これまでの感想と、カサンドラの恐怖

これまでの感想まとめ

念のため、過去の記事をご笑覧いただいたうえで当記事をご笑覧頂きたい。

　それらを踏まえたうえでの感想である。

　アコさんが頑張ったのは間違いないゆるぎない事実だと思う。子供１人、途中から２人抱えて寡黙な人物、恐らく孤立型のユーマ、「自閉のカプセル」に入った（私は頑としてこの表現を貫かせていただく）まま大人になった男性とよくぞ夫婦生活を形上続けてこられたと思う。そしてよくぞ刃傷沙汰やらどなたかの命が失われる前に離婚と言う形に持って行くことが出来たと思う。ギリギリのラインだったのだ。お互いに。正直ユーマさんにも非はあって、最高の好条件での軟着陸と思われる。
　しかし、アコさん（アゴ山さん）の患ったカサンドラは、彼女を蝕み続けるだろう。このような本を出版し、ご本人が啓蒙のつもりで発進した言葉。そのうちのいくつかが、世の中で頑張ろうと、喉も裂けよ血も吐けよと神に祈りを捧げながら、日々血を吐きながら続ける凄絶な生存マラソンを行う自閉スペクトラム症当事者への理解を後退させあらぬ誹謗中傷や興味本位の罵倒を生み、そのうち当事者を追い詰め殺すかもしれない。
　そんな時代が、来るかもしれない。障害者をオモチャにしていた人々に「死ぬべき発達障害者」とまで言われた私は、それを危惧する。

「カサンドラ」と言う怪物に変貌した人々

　抑うつ状態、初期段階のカサンドラは申し訳ないと思う。助けたいとも思う。旦那に「もっとやりようはねぇのか」と詰め寄りたくなる。
　しかし、相談するでもなく一方的にカサンドラを「こじらせる」と、憎悪が先だって逆に粘着的になってしまい「変な生き物の生態観察記録をしまーす！」などと本末転倒な夫婦生活を、配偶者の逆方向を向いて、さながら「血を吐きながら続ける最悪なマラソン」をSNSで続けることになるのだ。そんなアカウントを幾つも見てきた。
「そんなにお辛いなら、忘れましょうよ。過去じゃないですか。その人を殺すわけにも行かないんですから」
「別れてはいかがでしょうか。相手の有責になんとか……」
　と建設的な議論を持ちかけても、私が自閉スペクトラム症と知るや否や
「同類宇宙人の言うことなど聞くに値しませ～ん」
　などと暴言を吐かれたこともあります。気のせいか自閉スペクトラム症当事者よりカサンドラの方々の方が愚痴っぽく暴言厨めいているようにお見受けしますね。気のせいでしょうか

　またある時は
「アスペって『なんで？』って聞くだけでパニックとかヒス起こすよね。あれ本当に意味不明なんだけど。何で？笑」
　と言っている有名カサンドラアカウント（離婚はしないそうです。奥さんを観察しているそうで。モラハラじゃないかなあと思うんですが？）に、「①定型男性を装ったアカウント」「②闘病アカウント」の双方から
「①俺は女職場でお局から理由なく『何でよ！』『何で！』『何でよ！』とかヒスられて精神削られて退職してからその言葉で軽くパニックになるようになりましたわ。パワハラお局って理由とかいらんのですよ。ただ『何で！』ってヒスって鳴いてるだけで。そういうトラウマがあるんちゃいます？」
「②高圧的に聞かれたら、定型の方でも『何で？』にパニックやヒステリーを誘発される方はいると思います。あなたは奥様にどのようなトーンで聞かれていますか？」
　と試しに、Twitterでよく聞く「男性のふりをして回答すれば相手は普通だが、女性のふりをして回答すれば途端に横柄になった」という実験結果の話をちょっと捻ってお出ししてみた。
　返答は対照的であった。①の男性アカウントに対しては
「そうですね、それは確かに定型でも厳しいです。貴重な意見ありがとうございます」
　そして②闘病アカウントに対しては
「妻には普通に聞いてますよ。別れない理由は固定に書いてます。それすらも読まないんですね笑（以下ブロック）」

