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one day photo_32:可処分時間が無い

可処分時間が少なくなると人間は闇に落ちやすくなる。
今絶賛暗黒の中を彷徨っている、仕事と育児に挟まれている状態で仕事の難易度がどんどん上がると胸痛と不眠が召喚されてしまった。マイスリーが全く効果が無くアモバンがお友達として召喚された、登山の時にスッと寝れるのでアモバンとエチゾラムは重宝している、だって自然に寝れねぇんだもん。
そんなわけで前回日記を書いた6月から4か月、毎月36協定のぎりぎりを保ちながら生活をしていた。7月起算でリセットされたからまた働けるぜとか思っていたんだけど、自律神経と妻が先に倒れるという事態が起きてしまった。家事はしていたけど連携が徐々に取れなくなっていく、マジかよと悲惨な顔になった。仕事と育児が地獄と化すと登山などは出来ない、夏休みの間妻が実家に帰省している間だけ登山が出来たが、一人の時間の価値、可処分時間は本当に大切だ。
無になれるってすごい幸せなんだぜ。
何をもってそんなに働くのかといわれると難しい。ただ自分的にはあんまり社畜とも思えない、上流工程マジックなのだが上流にいると「誰かの考えたものを作る」という感覚が無い。「会社の金を借りて自分が考える方法で世に打って出る」みたいな感覚になってくる、よく働くクリエイターのほとんどはこういう側面が往々にしてあると思う。
今どきのゲーム開発は数十億円単位で、プロト版を作るにも劇場アニメが2回くらい作れる金額が動く、しかもノーミス要求で数十人が一気に動く、量産のタイミングじゃないのに数十人がだ。この難易度の高い仕事を回せる人間なんて業界見回しても常に不足している。
難易度はどんどん上がるから人材はどんどん擦り減っていく、だって回せる奴の数を一気に揃えないと出来る奴に仕事が集中してそいつが最初に死ぬ構造になっているから開発は。
判断が出来る奴とその下に報連相の質が超いいディレクターを3人、それとPMを置いてようやく回る……かな?
夏前は勉強もできたし写真展を見に行く余裕を捻出できたが、今や仕事が終わればお薬を飲んで寝るだけだ、8時間寝ているから何とか踏ん張っているが、これが出来なかったらあらゆるものの板挟みで蒸発しているだろう。

というわけで、アニメ/ゲーム産業の上流で生きているんだけど久々に本当に死にそうになっている。昨今の業界は厳しい、アートとしてのコンセプトやマーケティングの立ち位置と商売として「なんでそれで金が稼げるか証明しろ」を10年前くらいと比較するとすげー最初の段階でかなり高精度に求められてしまう。
詐欺師を最初に装備するとか、そのジャンルの第一人者を連れてきて武装するが、やはり厳しい。
業務用や劇場など箱や席数で理論値を弾ける業態はマシだ、家庭用かつメディアミックスとかは選択肢の数が無限に近いので深海七層くらいの難易度がある、あらゆるところから別軸の「なぜ?」にさらされる。
企画コンセプト仕様設計、アートコンセプトと検証、人員配置に量産計画、プログラマーの検証項目のパズルを組み立てるPMがソーシャル業界とかから供給されても家庭用の規模と要求項目の多さに白目をむいて倒れるか、不感症になって機能不全になってしまう。
特にUEとかデザイナーがきつい目に合う、内製エンジンって良かったなぁ……なんでこんなに地雷が埋まってるものに家のローンを何回か返せるライセンス払うんだろう、保守や改造の人月もエグい。
そんな中でSNSを見ると幸せそうな登山報告が良く上がってくる、やい覚えていろよ。30代になったり育児がやってくるとそんなことできなくなるからな。ずーっとそれが出来るのは独身ディンクスリタイヤ、かつ仕事が適度に忙しくないやつだぞ、と悪態をつきたくなってしまう。
世の中そんな±0はない、彼らは家族も仕事も充実していて趣味も上手く回せているのだ。
赤砂糖よ、今は辛いが耐えるのだ……、と自分に言い聞かせるて今日も働くのだった。(所要時間15分、休憩時間で書いた)

7月、ロサンゼルス出張。この時はまだ余裕があった、この後始まる地獄を知らない。
ロサンゼルスは絶賛格差が拡大し治安が悪化していた。
一番驚いたのはEV、時代は電気自動車とメディアは仰ぐが、街中でテスラなんて1割も走っていない、ガソリン車が9割くらいである……。
コロナの頃は良かった、たくさん散歩が出来たからね。
最近は昼休憩すら満足に出れないから、散歩なんて出たら写真撮らないでずーっと歩くことに集中しちゃう。
子供たちは無邪気に遊んでいるが、子供たちと無邪気に接することが出来なくなった。
父にはもう余裕がない、子供と●●出かけました!というのも「余裕があって良いな」と思えるようになってしまった。自分がやりたくない仕事なら働かないんだけど、夢の延長線上にある自分事を自分から引きはがせなくなったときに家族がいないというのは幸せなことなんだと思う。巻き込まれる家族はたまったものではない。

休日も良く働いたので、10月は有休をとって山にいきたいなと思う。

登山ブログを書いたり、山で写真を撮っています、登山写真で気が付いた技術をひたすらつぶやきます。