見出し画像

自虐教科書の病理④ 日本単独悪玉説〜日本人は虐殺されても教えない

 教科書では、日本人はいつも加害者です。関東大震災の時の「偽朝鮮人虐殺」や「偽朝鮮人強制連行」、そして神話化された「偽南京大虐殺」や「偽従軍慰安婦」はその代表です。ところが日本人の被害は無視されています。教科書が識者から「自虐的」だと言われる理由はこういうところにあるの
です。
 大正 9(1920)年、シベリア出兵中(ちなみに、シベリア出兵は国際共同出兵です)のこと、沿海州の街ニコライエフスクで、ロシアのパルチザン(非正規兵=国際法違反のゲリラ。テロリストと同じ扱いになります)に、日本軍民750人が虐殺されるという尼港事件が起こっています。我が国のシベリアからの撤兵が遅れた理由のひとつは、この事件の補償問題がこじれたからですが、それに触れる教科書は皆無です。
 尼港事件を起こした悪魔のようなソ連は、長崎に原爆が落とされた翌日、
日ソ中立条約を無視して満州国、樺太などから侵略を開始しました。その時の先陣は囚人兵でした。彼らは「戦利品」として日本人女性多数を陵辱し、殺害を免れた男性は、民間人までもシベリア等に連行して強制労働させたのです(シベリア抑留、しかしこれは、シベリア強制連行と呼ばれるべきです)。またソ連軍は終戦前日の昭和20(1945)年8月14日にも、避難中
の女性や子ども中心の一団2,000 人を戦車で蹂躙するという虐殺事件(葛根廟事件)も起こしています。教科書もマスコミも、いわゆる中国残留孤児の悲劇が、ソ連の戦時国際法違反に起因することになぜ言及しないのでしょうか。
 被害者ヅラをしている中国人が加害者となった事件もたくさんあります。昭和2(1927)年、蒋介石による軍閥との戦い(北伐)の混乱の中、国民党の兵士が外国人や外国権益を無差別に襲うという南京事件が起こりました。こちらが本当の南京事件です。日本居留民も例外ではなく、彼らは着の身着のままで、領事館へと避難しました。ところが暴徒は平気で領事館内に侵入し、病臥中の森岡正平領事が、彼らを刺激しないよう警備兵の武装解除をしていたにもかかわらず、領事の目の前で夫人を陵辱するなど、暴虐の限りを尽くしました。それでも当時の幣原喜重郎外相は、中国への友好の観点から、内政不干渉を守り通したのです。その後も北伐軍は済南で、避難しなかった日本人居留民16 人を虐殺し、あろうことか死体を弄んでいるのです。
 蘆溝橋事件が起こった直後の昭和12年7月にも中国軍は、北京郊外の街通州にいた日本人180人を、戦闘とは一切関係がなかったにもかかわらず虐殺しています。原爆や東京大空襲の虐殺には一切触れることなく、我が国を不当に断罪することだけを目的にした国際的政治ショー「東京偽裁判」でさえもこの事件は取り上げられました。その地獄絵図は、あの反日朝日新聞の東京偽裁判法廷記者団の記録にさえ残されています。「血で染まった真っ赤な池に浮かんだ、家族全員が手を針金で数珠繋ぎにされた遺体」、「強姦された後、陰部に箒を押し込まれたり、口に砂を詰められたりした遺体」が見られる地獄図の中、「牛のように鼻に針金を通された子ども」、「片腕を切り
落とされた老婆」、「腹部に銃剣を刺された妊婦」が救出されたという凄まじい記録が、裁判記録に残っています。この通州事件が、満州での日本人に対する迫害(それは、言い換えれば人種差別です)などで高まっていた、当時の日本人の反中感情を、さらに悪化させたのは言うまでもありません。日本軍の蛮行とされる作り話は、明らかに中国軍の蛮行の罪をベースにしたものなのです。なぜ日本人がひどい目にあっていることは一切教えずに、嘘でも日本人がひどいことをしたと教える必要があるのでしょうか。卑屈になっているということでは済まされない、壮大な意図がそこにはあるような気がします。
 「日本人悪玉説」を放置することは、「日本人は残虐な民族だ」というウソで子どもたちを洗脳ことになり、国を愛する気持ちや誇りをますます失わせることになります。教師さえ無知な人が多いのです。それほどこの洗脳は、一般的日本人に浸透してしまっています。歴史を直視する必要は確かにあります。しかしそれは、日本人の目で史実を確かめるという意味においてなのです。

連載第46 回/平成11 年3月3日掲載

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?