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企業探偵の独り言 vol.3

さて、今回の独り言は「経歴詐称」について。
前回も書いたが、バックグラウンドチェックをしているなかで、およそ3割の人が経歴に何らかの問題を抱えているというのが事実である。
自分の履歴を良く見せようと思うがあまり、係長だったのを課長と申告したり、携わってもいない職務内容を書いてみたりと、まぁ様々な虚偽を目にする。
今、「虚偽」という言葉を使ったのには意味がある。実際には就いていなかった役職を職務経歴書に記載したりするのはもちろんウソなのであるから絶対にしてはいけない事だが、小生のなかでそれは「詐称」では無く、「虚偽」の範疇にあるということ。
では、「詐称」と呼ぶに相応しいウソはどんなものなのか。小生がこれは酷いと思ったのは、申告している経歴の殆どがデタラメというものである。最終学歴が高卒なのに大学を卒業したことにしていたり、就業してもいない会社を職歴に書いたり、1年しか在籍していなかった会社に5年居たと申告するなど、とにかく履歴書に記載している内容は「ウソ」だらけ。真実を書く気がまるで無い人なのである。
そんなウソで塗り固められた履歴書を基に採用されたところで、その人は活躍できるはずが無く、実力が無いことが露呈してしまい早々と退職することになるのは言うまでも無い。そして、その会社で働いたことは履歴書に記載されることなく、詐称した経歴をぶら下げて次の会社へ行くのだろう。
ひとつ忘れてはいけない事がある。
それは、前述したような経歴詐称で会社を転々としている人の裏には、嘘偽りなく、きちんと自分の経歴を記載したにもかかわらず採用されなかった正直者がいるということ。
企業の代表者や採用担当者からすると、一流大学を出て大手企業でのキャリアを積んできたというような輝かしい経歴書に目が行くのは当然のことである。でも、それが真っ赤なウソだと気付くのは、その人を採用して実際の働きぶりを見てからになるだろう。それからでは遅いのだ。一度雇い入れてしまうと、なかなか解雇が出来ないため会社は苦労することになる。
そういうトラブルを未然に防ぐための手段のひとつとしてバックグラウンドチェックがあるのであり、何よりも正直者が損をするというような事がない世の中になって欲しい。

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