48 五感ブランディング 49 バースデーサークル 50 バースデーサークル評価表(一例) 51 バースデーサークルフィードバック

◆ 48 五感ブランディング
売上の概念を、「市場の占有率」として理解させることに対比して、ブランドは、「消費者の心の占有率」と表現できます。この事実を踏まえて、ブランドが、どのように心に住みついているかを検証するワークです。
1.最初に、「売上」と「ブランド」の考え 方についての解説をします。そして、ブランドは、五感を刺激することで心に住みついていると説明します。
2.模造紙を用意します。視覚を刺激することで住みついているブランドを探します。手がかりになるのは、色、形、デザインなど、目に見える情報です。業種、業態を超えて、できるだけたくさん拾い出します。
3.同様に、聴覚を刺激することで住みついているブランドを探します。CMソング、音などが手掛かりです。
4.同様に、感覚を刺激することで住みついているブランドを探します。視覚、聴覚にくらべて、すこし難しいようです。手触り、肌触りなど触覚を売りにしているブランドです。
5.最後に、味覚・嗅覚にチャレンジします。とくに嗅覚については、ダイレクトに脳を刺激するので、心に住みつくと離れないと伝えます。
日常生活を振返ることで、意外なほどたくさんのブランドが心に住んでいることを体験してもらいます。
その後で、自分たちのブランドを記憶してもらう方法の可能性をディスカッションします。視覚、聴覚・・・五感を使うアイデアを練ります。

◆ 49 バースデーサークル
研修の最終回などに、参加したメンバー同士の相互理解、形成された人間関係の確認などを目的に行います。
また、研修のなかで、自分の態度(プレゼンテーション)が他者にどのように伝わり、結果、自分がどのように受け入れられたかを客観的に確認をします。
1.研修でプログラムが一通り終了した段階で、相互フィードバックの時間を持つことを伝えます。
2.丸くなって座ってもらい、中央にイスをひとつ置きます。
3.フィードバックを贈るメンバーに、中央のイスに座ってもらいます。言葉を贈りたいメンバーは、中央のイスに歩み寄り、肩に手を置いて、思い(気持ち)を伝えます。
研修のテーマ、またグループの雰囲気などでフィードバックのアクションが違います。最初のメンバーが動くと空気がなごみます。
メンバーの言葉の合間に、インストラクターの視点で、掘り下げたフィードバックをすると効果的です。
事前に、小さなカードを5枚程度配り、あらかじめ言葉を贈る相手を決めて、メッセージを準備させることで、働きかけがしやすくなります。
また、メンバーが店長などの場合、「プレゼンテーション」能力が大切ですから、事前に簡単な評価をする方法もあります。これは、研修を通じて一番発言が多かった人、元気だった人、行動が目立った人など、客観的な評価質問に対して、「一番」だと思う人を一人選んでシールをプレゼントしていく方法です。
実際の研修でも最後のまとめで取り入れますが、一気にテンションがあがります。ただしシールをもらえないメンバーも出てきますので、インストラクターとしてモチベーションフォローの自信がない場合には、お勧めしません。
いずれにしても、「場」の空気感をみながら進行することが大切です。

◆ 50 バースデーサークル評価表(一例)
バースデーサークルの運用で、「プレゼンテーション」能力を振返るために、研修の中でのパフォーマンスを相互に評価してみます。その際に、使用する「パフォーマンス・スタイル・評価シート」の項目例です。
Ⅰ アクション・スタイル
1.会場を大きく動いていた人
2.身振り手振りなど動作が大きかった人
3.歩き方が美しく、好感が持てた人
4.立ち姿、姿勢に好感が持てた人
5.全体に行動の印象が良かった人
Ⅱ 声の表情・スタイル
1.声が大きく、元気を感じた人
2.話すスピードが心地よかった人
3.言葉を丁寧に使っていると感じた人
4.声のトーンが心地よかった人
5.全体に声の表情が美しかった人
Ⅲ 表情・スタイル
1.笑顔が印象に残った人
2.口が活発に動いていた人
3.目が活発に動き、表情が豊かだった人
4.「聴いている」というメッセージを感じた人
5.全体に、表情が豊かで好感が持てた人
Ⅳ ヒヤリング・スタイル
1.よく相槌をうっていた人
2.アイコンタクトをきちんととっていた人
3.仕草を真似ていた(ミラーリング)人
4.言葉を真似ていた(ペーシング)人
5.聴き上手だなと感じた人
Ⅴ トータル・スタイル
1.気配り上手な人
2.仕事ができそう、任せてもい人
3.相談相手にしたい人
4.一緒のチームで仕事をしたい人
5.とてもオープンな印象の人
6.熱さ、情熱を感じた人
7.存在感を感じた人
8.上司にしたい人
9.目標にしたい人
10.一番ラポールを感じた人 
   *ラポールとは相思相愛、互いに認めあい、心地よい関係を言います。

◆ 51 バースデーサークルフィードバック
パフォーマンス・スタイル評価は、一つの項目で、「一人」を選ぶことがポイントになっています。二番手は記憶に残らないからです。パフォーマンスは、一番に意味が生まれます。
実施の際、グループは10名以上、20名までが適した人数です。また、同ブランドでの運用の場合、研修を振返って選ぶように指示しても、普段の印象が影響してきます。これはしかたがないことです。
評価が終了したら、インストラクターは個々にフィードバックをしていきます。この時のポイントは、「強み」を認めるスタンスです。パフォーマンスの弱いメンバーは、だれよりも自分が感じます。中には、シールを一枚ももらえない場合もあります。そういうメンバーにもフィードバックを試みます。
Ⅴの全体評価ですが、たとえばⅢの表情の項目で、笑顔の印象が強いでシールをもらうと、相談相手にしたい、上司にしたいなどの項目でも評価されるなど、関連が浮かび上がってきます。インストラクターは、チームの傾向を読みながら、関連性について的確に指摘をしていきます。
笑顔があり、声が大きく自信に満ちていて、動作も大きく、気配りを感じさせる人・・・というのが、期待されるリーダー像になるようです。それが、相互の投票というアクションで実証されます。
自分の振返りから、チャレンジ意欲につながる締めくくりのワークです。

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