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覚悟する勇気と誹謗中傷のお話

覚悟というのが決まった気がする。にえたぎるような感覚が胸の奥に込み上がった。今までの弱い自分と、後ろ指を指してくるような奴らに対する怒りが沸々と湧き上がってくる。絶対に見返す!
そう決めた。


私はとある高校の軽音部の部長です。軽音部自体、人間関係がギクシャクしがちな部活ではあるのですが、高2の時、部活を退部していく人が増え、1年時は20人前後いた同級生の数もついに5人となってしまいました。学校の中ではさらに、退部した人たちからの部活動に対するバッシング、陰口、誹謗中傷が絶えませんでした。一度は先生方に協力していただいたおかげで、収まったものの、止むはずもなく、今でもそれは続いています。

うちの軽音部は特殊で、コピーバンドが軽音部の形態として主流の中、コピーはせず、自分たちで曲を制作してライブするというスタイルをとっています。大会の上位校は必ずと言っていいほどオリジナル曲で出場しています。手前味噌ですが、うちの部活も毎年、県大会には出場できている程度にはきっちりとした部活です。それもあってか、手厳しいところも正直あります。ですが、ちゃんと音楽をやろうとしている人たちも多いのです。世知辛いことに、それについていけないが故か、コピーバンドをしたくてもできないという不満が故か、私の知るところではありませんが、とにかく辞めた人たちが他方面で闇部活などと騒ぎ立ていたのです。それも表立ってではなく、裏で陰口をするように。

悪口にはすごいパワーがあります。それは広まり方、広まる速さでもそうですし、人の注目を集めたり、仲間を作ったりするにもそうです。YouTubeやX(Twitter)などのコメント欄でも賞賛のコメントより、アンチのコメントの方が目立つ場合があるのもその一例といえます。うちの部活の場合も例外ではありません。あっという間に、その雪だるま式に膨らんでいった悪い噂が自分の学年に広まりました。中学校から一緒で高校も同じ友達からも、高1の時に親しくしていた元クラスメイトの友達からも、高2の時点でのクラスメイトからも、明らかに一線を引かれ、白い目で見られていると感じることが増えました。ただただ悪い噂が一人歩きして、軽音部があるということだけしか認知してないような人々でさえ、その過度に脚色された悪い噂を会話のネタにすることも日常茶飯事になりました。もちろん学校での肩身はとてつもなく狭いです。辛い、行きたくないと本当に毎日思ってました。

高2の二学期、部長になってからが本当に辛い日々でした。その意図しない悪い噂から、今一生懸命に活動している部員たちをどうにか守れないかと、悩みつづけてきました。それからなのか、自分のせいでさらに悪い噂がうまれて迷惑がかかることのないように、出来るだけ穏便に波風立てないように、人目を憚るようになっていきました。自分でもかっこ悪いと思います。本当は傷ついてる弱い自分を無意識に守ろうとしていたんだと思います。気付いた時には自分の音楽に対する情熱さえも押し殺すようになっていきました。一年に一回風邪をひくかひかないかだった私も、月に一回は必ず体調を崩して、熱を出すようになりました。ひどい時には三週間連続、学校がない土日だけ熱を出すなんてこともありました。確実に免疫力、体力、が落ちていました。心も身体もすり減らし、人前で平然を繕うことに精一杯で、部活にも勉強にも何事にも、当然身が入りませんでした。学校に行って帰ってくるだけで、いっぱいいっぱいで1日の気力、体力すべて持っていかれました。体力的にも精神的にも限界だったと思います。残りわずかの正気で取り繕ったアウトラインで人の形をギリギリ保ってるなにかでした。

冬休み中も平日は部活があったのでなかなか、学校に関わらなくていい長い休みの期間はなく、今年の2月末に入ってから、高校受験で学校がやっと2週間弱休みになったんです。もちろんその期間は部活はできないので、学期末試験も近いこともあり、用事以外は全て家の中で過ごしていました。軽い引きこもり状態でした。その時にやっと自分を振り返る時間が作れて、傷ついてる弱い自分にやっと少し気付けたんです。かといってどうこうできるわけでもない自分の弱さにただただ打ちひしがれて、自分の無力さに浸ることで、むしろ自暴自棄になっていきました。休み明けはライブだというのに、音楽も怖くなって、そこでやる予定の新曲も休みの間は何も手をつけられませんでした。まともに試験勉強なんかできませんでした。「本当に情けない、みんなが当たり前に出来ているテスト勉強さえもできない、自分は本当にダメなやつだ」何度もその言葉が脳内で反芻しました。辛かった。

ラッキーなことに、自分は良い親友がいました。彼と話している間だけは、魔法がかかったかのように今までの苦悩がスッと消えて、くだらないことで笑い合うことができたんです。彼が無意識のうちに私を助けていたんです。本当に感謝しています。そのおかげで自暴自棄になっていた私も少しずつ、なんだかんだで前を向けるようになり。自分を変えようというポジティブな方向にエネルギーが向くようになりました。

いよいよ3月末になり、先輩方が卒業されて、うちの部活では例年の如く卒業ライブをひらくことになります。そこで先輩たちの最後のステージを部員全員で見届けるのですが、自分もありがたいことに先輩方とバンドを組んでいたもので、そのバンドで先輩方のラストステージに出させていただけることになりました。先輩方が引退して以来で、久々に自分を突き通すかっこいい先輩の姿を間近で見て、ライブをする中で音楽の楽しさに再び気付くことができました。本当に貴重な体験だったと思います。

こうして紆余曲折ありすぎた中で、今日、私は本当に大切なことに気付きました。

周りは関係ない、自分の好きなことを最後まで堂々と貫いたもん勝ちだ!悪口陰口上等!自分の色をだしていこう!


そう思った時にはもう決心が付いてました。あと引退まで半年も残されてません。部長としての務めを果たし、自分も先輩に助けられたみたいに、後輩に光を差し示せるようなかっこいい姿でありたい。ただそれだけです。覚悟はもう決まった。もう迷うことはない、あとはやるだけだ。




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長い自分語りでしたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。これから4月の新生活、心新たに挑戦する人たちのヒントになるものはありましたか?
日々懸命に生きる全ての方々の背中を少しでも押すことができれば嬉しいです。

最後に暖かいコメントどうぞよろしくお願いします。共に今を生きる同胞として頑張っていきましょう!!!

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