　もう、怨念だなあ、とおもいます。怨霊だなあ、と思います。生きながらにして怨霊になる。生霊だなあ。伴侶があらかじめ障害を抱えているとわかった後でも「障害者観察日記」を公開して「見世物」にするって見世物小屋の主人じゃないですか。いつの時代ですか。今は令和ですよ。虫の観察のつもりですか。人権ってご存じですか。人間に擬態した何かになっちゃってるなあ。怖いなー嫌だなー。自閉スペクトラム症を「宇宙人」というなら、この人達は何なんだろうなー。そう思った一件でした。
　きっとカサンドラの皆さんは何も失敗せず、完璧で、誰も傷つけず、一方的に伴侶の方を人にあらずと断罪できる何かお力をお持ちなんでしょうねー。いやー凄い凄い。さぞ社会的地位も高く、人望も「カサンドラ以外の方々からも」高く、「精神医療的にまともな思考」をされているのでしょうねー。どこかで晒されたり、論戦に巻き込まれたりしないんでしょうね。いやーすごいなあ！我々障害者はとても勝てない！一生首を垂れて生きなければ——
　んなわけなかろうが。狭い家の中やら会社の中で何度もネチネチ被害者意識蒸し返しては障害者せっついてせいぜい暴君になっとけや。パワハラモラハラヘイトスピーチ常習犯が。いつまでも被害者が被害者ヅラでおられる思たら大間違いやぞ。

　そしてアコさん、離婚してもなお思い出し怨念やユーマさんの発達特性というナイーブな内容を漫画として出版し、ユーマさんひいては今も生き続けている、社会の中で戦い続けている自閉スペクトラム症の方々に何かの矛先が向かいかねないことを発信されるなら、あなたも「成ってしまわれた」のですね。「おいたわしい」ですね。こわいなー。かなしいなー。なんでこんなことになったのかなーそもそも、「カサンドラ症候群」なんてICD-11にもDSM-5にも記載されてないいわば造語なのになー。
　どうしてこんなにどっちも歪んでしまうんだろう。どうして悲劇しか生まないんだろう。最初から結婚すんなよ。なあ。子供が出来ちまうまでどこを見てたんだあんたらは。私はそう言いたい。

