レオ

介護のアルバイトをしながら、お芝居修行中です。 施設を利用しているおじいちゃん、おばあ…

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介護のアルバイトをしながら、お芝居修行中です。 施設を利用しているおじいちゃん、おばあちゃんに教えてもらう大切なこと、たまには思いつきで、書いています✏︎

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歩き始めた25歳

初めまして。 赤松怜音(アカマツレオ)です。 バイト生活をしながら、女優を目指しています。 3つほどバイトを掛け持ちしていますが、メインとなっているのは介護施設でのバイトです。1年と10か月勤めています。 介護施設といっても、リハビリ型のデイサービスなので、「お年寄りのスポーツジム」という感じで、身体を動かすことがメインです。 業務としては、ご利用者様の送迎(運転もします!)、施設での体操の指導(ご利用者様みんなの前で体操をします)、トイレ介入、介護記録などの事務作

    • ぽーじいちゃんと。

      昨日、施設巡回の看護師さんが 『ぽーさん、今日が最後の利用日なのよ、しかも今日誕生日』と教えてくれた。 前私が勤めていた店舗で仲良くなったおじいちゃん。 異動して以来会ってないから、、、4年は会ってない。 施設間を巡回している看護師さんが、よく、私と仲の良かった利用者様のことを教えてくれる。 私がぽーさんの通う店舗にいた頃は ぽーさんは歩いて来所していたけれど、今は車での送迎になったこと。認知症が進み、ご家族が介護が大変になり、うちの半日デイサービスではなく、施設に入るこ

      • スタートライン。

        先日、リブレプロデュース『アオハルがやりたくて』無事終演いたしました。 足を運んでくださったみなさま、気にかけてくださったみなさま、ありがとうございます。 今回の『アオハルがやりたくて』 始まりは実は、自主企画の『はじめまして』がきっかけです。 たまたま観てくださっていた、『アオハルがやりたくて』のプロデューサー兼演出&出演(大変すぎ)の松戸俊二さんにお声がけいただきました。 なんと主演。 わたしの経験と技量からして、主演をやらせてもらえるなんてこんなにラッキーなこと

        • はじめのいっぽ!!!

          新しいこと、考え中です。 一日中、頭の中はそのことでいっぱいで、 ワクワクドキドキが、不安に押し潰されそうになっています。 でも、いつでもはじめの一歩は怖い。 今までも、新しいことをやる時はそうだったよなと思いながら とにかく一歩、確実に踏み出したい。 いっぱい人に甘えて頼って、 それでも最後に信じられるのは自分の決断。 失敗するかも、やめときゃよかった、って思うかも。 それでも一歩、踏み出したい! 今年のスローガンは『試行錯誤』。 そうだ!!トライアンドエラー

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        歩き始めた25歳

          『ゼロになるからだ』

          5月18日。私は何をしていたかな。 日記帳を振り返ってみる。 『5月18日(水) 休みはダラダラ起きて、ゴツプロの12人の怒れる男みて。 ...(個人的内容のため省略)あした小屋入りー!!』 本番前最後の休みの日でした。お芝居観て、ゆっくりして、気合を入れて。 この日に、ゆんばあちゃんが旅立ったと、今日バイト先の方から教えてもらいました。 本番前だから、と私に知らせるのは控えていたそう。 お気遣いに素直に感謝しています。 今日の夕方、ゆんばあちゃんの家の前まで行きました

          『ゼロになるからだ』

          稽古休み

          バイト先のレターケースに新聞の切り抜きが溜まってる。 98歳のおじいちゃんが、NHK朝の連続テレビ小説の番組紹介ページをきれいに切り抜いて、赤松さんにって毎週持ってくる。 11時を過ぎると、小言がうるさい別のおじいちゃんが ほら、もう行く時間じゃないか、とわたしを帰らせようとする。 今日は週に一度の稽古が休みの日。 今日は行かなくていいの、と伝える。 落ち込みに落ち込んで、毎日全然うまくいかない稽古のことばかりぐるぐる考えながら 出勤した久しぶりの介護施設。 気持ちが疲

          稽古休み

          ころばあちゃん

          1月28日、12時19分。わたしは駅の改札から出たところ。 携帯に着信。知らない、携帯の番号が表示される。 いつもなら知らない番号には出ない。 だけどこういう時、虫の知らせ的なことってホントにあるんだなって思う。 なぜかその日は電話に出た。 「……もしもし、赤松さん?」男性の細い声。 「はい、、、。」恐る恐る返事をする。 「露田です。」 あまりない苗字に、聞き覚えのある声に、ピンときた。 「あぁー、、、ころばあちゃんの。旦那様ですよね?ご無沙汰しております。

          ころばあちゃん

          年の瀬に。

          久しぶりに会った友達が、スニーカーを履いていた。 おしゃれが大好きで、いつも冬はかわいいブーツを履いていた友達が。 なんか少し「変わったなあ」と思った。 10月に結婚式を挙げ、スピーチを任せてくれた友達。 いつも会うと馬鹿みたいに笑って、しょうもない話をして。 大人になるってどういうことかはよくわからないけれど、会う回数が減って、少しづつみんな大人になって。 変わっていって。 なんだか少し寂しいなあ、って。 特に年末だからかなぁ。 しみじみとそんなことを思いまし

