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未来のスーパースター石川昂弥の凄さに迫る

0.はじめに

中日は昨年のドラフトで東邦高校の石川昂弥を指名し、3球団競合の末見事に抽選を引き当てました。
佐々木、奥川という高校野球史に残るような超目玉の投手がいながら中日、ソフトバンク、オリックスの3球団が欲しがった高校No.1スラッガー、地元生まれ地元育ちの未来のスーパースターの獲得には我々ファンもワクワクせずにはいられません。
早速プロでも二軍の練習試合で結果を残し、先日一軍での出場も果たすなど早くも大器の片鱗を見せているゴールデンルーキー石川昂弥、彼の凄さを更に皆さんに伝えたいと思いnoteを書くことにしました。
稚拙な文章ではありますが、最後まで読んで頂ければ幸いです。



1.石川昂弥の打撃は「怪物」レベル

1-1.高校時代の打撃成績

まずは高校時代の打撃成績から見ていきます。

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ご覧のように高打率で四球も選べて三振も少なくホームランも打てるまさに怪物レベルの成績です。
地方大会では他の追随を許さない打棒を発揮し、2年の春以降は118打席で打率.538 7三振 27四球と高校生の中に一人プロが混じっているような反則レベル。
甲子園でも3年春のセンバツで一大会に3HRを放ちながら三振は0と、大舞台での強さも見せました。

夏の県大会は2回戦で敗退してしまったものの、春の活躍が評価されてU-18高校日本代表にも選出。
木のバットでは打撃が更に研ぎ澄まされ、大学日本代表相手にツーベース2本を含む3安打2打点、U -18ワールドカップでも全試合4番に座り打率3割超 9打点という活躍を見せ、プロの評価を更に高めていきました。


1-2.プロ野球での打撃成績

続いてプロでのここまでの成績です。

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上述のように二軍レベルでは既に通用する打力を持っており、.462という高い長打率を残しながら三振率は20%未満と、とても高校を卒業したばかりとは思えない成績を残しています。
しかも2005年以降高卒新人で二桁本塁打とOPS.800以上(200打席以上)を残した選手が一人もいないウエスタンリーグのチームを中心に対戦し、K.ジョンソン、フランスア、守屋、榊原といった一軍でも活躍するような投手からも安打を放っているので、見た目の成績以上にハイレベルということがわかります。

対左右別の成績で見ると左投手に無類の強さを発揮していることがわかります。
打席数が少ないので参考程度にという感じですが、ハイアベレージに低い三振率、安打の半分を長打が占める長打率と、素晴らしい成績を残しています。
四球が0ですが、甲子園の成績を見てもわかるように得意な投手からはどんどん振っていく打撃スタイルで、甘い球をしっかりと仕留めている結果なので心配ないでしょう。

一方右投手にはここまで打率.192と苦戦しており、一軍でも巨人の戸郷、與那原の前に3打数0安打2三振という結果に終わってしまいました。
一定の球速以上のストレートやカット、スプリット等の高速変化球が来ると流石に三振も増えてしまいますが、打てないなりに食らいついて四球をもぎ取っているのは流石と言えるでしょう。
一軍での試合を見ていても一打席目は手も足も出なかった戸郷翔征のカットボールを二打席目にはしっかりとバットに当て、高い対応力を見せました。

高卒一年目の3月の時点で課題が右投手の速いストレートと高速変化球のみという時点で末恐ろしい逸材なので、プロの球に慣れていけば早いうちに結果を出すことも可能でしょう。
まずは二軍でプロの投手が投げる球に慣れて課題をクリアできれば、一軍の試合でスタメン出場させても面白いのではないかと思います。


1-3.データと映像から見る打撃傾向

石川のこれまで二軍での打球方向別の成績と打席結果を見ていきます。

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これを見てまず目が行くのは、引っ張り方向とセンターから右方向でのゴロ/フライ比率の差です。
左方向への打球は12本中11本がゴロ性の打球で、2本の長打はいずれも三塁線と三遊間を鋭く低い弾道で破る当たりでした。
逆にセンターから右方向は2/3がフライ性の打球で、バックスクリーン直撃の本塁打やセンターオーバーの二塁打、ライトフェンス直撃の二塁打も放つなど逆方向への飛距離が魅力的ということがわかります。
甲子園で放った長打も4本中3本が右方向への当たりでした。
何故左方向と右方向でこれだけの差が生まれるのかを動画から見ていきます。


センターから右方向

ギリギリまでボールを引き付け、無駄が省かれた少ない力感のスイングからボールを飛ばせていることがわかります。
角度の付け方も上手く、中日立石二軍コーチは「自分のポイントを持っている。周りから見ると軽く振っている様に見えるけれども、しっかり力がボールに伝わっている。私は40年プロ野球に携わっているけれど、過去にこの石川昂弥のタイプは1人だけ居た。清原和博。彼のルーキーの時と一緒だ。末恐ろしいバッターになるから楽しみにしておいてください」と大絶賛。
ボールをしっかりと呼び込んで洗練された打撃技術で逆方向に捌ける高卒一年目はやはりなかなかいないので、素人目に見ても怪物っぷりがわかるバッティングをしていることがわかります。


レフト方向

https://twitter.com/ElevenSportsJP/status/1238713258304888832?s=19

https://twitter.com/1Nobuhiro/status/1168872129065914369?s=19


130km/h台の緩いボールにタイミングを合わせて引っ張れるのも石川の強みでしょう。
内角高めに引っ張り性の長打を打つツボがあり、この映像のホームランの他に、センバツの広陵戦で放ったホームランと大学日本代表戦で放ったフェンス直撃の当たりもインハイのボールでした。

