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【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#3


これまでのストーリー

ビジネスマンの男・M田は、出張で山奥のペンションに泊まっていたところ、叫び声のあと何者かに部屋のドアをノックされる。危険を感じたM田は、応答の無いドア越しの相手にノックで応答する事に気づくが、なんと相手はペンションの受付の男を殺したという…。その後も相手とノックでの会話を試みることになるのだが…。



本編



殺してしまったのか!これは大変なことだ

よし、まずは警察へ電話だ。



携帯、携帯…、ん…、 ちょっと待て!


そういえば俺のスマホはバッテリーがほとんどない上、充電器を家に忘れてきてしまい、フロントに充電をお願いしてたんだっけ!どうせ夕食の時に取りに行く予定だったから。そして、部屋には備え付けの電話も無い。


窓からは出られるかな、

窓を確かめるM田


窓から見たM田は絶望した


窓の外は2階で、下は断崖で落ちたら間違いなく死ぬだろう。


つまりは、この部屋から出られないし、外部との連絡が一切取れない、という事だ。


コンコンコンコン…。


こうしている間にもノックをしてくる相手だった。


M田「なんてことだ、まるで相手が笑っているようだ」

「俺が携帯を持っていないのを知ってるのか…」

フロントには充電中の携帯があるから、奴はそれを見て知ったのか?でも俺のスマホとは分からないはずだ


ノックの相手「……」


ノックが止まった



M田「あの〜、まだいますか?」


コンっ(はい)



M田「そうだよね」


「それで私はどうしたらよいのでしょうか?」


相手「………」


M田は一か八か試してみることにした


M田「あの、警察に電話しますよ」

「そうなったらあなたは逮捕される」

「あなたの目的は分からないが、私の事は放おっておいて、早くここから逃げたようがいい」

今日は、他に泊まっている客は俺しかいない、と殺された受付の人が言っていたし、おそらくこれから来るお客もいないだろう…。


コンコンっ!(いいえ)


逃げない、だと!


M田「私と、こんなノックで会話してどうするんですか?楽しいのですか?」



コンっ!(はい)



やはり普通じゃないな、殺人を犯す人間は普通の人の考えやモラルが通用しないと推理小説で呼んだ事があるからな、きっとこの相手もそうに違いない。



M田「私は殺さないんですか?」



コンコンっ!(いいえ)



目的は結局殺しか、私はこのままでは殺される!という事だ…。




       つづく

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