          年の瀬に。

          ベリーベリーストロング

          午後5時30分の10分前。 この日は新人スタッフさんに道を教えながら、二人で車に乗っていました。 いつも通り最後の利用者様をお送りして車で施設まで戻る途中。 細い道で正面に車がライトをつけたまま停止。 よく見ると見慣れた車いすのおじいちゃんが、道沿いの駐車場の前で動けなくなっていました。 正体はやはりかめじい。かめじいは私が働く施設に長らく通う利用者様です。 人が集まって、おまわりさんもやってきて。 わたしは新人スタッフさんに車を任せて、かめじいのもとへ駆けつけ

          ベリーベリーストロング

          思いを言葉にのせること

          たとえば、毎日の「行ってらっしゃい、気を付けて」と 母が私を東京へ送り出す時の「行ってらっしゃい、気を付けて」と。 同じ言葉でも、相手によって、関係によって、状況によって、言葉にこもる思いは全部違います。 少し前、大切な大切な友人の結婚式があり、嬉しいことにスピーチを任せていただきました。 素直な気持ちを丁寧に伝えたいと思い、形式ばった文言は使わず、原稿を読まずに暗記して話そうと決めていました。 わたしはお芝居修行中の身です。台本を読み、セリフを話します。 このと

          思いを言葉にのせること

          花をかざること。

          「生きたお花を飾りなさい」と言われて。 「日常の中に、必ず無駄遣いがある。無駄遣いを見直して、そのお金でお花を買いなさい。必ず、無駄があるわよ。」 何の話をしていた時か、施設に通ってくる仲良しのばあちゃんにそう言われて。 ふらっと立ち寄ったコンビニで、コーヒーとお菓子と、、、おっと。コーヒーだけにしておこう。 5分早起きして、朝ごはんの準備と同時に塩むすびを、お昼用に。 本を持ってカフェへ行こうか、、、たまには公園で読もうか。 そんなこんなで、わたしの部屋にはお花

          花をかざること。

          ナツのオワリ

          冬の終わりには、春の訪れを喜んで 春の終わりには、夏の始まりに胸躍らせ、 夏の終わりはには、夏が終わることを惜しみ、 秋の終わりには、冬の始まりをゆっくり待つ。 なんとなく、そんな感じ。 秋を歓迎していないわけじゃなくて、秋を歓迎する気持ちより、夏の終わりを惜しむ気持ちの方が勝っているような、そんな感じ。 何気なく聞いていたラジオで、「夏の終わりの歌特集」をやっていた。 やたらと終わりを惜しまれる季節、夏。 涼しくなってきて、少し寂しい感じがするからか、 楽

          ナツのオワリ

          大家さんとわたし#舞台裏

          先日、出演していた舞台が無事千秋楽を迎えました。 自分の「足りない」をたくさん感じた稽古から本番までの期間。 こっちの舞台裏、大家さんと女将さんは最強のサポーターでした。 実力不足を突き付けられて、メタメタの心を引きずって帰ってきた日。 玄関先で千日紅のお世話をしている女将さんが迎えてくれる。この期間は千日紅祭りに向けて女将さんも大忙しの時期でした。(実は女将さんは千日紅で商店街を盛り上げようと活動するスーパーウーマンです。) 「女将さん~、、、手伝うことないですか

          大家さんとわたし#舞台裏

          大家さんとわたし#プロローグ

          「おはよう」 「行ってらっしゃい、気を付けて」 「お帰り、お疲れさま」 「おやすみ」 こんなに、こんなに大切なことだったんだなあって気づいたのは最近です。 実は数か月前に引っ越しました。 ご縁があって出会った優しいおじいちゃん。 和菓子屋さんを夫婦で営むおじいちゃん。 そんなおじいちゃんが大家さんの物件です。 隣の家に大家さん夫婦が住んでいます。 女将さん(大家さん奥様)とは引っ越しが決まってから知り合いました。 とってもサバサバ、ちゃきちゃきの女将さん

          大家さんとわたし#プロローグ

          さぶちゃんのポケット

          マンションの入り口から出て、ゆっくりスロープを歩き、車まで乗りこむ数メートル。 わたしと、さぶちゃん。 二人きりの時間は、この数メートルを歩く数分間。 この時間が私はとっても好きだ。 大きな身体で、大きな手。色は少し黒い、まん丸の顔には優しい皺がたくさんある。レンズの厚い眼鏡の奥には目尻が下がった温かい目。おじいちゃんに思わせないハイセンスな着こなし。 歩行器を押しながら、麻痺がある足を一歩ずつ踏み出すさぶちゃん。 「歩行器のポケット開いて、ニット帽のかわいいの持

          さぶちゃんのポケット

          わたしのおばあちゃんの話#5

          施設では、いつもたくさん話をする。 普通は、ご利用者様の話を聴くのが私たちの仕事。 だけどわたしはいつも話を聞いてもらっている。 わたしの話を自分のことのように、 喜んで、悲しんで、たまに叱ってくれる利用者のおじいちゃん、おばあちゃん。 いろんなことが落ち着いて、 東京に戻って、またバイトを再開した日。 休憩中の、2人のおじいさんの前に座る。 目の見えない、ささじいさん。 認知症で少年のようになった、ルーじいさん。 「クビになったかと思ったのに、まだいたんか。」

          わたしのおばあちゃんの話#5