45 タイプ別対応の接客(4)46 タイプ別対応の接客(5) 47 シュークリーム

◆ 45 タイプ別対応の接客(4)
言葉の引き出し=表現のトレーニングで頭が柔らかくなったら、すこし実践的な段階に進みます。
普段、売場でよく使っている汎用句を書き出します。挨拶の言葉から、販売で使う言葉までなんでも構いません。
次に、そのフレーズをタイプ別に対応させて表現をブラッシュアップしていきます。
例:「今日はいいお天気ですね」
 →視覚タイプ対応  「今日は、雲一つない青空が広がっていますね」
 →感覚タイプ対応  「今日は、上着を脱ぎたくなるくらいの暖かさですね」
例:「いかがですか?
 →視覚タイプ対応  「シルエットはいかがですか?」「お色映りはいかがですか?」
 →感覚タイプ対応  「着心地はいかがですか?」  「袖丈の具合はいかがですか?」
最初のうちは、なかなか言い回しのフレーズが出てこないので、インストラクターがタイミングをみてアドバイス、助け舟を出します。「むずかしい」という声が出る場合もありますが、「むずかしい」のではなく、「いままで、使おうとしてこなかったから、頭が慣れていないだけ」と切り返します。「むずかしい」と思いこむと、硬直化します。楽しい、おもしろいと関心をもつようにリードするのがポイントです。
さらに、セールス・トークのつくり方、あるいは会話力(相槌の打ちかた)などのトレーニングに発展させます。

◆ 46 タイプ別対応の接客(5)
タイプが違うと、動きに対しても異なる感じ方を示します。視覚タイプは、自分に似合う服は自分が一番わかっていると思っていますから、スタッフのサポートを必要としていません。ですから、べったりと貼りつくスタッフを嫌います。接客でも、距離感をすこし大きく取るように意識します。気にいった商品を選ぶのに時間はかかりませんから、長々と続く商品説明は聞いていません!
感覚タイプは、これとは違って、ひとりにされると不安を感じることがあります。寄り添うときは、肩手くらいの距離を保ち、身体に触れるなどして、安心感をつくります。離れるときは、きちんと声をかけて、「商品をお持ちしますので、少々お待ちください」など伝えてから離れます。
また話すスピードや、声の高さなどにも気を配り、できるだけお客様に合わせるようにします。
それぞれのタイプの人から、好感をもたれる対応、嫌な対応を出してもらい、普段の動き方を互いにブラッシュアップしていきます。
この違いを踏まえて、いろいろな場面での対応を考えていきます。
詳細は、接客の所作編で解説していますので参照してください。

◆ 47 シュークリーム
売上の概念を掴んでもらうためのワークです。日ごろ、売上に関しては、予算に対する実績で受け止めています。それも一つの指標ですが、マーケット(市場)の中での勢力分布という視点でみれば、売上=市場のシェア(占有率)で表すことができます。たとえば、あるブランドがブームで売れれば、ほかに苦戦するブランドがあるということです。マーケットそのものの「購買力」は、緩やかな起伏は描くものの、全体のパイは急激な変化は起こしにくいものです。つまり、自ブランドの売上の増減は、他ブランドのそれと反対の動きを示すということ。それを体感してもらうのが狙いです。
1.研修に参加している人数分のシュークリ-ムを用意します。メンバーに、自分達で分けるように指示します。
2.一人を選び、2個食べていいと伝えます。たとえば誕生日の人、予算を達成している店など、何らかの理由をつけます。
3.残りを分けるのですが、人数分には足りない状態になります。だまって、見守ります。おそらく、自主的に「いらない」という者などがでて、平和に解決しようとします。
4.その段階で、進行を止めます。なぜ、辞退をしたのかを聞きます。そして、たとえば、店売上を考えた場合、自店のお客様を他店に渡すだろうか?と問いかけます。
5.売上とは、市場のシェアのことであり、均等に分配することはありえないこと。誰かが余計に取れば、その分誰かが配分にありつけなくなることを実感させます。
売上とは、他者(他ブランド)との競争であり、いかにして、他ブランドの売上を奪うかの競争であると説明します。
 *説明の後は、シュークリムは仲良く分けてもらいます。

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