アコさん、あなた結局

結局全ては自分だけ

　そしてまあ総括なんだけど、こんなことまあ酷だと思うよ。もう
「あーまたクソアスペが暴言吐いてるー！死んでほしい―！」
　とか触れて頂いていいです。それか
「傷つきました！アスペは宇宙人か悪魔なんですか！？晒します！」
　の一方的被害者面でも構いません。どっちの対応にも慣れてますので。どっちの対応する人もそれなりに悪名高い人でしたが！
　で、総括なんですけど、結局これってアコさんの（アゴ山さんの）視点からの自伝だから、一人称視点でしか書きようがないんですよね。つまり、
「どうしてユーマさんがここまで重篤な孤立型として社会人をしていられるのか」
「ユーマさんの成育歴はどんな風だったのか（いじめ経験、学習性無力の有無等々）」
「何故ああまで発達障害と診断されることを拒んだのか」
「何故頑なに『笑わない』ないし『笑えない』のか」
「職場ではどんな風なのか、職場でパワーを使い切っているのではないか」
「何故ユーマさんが常に『自閉のカプセル』で『心を守り続ける』必要があったのか」
「ユーマさんの譲歩や工夫を認めるアコさんの姿」
「客観的に見た（ユーマさんから見た）アコさんの姿」
　がいｓｓｓｓっさい見えないんですよね。唯一見えるのは義母方からの遺伝か？と猫の話で臭わされる程度のこと。
　しかし、上記の事は自閉スペクトラム症の人間の「なぁぜなぜ」を理解するためにとっても大事なんです。成育歴は必ず聞かれますし、何なら年表みたいにまとめられます。「笑わない」人間に職場の人間が外で声を掛けたり、そもそも家庭が崩壊するレベルの人間が会社の一員として会社を回しているというのもなんとも不思議なお話です。「笑わず寡黙なユーマさん」は、孤立型の「自閉のカプセル」に閉じこもった状態であって、もしや職場ではそうではない……？と一瞬思わされました。省エネ状態というか、そもそも何の職業かも明かされていないし。システム管理者等ITならそこに全力注力して他所ではもう省エネってなっててもおかしくないと思うんですがそれは……。
　ユーマさん自体、娘さん妊娠の頃などは彼なりの方法でフォローを入れようとしているように見受けます。ぶっちゃけ言いますと妊娠して
「こんな反応してほしぃ～♡」
　と夢見ているのはあくまで身勝手な妊婦の方で、自閉スペクトラム症の方は、というか心に何かを抱えている人間は何かサプライズ的なことが起きるだけで心に「負荷」がかかるんですよ。「喜び」とかまだ細分化できない「動揺」「負担」が発生するんですわい。そもそも雑誌なんてキャッチ―な投稿しか乗せるわけねーだろ全部が全部雑誌通りだと思うんじゃねーぞ。
　その点、この時のユーマさんは好プレーだったと思う。動揺して言葉足らずになるところを、時間が経って、あるいは時間をかけて「さっきは～だった」と落ち着いて文面で示す。これは怒りや悲しみの表明の際も有効である。激昂している時や動揺している時に話すとヒスの引き金発言しか出ないので、落ち着いて文字起こしすることで自分の真意との照合もできる。お互いの熱や悲嘆もある程度落ち着いている。
　閑話休題。それ以降のアコさんはぶっちゃけ
「あー、アカンアカン、妊婦様や。女様や。察してちゃんや。これはアカンて。キツイて。普通の旦那でも喜ぶんは最初の１日ぐらいちゃうん。何を求めてんのいつまでも。ワガママベイビーは腹の子だけにしてくれんか？」
　と読んでいるこちらが読むのを挫折しそうなくらいであった。他の夫婦を羨ましがるならそいつと結婚すな！
　そしていざ生むとユーマは使い物にならないから自分で専業ワンオペを選択して
「こんなの楽勝だって！」
　と増長する。「のちに後悔することに」みたいなことを書いてはいるが
「そんなもん知らんがな。おたくの『生まれつきの特性』ちゃう」
　としかこちらは言えない。そして療育関係の診断の際、夫婦は散々揉めるのだが案の定アコさんとユーマさんは対立する。ユーマさんの
「この子を発達障害にさせたいの？」
　と言う言葉にアコさんは激怒し、ユーマさんは「いったん考えさせて」と言ってご退散。そしてお気持ちＤＭならぬお気持ち作文を後日アコさんに渡す。その内容は大雑把に言うと
①「自分が障害者だと確定診断が下っていたら、大人になってから傷つく」
②「昔自分のクラスにいた障害者の子がいじめられていたし、自分もからかっていた」
③「確定診断はもらわず、健常者として成長し過ごした方が幸せじゃないか」
　①③についてはそれはそう。健常者として生きて行けるなら勝るものなし。個人的な邪推だが、これはユーマさんが障害者のクラスメイトについて言及している物語ではなく、全部通して「ユーマさん一人の物語ではないか」とおもうのだ。ユーマさんに何らかの確定診断が下り、ユーマさんの診断や奇妙な言動を揶揄するクラスメイトがでてきた。だから今は、確定診断を隠して健常者として過ごしている』。私はそうでないかと思わずにはいられない。
　無論、その根拠はない。何せユーマさんの「中身の事情」の掘り下げは一切ないのだから。ひたすら奥様がつらいつらいつらい旦那がひどいひどいひどい旦那は敵敵敵許さない許さない許さない

　はあ。もう悲劇のヒロインやめたら？素直に
「旦那ほんま嫌い。クソガイジすぎて死んだ方がいい」
　くらい言うたら？

あなた自分可愛さばかりじゃない！

　あんな、障害の診断を嫌がる人の心理ってのはちょっと考えたらわかるねん。あ、でもアコさんはかなり感情的な人やからヒスっとったら無理かな。まあここはうちのきょうだいが知的障害を疑われて集団検査に連れて行かれた時のこと例に出さしてもらうな。
　結局きょうだいは境界知能だったわけやけども、そこから更にそれじゃあ発達障害の検査もしよか！ってなった時に滅茶苦茶ガチギレしてギャン泣きして抵抗したらしいんよ。その理由を母親が聞いたら
「あんな子ぉら（周囲にいたあからさまに知的障害を抱えた子たち）と俺が一緒や言うんか！！俺は普通や！俺は、俺は認めん！！」
　いうて号泣したらしい。寡黙でどっちかっちゅうとユーマさん側の雰囲気の弟が、悔しくて泣いたそうなんや。言うとることは失礼やけどな。
　私は自分から仕事にあんまり支障が出るから自分で家族の反対を振り切って発達障害検査を受けに行ったクチやけど、それでも自分のどうしようもない結果を見て号泣したんよ。今までの人生や努力はなんやったんや！いうて。んで、入院した時は「こんな獣みたいな人らと私が同じなんかよ……」ちゅうてほんまに頭おかしなったよ。

