見出し画像

逆噴射先生は20年前の三島一八しか知らない

本当はこんな事で記事を書きたくないのですが、逆噴射先生の書かれた三島一八についての記事が最新作までの内容を汲んでおらず誤りの多い物でしたので以前あのゲームに入れ込んでそれなりに調べた身として書かせてください……。
追記:私は単純に嘘を書いて欲しくなかっただけです。
以下に該当記事をリンクし、この記事内で引用させていただきます。

本題までの記述は私には首を傾げる部分もありましたが、誤りであると明確に指摘できる程情報を持ち合わせておりませんので割愛します。

カズヤとは・・・?

ストーリーの中心に位置する主人公的存在であり、いちばん悪人だ。

鉄拳とは、このカズヤが、実の親父の三島平八と血で血を洗う争いを繰り広げるストーリーである。

「いちばん悪人」はダウトです。
ストーリーの中核に位置する主人公的な人物であること、実の父である三島平八と大きな確執を持ち、争いを繰り広げるのは正解ですが、一八がいちばんの悪人であるとは言えません。

ここに関しては私から見た鉄拳というゲームがTT2まで持っていたストーリーコンセプトなどの話もありますが、今は省略しまして端的にお尋ねしたく思います。
逆噴射先生は最新作はご存知無いのでしょうか?
鉄拳最新作、T7ストーリーにある三島一八の人物背景を簡単に書きますと

一八が五歳の頃、母由来のデビルの力があると疑われたために「生きていればデビル、死んだら人間」という理由で平八に崖から投げられた。
なお母はその前にデビルと化したと判断して平八が殺した。
これらが発端となり一八は平八を恨むようになった。
(T1での崖からの投げ落としはこの5歳の頃のやり返し、その後T2で平八がやり返しで火口へ投げたため、T7でまたそのままやり返して火口へ投げたという筋になります)
(なおデビルとは簡単に言えば遺伝的要素+一定条件で発動する未知の意思であり、実際に悪であるかどうかはシリーズ全て通して読んだところで不明です)

さて、いちばんの悪人は誰でしょうか?

(この後の記述も読むに20年程前までの記憶が中心なのだろうなとは思いますが、最新作は7まで出ている長寿シリーズです。ご自身の影響力も鑑みれば多少なり調べてから書いていただきたかったです)

髪型がすごい

この項は誤りは無いと思います。

親父を崖から捨てた

スマブラの参戦ムービーは、大昔の「鉄拳1」のカズヤのエンディング・ムービーをもとにしている。カズヤは幼い頃、父親である三島財閥のボスの三島平八に、鍛えるために崖から投げ捨てられた過去を持っている。

鍛えるために投げ捨てられた訳では無い事は最初に記述しました。
そしてあのムービーはT1のオマージュ、というより最新作T7の再現です。
作中でついに平八と決着を付けた一八が火口へ平八を投げるシーンがあります。(なお、先に記述した通りやられた事をそのままやり返してるだけです)

YAKUZA

異論は特に無いです。

第三次世界大戦を起こした

別の暗黒メガコーポを乗っ取って、三島財閥にケンカを売り、それが第三次世界大戦みたいな事になった。

この部分はとても嘘です。
まず初めに私が作成した鉄拳シリーズの年表を提出します。
https://privatter.net/p/2483692

三島一八が平八によって倒され(T2)、約20年後の話がT3となります。ここでは一八は登場せず、一八の息子である風間仁の話でしたので割愛します。
そしてその2年後、T4の始まりでこの間をGコーポレーションに潜伏していた三島一八が表舞台に復活します。
三島財閥、平八からの襲撃でもって。
この時の一八はGコーポレーションを掌握していませんでした。
T4のラストで三島平八と三島一八はG社からの襲撃を受け、平八が死亡とされます。
この企業側による裏切りを機に三島一八はGコーポレーションを掌握にかかります。
三島平八の死亡により平八の父、仁八へ三島財閥頭首の座が移り、その仁八を倒した風間仁が三島財閥の頭首となります。(T5)
そしてT6、三島財閥頭首となった風間仁が全世界に宣戦布告、戦争へ向かいます。
ここで三島一八は掌握を終えたGコーポレーションを率いて対抗勢力として台頭します。

……あの、ですね、一八さんから戦争をふっかけたどころか、自分から喧嘩ふっかけた事もストーリー全体通してほぼ無いのです。
唯一言えるのはT2においての北海道独立でしょうか。
最初は平八へのやり返し、その後も平八へのやり返し、一度引っ込んで表舞台に姿を現したきっかけも潜伏先を知らずとはいえ平八に殴られたから、G社掌握は先にG社に裏切られており、戦争も先に起こしたのは仁です。

一八さんを善人という気はありません。
ほぼ全ての行動のきっかけは先に相手から殴られたことにありますが、G社掌握も仁への対抗も遅かれ早かれやっていたでしょう。血も涙もない冷血漢でありそうな描写も多いです。私は仁八との綺麗な思い出を回想しといて容赦無く殺した一八さん嫌いじゃないです。
けれど、事実関係としてはこうです。

