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コンビニが無い世界には生きられない

 戦後世界は史上あり得ないスピードで発展を遂げた。昭和以降我らの生活スタイルは一変した。その一つにコンビニエンスストアの出現がある。若い人にとってコンビニは当たり前の存在だが、昔はコンビニのない恐ろしい世界だった。
 そもそもこの業態は昭和初期にアメリカの氷屋さんから始まった。営業時間を拡大し販売する商品の種類を増やして、1646年にこの会社はセブンイレブンとなる。当然営業時間は、当時では珍しい午前7時から午後11時。
 1939年アメリカオハイオ州で、ミルク販売のお店を始めたのがローソンさん。ローソンのロゴにはミルク缶があしらわれている。アメリカではこの業態がガソリンスタンドと併設されたりして大ブレークする。
 日本では地方都市において、嗜好品、食品、日用品、中には衣類も販売したよろずや屋なるものが存在したが、コンビニとの違いは営業時間である。
 日本でも1970年代には西友がファミリーマート(現在は伊藤忠)、イトーヨーカドーがセブンイレブン(現在はセブン&アイHD)、ダイエーがローソン(現在は三菱商事)を展開し、コンビニ大戦争の幕開けとなる。
 現在店舗数は6万店近く、売上は10兆を超えるという巨大産業となった。
 昔は夜中に買い出しに出るという選択肢はなかった。営業している店舗が無かったのだ。その少し前にはスーパーマーケットが流行りまとめ買いの習慣も出てきたが、店舗数は少なく営業時間も早くに閉まっていたので、うっかり買い忘れた調味料をお隣に借りに行くなんてこともある時代だった。
 考えてみると今は天国だ。コンビニはあちこちにあり、いつでも開いている。生活用品も飲食も雑誌も手に入れることができる。またコンビニ大戦争は各チェーンの商品開発を煽り、温かくて美味しいものや栄養バランスを考えた軽食も手軽に食すことができる。外国人観光客がコンビニのスイーツに歓喜する話はよく聞く。遠出も準備はそれほど気を使わない。コンビニ頼りの旅行スタイルも確立した。
 しかし、コンビニの経営もなかなか大変なようで、チェーン本部とフランチャイズと言う契約を交わした個人や法人が運営するのだが、資本や雇用などの関係はない場合が多い。立地周囲の変化や競合店の出現、長時間労働、アルバイト不足などで閉店に追い込まれる店舗も多いと聞く。
 コンビニの皆さん頑張ってください。もうあなた方無しでは、我々は暮らしていけません。
 【REG's Diary   たぶれ落窪草紙   2月3日(土)】

 

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