで仕事をしていると、感覚タイプの傾向が出るようになります。

◆ 44 タイプ別対応の接客(3)
タイプ対応のスキルをマスターするために、言葉の引き出し=表現のトレーニングをします。
たとえば、「空」という単語を、視覚タイプの人に聞き心地がよいように言いまわしていきます。
 例:空 
  →青い空 雲一つない空
   バイオレットブルーの空
   雲が流れる空
   虹がかかった空
   夕焼け空 朝焼け空
次に、感覚タイプの人に聞き心地がよいように言いまわします。
  →すがすがしい空 すっきりした空
   気持ちが明るくなる空
   スキップしたくなる空
   いつまでも眺めていたい空
このように、例になる単語を決めて、それを次から次に言いまわすトレーニングです。実際にやってみるとわかりますが、「語彙」がとても乏しいことに驚きます!
グループに分けて、対抗戦にするなどの工夫をすると集中度があがります。
本来は、聴覚タイプも取り入れてゲームをしてもよいのですが、従来からの接客が聴覚対応に近い形なので省略しても構いません。
視覚タイプ、感覚タイプと引き出しを広げることに新鮮な歓びを見出すことが大切です。
また、このゲームをやると、視覚タイプのスタッフは視覚対応の言葉を、感覚タイプのスタッフは感覚対応の言葉を思いつきやすい傾向がみられます。

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