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one day photo_36_APA AWARD 2024

2024年3月7日(これをかいてるのが6日)まで東京都写真美術館で開催中のAPAアワードを見てきた。というのも前回の日記でも書いたように「地獄みてぇな仕事で目に見えて疲れていた」私を見かねて先輩がチケットをくれたのだ。
なんでも先輩のご学友が入選したとかでチケットをたくさんもらったらしい、7日までだから午前は見に行って午後から出社したら~?という感じで吸い寄せられるように恵比寿の駅に降り立っていた。
というわけで以下感想。

APAアワードを見て思ったこと
①中韓の作家さん
中国と韓国の作家が話題に上がることが近年多いと聞いていて、実際IMAや赤々舎さんやPURPLEさんを追いかけていると、掲載されている作家やタイムラインで見かけるものにその傾向が見て取れると思っていました。
現代美術分野では韓国のお金のかけ方が素晴らしく、いくつか追っているメディアでもファインは全部中韓が持って行っちゃったよという言葉も聞く位。
僕が美大に頃も「うちのファイン(現代美術)は弱い」ときくことが良くあったが今はだいぶ差が付けられてしまったようだと感じる。
韓国は輸出資源の問題があり、芸能や美術にとても力を入れていたと思うのですが(アイドルとかね)自分の仕事の分野(イラスト/漫画/ゲーム)でも一時期の韓国の勢力といったものは凄まじく、ハイエンドなものは向こうのほうが強かったと思う。
また、仕事で関りがあったサウジアラビアも昨今、石油以外の資源としてメディアコンテンツに力を注いでいたというのもあり、価値の創造において現代美術って目の付け所がシャープねと思うことがある。
これからも美術に価値の創造という面で目を付けた国々は、美術教育に注力していきそうだなーと思う中で、今回本当にそちらの作家さんが多かったなと感じた。
 
ちなみにイラスト分野では日本国内では中国の勢いが強いと感じる。これはお国柄の影響があるなぁと、つくづく思う。向こうでエンタメビジネスはいろいろと怖いなーって思うこと多い。

展示されている作家の中では黄 麗穎さんの作品がやはり印象的だった。帰宅後に卒業制作のポートフォリオページから説明付きで93P拝見させていただいたが圧巻。会場では8枚組くらいの写真だったが、そこからも「この写真の過去に何が起き、何が埋もれているのか」といったことがしっかりと伝わってくる構成だったことが素晴らしいと思った。
キャプションも何もなくても家族のこと、一人っ子政策のことくらいまでは読み取れる構成になってて、強いなと思えた。
 
改めて内容を見てみると、直近で読んでいた高橋健太郎さんのA RED HATのような、編み込まれたコンテクストに圧倒される。上記は太平洋戦争時、生活図画事件と呼ばれるもので検挙された方々の今を通してその当時の時代や国といったところ、さらに共謀罪成立のタイミングに視線がつながっていく素晴らしい写真集だと思っている。
黄さんの作品も同じような見方をしてしまい、一人っ子政策で育った作家本人を通して時代や国といった所まで見渡すことが出来るものと受け止めてしまった。その時代が含む情勢、国を生かすために行われた施策、その結果生まれたもの。時代を残すものとしてすごい明瞭な言葉を持つ作品だと感じた。

②コラージュがたくさん
初めて訪れたので、例年の状況はわからないのですがコラージュ作品が多いと感じました。昨今は1930年代のような雰囲気があるねとは某所で聞いた覚えがあるのだが、当時よく見られたモノ/コラージュ的なものの勢いが確かに強いのではと思える受賞作品が多かった印象です。
木村伊兵衛賞でもコラージュの作品多いというか、内容じゃなくて枠の話をしている作品本当に多いもんね……。

③写真の持つillusionを排除する
コマーシャルフォトにおいては立体感をもたらすことは良いことだったりするのかなというか、上手な写真ってそういうもんだよなーと写真系の雑誌見ると思うことが多い。僕も過去ライティング関係の本を紹介されることも多く、いかに被写体を浮かび上がらせるか、レンブラントライトっていうのがあってね、ライティングがうまくなれば写真がうまくなります、ライトがわからない奴は写真撮れない、仕組みがわからないと~みたいなことを散々聞いてきました。

でも、流れ的に写真の持つillusionを排除し平面化した作品が好きだなーと、私はそっちなんだけど、ちゃんとそういう流れがたくさんあってよかったなと思う。雪山のネイチャーフォトもサルガドの氷河みたいな感じで平面化されていたり、大寺太郎さんの作品や、松本時代さんの作品は見ていて目が楽しいなと思えるものがありました。

公募展ということでいろんな作品がありますが写真史の流れの中で、これはこの流れに属しているのかな、これはこの影響を受けてそうだなといったことを考えながら見てみたりしても楽しい展示だなと思えたし。
作品の内容を読み取って見方ががらりと変わることを楽しめるようなものもあったり、いろいろな見方を内包したバラエティ豊かな作品を楽しめる展示でした。
感想書いたはいいが、明日までなんだよなぁ……。

 自分的お勧め作品は下記
  ・黄 麗穎さん:コンテクストを追ってからみると規模がでかく感じる
  ・松本時代さん:画が好きだったけど、写真集追うともっと素敵
  ・ウ アカンさん:シュトゥルートだ!
  ・大寺太郎さん:ライムワークスを思い出した
  ・中村 羽菜さん:逆イリュージョン、すげぇ平面化だ……

以下今週の撮影分と現像

奥武蔵や里山を歩いていると草ヒロがたくさん。関八州見晴台に行くとこれ以外にR32とかもあった、勿体ない。
顔を上げるとたまに印象深い枯れ木がいたりする。
奥武蔵を練り歩いていた
越生梅林よりも農家の梅畑のほうがすごいような
久々に散歩できた。
XF35mmf2つけて散歩
なんかソテツ的なものが捨てられてる、なんでも捨てられている見沼田んぼ
現像は甲斐駒ヶ岳、2022年はあと11記事。
甲斐駒ヶ岳良い所だよねー
北沢峠で泊まりたい
朝もやが沸き上がる森を歩きたいわ
仙水小屋って微妙な位置にあるな、縦走するときに使いたい
森林限界は涅槃、だけどわかる、わかるよ。
いろんな岩がお出迎え。
山の素肌を見ていた。

今開催中の中平卓馬の展示が見たいのですが、事前に2月発刊のプロヴォークの編集をやっていた方の手記を読んでから行くともっと楽しいよと言われたので買ったのですが……分厚すぎて4月7日までに読み終えて展示に行けるか非常に不安です。

登山ブログを書いたり、山で写真を撮っています、登山写真で気が付いた技術をひたすらつぶやきます。