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(2)日本版帰化試験問題 第74問

【アメリカ市民権試験問題】

■第74問 どのような問題が南北戦争を惹起させたか。ひとつ挙げよ。

(答) 奴隷制度、経済の問題、州の権利

【帰化試験問題】

★第74問 日清戦争の戦争目的は何か。

(答) 朝鮮の独立

 アメリカ版では引き続き南北戦争である。これがアメリカ史に与えた影響が如何に大きかったかということを物語っている。
 日本版では西南の役の意義を語ってもよいのだが、近代日本の場合、やはり、日清・日露戦争の意義について、正しい知識を問いたい。ここでは日清戦争の戦争目的について出題する。

 『清国ニ対スル宣戦ノ詔勅』にはこのようにある。
 
 「淸國ノ計圖タル明ニ朝鮮國治安ノ責ヲシテ歸スル所アラサラシメ帝國カ率先シテ之ヲ諸獨立國ノ列ニ伍セシメタル朝鮮ノ地位ハ之ヲ表示スルノ條約ト共ニ之ヲ蒙晦ニ付シ以テ帝國ノ權利利益ヲ損傷シ以テ東洋ノ平和ヲシテ永ク擔保ナカラシムルニ存スルヤ疑フヘカラス熟〻其ノ爲ス所ニ就テ深ク其ノ謀計ノ存スル所ヲ揣ルニ實ニ始メヨリ平和ヲ犧牲トシテ其ノ非望ヲ遂ケムトスルモノト謂ハサルヘカラス事既ニ茲ニ至ル朕平和ト相終始シテ以テ帝國ノ光榮ヲ中外ニ宣揚スルニ專ナリト雖亦公ニ戰ヲ宣セサルヲ得サルナリ」
 
 意訳すると次のようになる。
 
 「明らかに清国の計画は朝鮮の治安の責を担う我が国(註、既に独立国である朝鮮と合意に至っている旨は前段で書かれている)を否定し、我が国が率先して独立国の列に加えた朝鮮の地位を、それを明記した条約と共にこれをうやむやにし、我が国の権利、利益に損害を与え、東アジアの平和を補償できなくすることは疑う余地のないところである。清国の行って来たところを見て、その謀略を深く考えれば、実に最初から平和を犠牲にしてその野望を成し遂げようとしていると断ぜざるを得ない。事ここに至り、私は平和である事に終始し、我が国の栄光を国内外に示す事に専念しているが、ここに公式に宣戦布告をせざるを得ない。」 
 
 そして、戦争の結果結ばれた下関条約には次のようにある。
 
「第一條 清國ハ朝鮮國ノ完全無缺ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス因テ右獨立自主ヲ損害スヘキ朝鮮國ヨリ清國ニ對スル貢獻典禮等ハ將來全ク之ヲ廢止スヘシ」

 日本が日清戦争で朝鮮の独立のために戦った事は明らかであり、これを侵略というのは、歴史の歪曲以外の何ものでもない。このように1次資料を読めばこれは言わずもがななのだが、教科書はこれを隠蔽しているのだ。
 自国を蔑むような歪んだマゾヒズムは、新しく日本人になる人にはいらない。帰化試験では非常に重要なポイントだ。

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