　重い決断で、人によってはそら嫌がるよ、発達障害の検査する言うんは。
　下手すりゃそれまでの人生の瓦解やからね。

　ユーマさんが薄々気づいてたんやとしたら、猶更残酷やと思うよ。おーん。「お前に言われんでもわかっとる！」言う感じできつく当たるんもわかるっちゃわかるよ。あと、１個ちょっと気になってな。
　ユーマさんが言い合いになった時にアコさんがヒスり始めたら「ちょっと考えさせて」「今は休ませて。明日また話そう」みたいに時間をおこうとするやん。アコさんはそれが先延ばしされてるみたいで
「嫌だ！今がいい！今話して！！」
　いうてゴネとったけども、この場合判断が正しいのはユーマさんなんよな。そのまま会話を続けても、売り言葉に買い言葉でヒートアップして最悪物理的な大喧嘩に発展しかねない。そこをクールダウンさせるために物理的にも時間的にも「距離を置く」。ADHDが癇癪を起したときとかに使う「タイムアウト法」にも通ずるんやけど。要は
「今話しても感情のぶつけ合いにしかならんから、また後日落ち着いて建設的に話そう」
　ちゅうことなんよ。マイペースに見えるけど、一種の「自己防衛」「話し合いの作法」なんよ。
　確かに子供のことは一刻を争う大事なことかもしれんよ？けど、深夜とか変な時間の一秒一秒で決めんといかんのか？落ち着いて話したんじゃいかんのか？ちゅうことなんよね。
　身内びいきと言われるかもしれんけど、この「タイムアウト法」を体得しとる時点でユーマさんはやっぱりどっかで「自分が発達障害の疑い濃厚」とあらかじめ理解しているか、「自分が発達障害だと知っている」と思うわ。やからこそ、娘に遺伝したのを自分のせいにしたくなかった、逃げてしまった、孤立型の「自閉のカプセル」に逃げ込んだのもあると思うんよね。

　でもそういうバックグラウンドとかもアコさんには一ミリも関係ないんよね！だってそんな男より子供が大事だし、カサンドラ様なんやから！

　数々の違和感を誤魔化して今があるということを反省もせずに、ユーマさんが発達障害だとしたらその向き合い方を変えてみようともせず、もう離婚届一択で！最後まで彼は笑いませんでした！！完ッ！！と猪突猛進、プリウスミサイルもびっくりだよ！
　えー、独り身自閉スペクトラム症ADHD双極性障害合併入院歴あり自傷癖自殺未遂癖ありアラフォーデブス喪女のところである自分、「死んだ方が世のためになるメンヘラ」と言われている自分からの感想でございますが、

・何で結婚したん？
・結婚前に何見てたん？
・相手に期待値高くない？このご時世に専業主婦できるだけええやん！
・相手のバックグラウンドどれくらい知ってた？知ろうと努力した？
・ぶっちゃけ相手が笑わない云々で愛想が尽きた時点で離婚に邁進してたやろ？
・カサンドラの人達ってこんなに理想が高くて勝手に裏切られたって思いこんで騒いで被害者面してるんだなーってわかりました。こんな人たちが発信してる数々の精神疾患者に対する誹謗中傷も真に受けなくていいってことですね！
・旦那さんどこかで静かに自殺してないといいですね、マジで

　等でした。カサンドラの皆さんのお言葉に鬱になって自殺未遂を繰り返すほど悩んだ自分が真面目過ぎたなーと思いました☆よく考えたら職場で「カサンドラかも知れない！」とか言ってたパワハラお局もおかしい判定食らって訓戒食らったのはお局の方だったしね☆
　以上、こんな本が跋扈してただでさえ生きづらい発達障害男性・女性も更に生きづらくなりませんように。

　最後に。机の上にゼクシィ置いといて「あからさまに机の上に置いてるんだからちょっとは気にしてよ～♡」って言っちゃう嫁図々しすぎるやろ！！

　三回に分けた渾身の怒りの元カサンドラであり生まれつき死ぬべき発達障害を抱えた者の感想でした。一応最後に、色々書きましたがアマゾンリンクを貼っておきます。

　買うか買わないかは、あなたが誰の立場にあるか、どんな状態にあるかに大きく左右されると思います。何なら当事者で鬱傾向かつ自責携行が強い人は希死念慮が高まる恐れがあるので全くお勧めしません。逃げてください。
　気持ちを明るくして適切な距離をとって離れて読んでみてください、双方当事者からは以上です。

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