速いストレートや落ちる変化球を引っ掛けてゴロになってしまうのが課題で、プロではサードへのゴロが目立ってしまっています。
速いボールが来ると少し窮屈な打ち方になってしまっているように見えるので、もう少し角度をつけてフォロースルーも大きくできれば、速球にも変化球にも対応できて広角にホームランを量産できる真の長距離砲に成長できると思います。

 


2.守備・走塁面も凄い石川昂弥

石川と言えば打撃面の凄さが真っ先に思い浮かびますが、守備面や走塁面でも高い評価を受けたのがドラフトの3球団競合にも繋がりました。
一軍の試合に出るには守備、走塁も高いレベルが求められるのでやはりプロレベルでも今後通用していくのかは気になるところ。
まだ二軍の練習試合ということでデータから分析するのは難しいですが、映像や球団関係者のコメントから守備・走塁面をチェックしていきます。


2-1.石川昂弥の守備

軽やかなステップに軽快なグラブ捌き、広い守備範囲にサードの深い位置からもノーバウンドで送球できる非常にレベルの高い守備を見せていますね!
ここまでのプロでの試合では全試合サードで出場していますが、小中学生時代と高校1年まではショートがメインポジションで、中日渡邉二軍内野守備走塁コーチも「ショートでもいいんじゃないか。ショートをやらせてもても面白いと思うし、対応出来るのではないか」と高評価。

かつてアライバコンビとして6年連続でゴールデングラブ賞を獲得した名手の荒木一軍内野守備走塁コーチからもボールを取りに行く時の足の運び方を評価され、スカウト陣からはスローイングに絶賛の嵐を受けました。
更に高い守備力を誇るドラゴンズの正遊撃手京田陽太にも「グラブさばきが上手く、僕もうかうかしているとこれはヤバイなって思いました。高卒入団で守備がうまいなって思った選手は久しぶり」と言わしめるなど、高卒ルーキー離れした守備力を備えていることがわかります。

課題を挙げるとすればプロの打球や守備陣の連携に慣れることや、スローイングの精度を更に上げることがもう一段階上のレベルに行くために重要だと思います。
打撃面にも言えることですが、やはりまずはプロのボールに慣れることが大切なので二軍でたくさん打球を受けて課題をクリアしていって欲しいです。
スローイングには映像を見てもわかるようにややバラつきが見られ、U-18ワールドカップでも送球エラーをしていたので投手としても最速144km/hを計測する強肩を活かすため、更に安定感を増やしていきたいですね。


2-2.石川昂弥の走塁

185cm 93kgという大きな体格から長打を量産するスラッガーということであまり足が速く無いというイメージを持たれている方も多そうですが、石川はかなりの俊足も持ち合わせています。
50m走は6秒台前半とそこそこ速く、2年秋の対外試合51試合では驚異の31盗塁をマーク、センバツやU-18ワールドカップでもきっちりと盗塁を決めました。
プロでも投手のクイックや牽制の精度、捕手の肩の強さ等が格段に上がる中ここまでの二軍14試合で3盗塁を決めており、盗塁技術は予想以上に高そうです。

盗塁の動画を見る限りスタートの切り方とスライディングにかなりセンスを感じるので、将来的には一軍でもたくさん盗塁を決められると思いますし、トリプルスリーなんかも期待したくなってきます。
あとは細かいベースランニングを学び、野球脳も上げていければ言うことなしでしょう。



3.石川昂弥の将来を考える

最後に石川昂弥が将来どんな選手になっていくのかを考えていきます。
まずは石川がプロで成功を収められるかについてですが、これに関しては間違いないと思います。
既に全てにおいて完成度が高く、試合で使って行くうちに殆ど手を付け加えなくても勝手に成長していってくれるタイプだと思うので、未来のチームの主軸は確約と言って良いでしょう。
その更に上のレベル、日本代表の主軸を打つような球界を代表するようなスラッガーになるには、先程も挙げた通り速いストレートを引っ張り方向にもホームランにできるようにしたり、低めの変化球への引っ掛けを減らしたりすることが求められるでしょう。

次に石川が一軍のレギュラーに定着するのはいつ頃になるのかについてです。
石川がメインで守っている現在の中日のサードには昨季途中まで首位打者争いも繰り広げ、ベストナインとゴールデングラブ賞をW受賞した高橋周平という高い壁があります。
首脳陣の考える石川の育成プランも「高橋周平を超えた時と主力に大きな怪我した時のみ一軍で使う」という方針で暫くは二軍での出場が続くのではないかと思います。
とは言え石川クラスの才能であれば一軍で使いたいと思わせるような成績を残すのもそう遠くはないと思うので、ヤクルト村上のように二年目ぐらいにレギュラー定着していてもおかしくないでしょう。
高橋周平も危機感を持ってより一層レベルアップできるので、石川を獲得できたことはチームにとって本当に大きすぎますね。

最後に石川昂弥の完成形についてです。
石川がよく重ねられている選手と言えば同じセリーグの右の強打者である広島鈴木誠也や巨人岡本和真です。
両者共に石川と同じ高校時代140km/h台中盤を計測した経験のある強打者で、若くして3割30本を記録した球界を代表するスラッガー、石川もこの二人のような打者に成長できれば中日の黄金期が到来する日がやってくるのではないでしょうか。
この二人のような打撃+走れて守れる5ツールプレーヤーになって2018年のドラフト1位根尾昂や、同期入団の岡林と共に竜の未来を担っていって欲しいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
「私のイチオシ」石川昂弥のスーパースターへの道を注目していきましょう! 



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