つまりカズヤは完全に悪いやつということが証明されている。鉄拳のストーリーというのは、いくつか例外のパターンもあるが、主人公がだいたい一番悪く、周囲に配置された他のキャラクターが正義の心を持っており、その暴虐を止めようと頑張る中で太古の邪悪な存在が復活しようとするのでそれを止めるという流れがおおむねの筋書きとなっている。

異議あり。
周辺に配置されたキャラクターが正義の心を持っているという部分も私は懐疑的です。
私から見た鉄拳は明確な善人が存在しない世界観であり、善悪の基準を持たない世界観です。

追記:「太古の邪悪な存在」をデビル、アザゼル、思い切って三島三代まで拡大しても「止めようとした人物は誰かいただろうか??」と鉄拳を知る方々とタイムラインで盛り上がりました。全シリーズ通して五人いるかいないかくらいだと思います。

また、太古の邪悪な存在とはデビルを言いたいのでしょうがこのデビルに関してはT6で判明した設定があります。
T6は風間仁がラスボスであり悪の元凶と思われたが、実は風間仁はアザゼルという世界を滅ぼす存在を消滅させるために動き、最終的に対消滅を選んだという話です。
この中でデビルはアザゼルの眷属と言われています。
アザゼルは世界の調整者であり、世界がダメになる原因を根絶するための存在です。
現在の世界は人間がダメにした、すると判断しているから人類を根絶しようとしたし、同系統のデビルも人間を世界に不必要な物と判断している、という事がT6のシナリオで推測できるのです。
ここに私がT6が好きだった理由のひとつである、シナリオラスト付近におけるニーナというキャラクターの言葉を置かせてください。

仁はこの闘いにすべてを懸けていたわ
それが正しい事だったのかどうかは 判らないけれどね
でも あなたはそれでも彼が間違っていたと 本当に言えるのかしら?

正義の心とは、邪悪とは、なんでしょうか?

カズヤは鉄拳のシリーズ史25年間、つねに一番悪いやつのトップランナーとして、だいたい同じぐらい悪い実の父親を相手取り、世界の支配者になるべく自分勝手に争い続けてきた主人公なのだ。

ここも「んっ」って感じで、一八さんが自分勝手に争い続けてきたのかは先の年表を見て頂きたいですし、シリーズ全作並びに派生まで何らかの形で触れた身としては3以降の一八さんは割を食ってんなぁという印象であり、言いたいことを察して頂ければと思います。
自論ですが、そもそも対戦格闘ゲームと言うものはメインストーリー軸があるとはいえ、基本的に全てのキャラクターがプレイヤーに取って主人公であるゲームだと私は考えています。
メインストーリーでの視点が誰のものかという形での主人公はあれど、それ以上を主張する事は私にはできかねますし、賛同は致しかねます。

平八でも仁でもなくカズヤ

私の推しは風間仁なのですが、まあ大体合ってます。ただ一八さんは仁を法的に認知はしてなかろうでしょうが息子として自覚はめちゃくちゃしています。なんならそれをネタに仁を煽ります。

カズヤは外面も悪いし内面も悪い。1%の愛嬌もない悪人だ。

これは特に異論はありません。散々擁護とも取れる内容を書いては来ましたが、三島一八「も」悪人である事は私もそう思っています。
(スマブラが一八さんを選択した理由は私にはわかりませんが、平八の声優さんが亡くなられてたり、T7の内容からは尚更に避けるのは無難な気はします)

空手が強い
デビル化する

概ね合ってる、と言いたいところですが、根本的な話で3D格闘ゲームには飛び道具が無いため一八さんに限らず鉄拳のキャラクターは飛び道具を持ちません。っていうか、バーチャもDOAもSCも大体無いです。
飛び道具を持つのは自らがデビル化の切り替え可能な一八さんと風間仁がデビルに飲まれた姿であるデビル仁くらいだと思います。
鉄拳自体が熊とパンダとカンガルーと恐竜がプレイアブルキャラクターとして出ている程度に破天荒なゲームです。DLCとかは知らん。


以上、T7が出るまではストーリーやキャラクター、ムービーの完成度やグラフィック面に惹かれていた人間からの我慢しきれなかった話でした。
私は数年前まで鉄拳で二次創作を細々書いていた風間仁推しの女なので、一八さんについて細部まで知り尽くしているとは言えず、間違いもあるかもしれません。
が、それにしても20年前の知識だけで書いていると思われるあの記事は目に余ります。
一八さんがお好きなのはわかりますが、そうであるならば尚更に真摯であって欲しかったと思っています。
ニンジャスレイヤーの関係でダイハードテイルズ関連の記事も時折拝読していますが、今回の記事には非常に落胆を覚えました。
あれだけ拡散されてしまった以上、誤情報が正されることは難しいと思いますが、今後はこのような事がないよう、きちんと調べた上で記事にして頂きたく思います。

以下は私が作成した鉄拳についての文字資料もあるぷらいべったーとなります。
https://privatter.net/u/mumei_774
タイトル冒頭に【資料用】とあるものが該当する物です。
それ以外は腐っていたりもしますのでご注意ください。

ナナシ@refuge774のゲーム用Twitterアカウントがムメイ@mumei_774です。
上記資料などについて問題がありましたらどちらかのアカウントに御報告頂ければと思います。

我慢しきれなかった個人の叫びをご拝読いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?